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忘年会・新年会シーズン到来
経営視点から考える「飲みニケーション」の是非

忘年会・新年会シーズン到来経営視点から考える「飲みニケーション」の是非

2024年も残すところ2カ月を切りましたが、これからの時期は、忘年会や新年会を行う企業が多いのではないでしょうか。

ただ、こうした「飲みニケーション」は日本の伝統的な企業文化として社内での人間関係の構築に役立つ一方、昨今は働き方や価値観の変化、コロナ禍での感染対策などの理由から否定的な方が少なくないと言えます。

そこで本記事では、

  1. 飲みニケーションを取り巻く現状
  2. 飲みニケーションの必要性
  3. 飲みニケーションのデメリット

について、経営視点での是非を考察してまいります。

企業の人事担当者や管理職の方は、社内の労務管理を充実させるためにもぜひ参考にしていただけると幸いです。

時代背景から考える飲みニケーションの現状と課題

飲みニケーションは、昭和・平成時代において企業内のコミュニケーション手段として広く使われてきました。しかし、令和時代に入り、人々の価値観が変わりつつあるのも事実です。そのため、昭和型の飲みニケーションは時代のニーズにそぐわないと言っても過言ではありません。

働き方や価値観の多様化

Z世代を中心に若い世代は仕事以外の時間を大切にする傾向が強く、プライベートや趣味、家族との時間を優先する傾向があります。つまり、飲み会に出席することが「仕事の一環」として暗黙に求められる状況は、彼(彼女)らにとって個人の自由やワークライフバランスを損なうものと捉えられています。

実際、SHIBUYA109 labが行った「Z世代の仕事に関する意識調査」 においても、上司を含めた会社の飲み会が好きか?の質問に対し、「好き」は33.4%・「苦手」は66.7%でした。また、相手が同期や同世代の同僚でも「好き」は50.8%・「苦手」は49.1%と言う結果であり、若者が飲みニケーションに前向きではないことがわかります。

※情報引用元:ニッセイ基礎研究所レポート

上下関係や年功序列の希薄化

飲みニケーションは昭和時代、上司や先輩との関係性を深めるための場として機能していました。しかし現代は、年功序列にとらわれないフラットな人間関係を好む方が多く、飲み会を通じた「上下関係の構築」よりも、仕事でのスキルや成果を重視する価値観が強まっています。​

アルコールに対する意識の変化

健康志向の高まりやアルコール摂取に対するリスクを意識する方が増えていることも、飲みニケーション文化の衰退に影響しています。また、飲酒の強制や飲み会への参加、お酒を飲まないことによる孤立感など、ストレスによるメンタルヘルスも課題となっています。

オンラインコミュニケーションの普及

テクノロジーの進化により、コミュニケーションの手段は多様化しています。そのため、対面での飲み会に頼らずとも円滑な人間関係が構築できるようになりました。

現実に、Zoom・Slack・Teams…といったツールが、仕事の場でも重要な役割を果たすようになり、飲み会を必要としない形でのコミュニケーションが可能です。

法律も後押し?飲みニケーションのメリットとは

飲みニケーションに否定的な方が増えている一方、その必要性を訴える経営者もいらっしゃいます。ここでは時代に逆行した経営者個人の価値観ではなく、経営視点からみた飲みニケーションのメリットを論理的に解説します。

組織の一体感と士気の向上

経営者として社内の一体感や士気を高めることは非常に重要です。実際、飲みニケーションを通じて普段の仕事では見えにくいリーダーの人間性を社員に伝えたり、社員同士の信頼関係を深めあったりすることは、職場の雰囲気や協力体制の強化につながります。

非公式だけどフィードバックの場

飲み会は、日常のオフィスでは出しづらい意見や悩みを上司が直接聞き出せる貴重な場とも言えます。社員にリラックスした状態で本音を語りやすい環境を提供することで、問題や不満を早期に察知することが可能です。飲み会の活用は、経営者が労働環境や組織運営に関するフィードバックを非公式に収集し、経営戦略の改善に役立ちます。

会社のビジョンを共有

飲み会は自社のビジョンや長期的な目標を社員に伝え、共有することも可能です。会議やセレモニーなどの公式な場では堅苦しくなりがちな内容も、飲み会というリラックスした雰囲気の中で伝えることで、より親しみやすく社員の理解が深まる場合があります。飲みニケーションを通じて会社の方向性に対する共感を醸成できることは、経営者にとって大きなメリットです。

法律も飲み会を後押ししている?

実をいうと、法律的にも飲み会を後押ししているのです。税制改正により2024年4月1日から、接待交際費における飲食代の上限が5,000円から1万円になりました。

接待交際費とは、事業に関わる人や企業に対して接待や謝礼をするときに支払う費用のことです。

接待交際費は主に取引先とのやりとりで計上されるものですが、社長や上司が部下を慰労する目的で複数人を連れて飲食する場合は、経費として計上できます。

このように、飲みニケーションを経費にできることも経営上のメリットがあるのです(資本金100億円以上の企業は不可)。

実は経営リスクも!経営者に広がる飲みニケーション不要論

飲みニケーションは経営上のメリットがある一方、リスクにもなり得ます。そのため、飲みニケーション不要論を唱える経営者も少なくありません。

客観的な意思決定の妨げ

飲みニケーションによって人間関係が密接になることは良いことです。しかし、感情や義理・人情による意思決定は、経営に悪影響を与える場合があります。たとえば、「取引先の担当者と仲が良く付き合いが長いからと、赤字の恐れがある商品を仕入れる」のようなケースです。

情報漏洩のリスク

飲み会でリラックスしすぎると、誤って機密情報を漏らしてしまうかも知れません。実際、経営者の立場では、社内外の飲み会で情報が流出する可能性を管理するのは難しいと言えます。セキュリティ意識は企業イメージや信頼関係に大きく影響します。

公平性や多様性の損失

飲み会に参加しない社員が情報共有の機会を失い人事評価に影響することは、公平性を欠いていると言わざる得ません。また、アルコールを飲まない・プライベート重視という社員に疎外感を与える文化は、多様性の観点からも従業員満足度の低下や離職率の上昇につながります。

飲みニケーションの失敗事例

過去には、飲みニケーションのデメリットが露呈してしまった企業事例もあります。石油元売り最大手のENEOSホールディングスは、グループ会社を含めて短期間に3度も社長が辞任・交代しました。 その原因は3度ともセクシャルハラスメント(以下、セクハラ)とのことですが、そのセクハラは「宴会の場で酒に酔い不適切な行為があった」と公表しています。

このように、社長という経営トップの立場ですら自制できないことがあるのが、飲みニケーションのリスクです。

情報引用元:2024年2月21日NHK報道

まとめ~飲みニケーションに頼らない人間関係を構築する方法~

ここまで経営視点から飲みニケーションの是非を考察してまいりましたが、本記事は日本の伝統的な飲み会文化を否定するものではありません。これからシーズンを迎える忘年会や新年会に好意的な方々は、むしろそうした場を楽しむべきです。

ただ、飲みニケーションに頼らなくても良好な人間関係を構築することが、企業のイメージやエンゲージメントの向上につながります。実際、現代のビジネスシーンでは、飲み会などの非公式な場に頼らずとも業務が円滑に進むための効果的なコミュニケーションスキルが求められています。

Winスクールでは、そうしたニーズに応えるヒューマンスキル向上を目的とした「コミュニケーション実践研修」をご用意しております。飲みにケーションも良いですが、この機会にコミュニケーションについて体系的に学んでみませんか?

コミュニケーション実践研修

2日間で社員一人ひとりのヒューマンスキルを向上させ、社内全体のコミュニケーションを充実させる

コミュニケーション実践研修3つの魅力

聴く力の大切さ

コミュニケーション実践研修では、コミュニケーションの基本である「聴く力」を強化することにフォーカスしています。

相手の言葉をただ聞くだけではなく、背景にある意図や感情を理解し、相手の思いを正確に受け取る方法を学びます。「傾聴」とは、相手の言葉に対して真摯に耳を傾け、自己の解釈や意見を一旦置いて、相手が本当に何を伝えたいのかを理解する姿勢を指します。

このスキルを習得することで、相手との信頼関係が深まり、業務における誤解や衝突を減らすことが可能です。そのため、飲みニケーションがなくても、日常的に深いコミュニケーションが取れる土壌が整います。

わかりやすい伝え方

相手に「伝わる」コミュニケーションスキルを身につけることも重要です。

仕事における会話や指示は、正確さだけが求められるわけではありません。感情に左右されず、論理的かつわかりやすく伝えることで、相手の理解が深まります。

とりわけ聞き手が「この人の話を聞きたい」と思わせるような姿勢や話の展開を意識することが効果的です。そうした伝え方を習得することで、社内のコミュニケーションが充実し、業務の効率化や成果の向上に寄与すると言えます。

事実と推論を区別しよう

対人関係においては、事実と推測を混同せずに意思交換を行うことも必要です。

たとえば、プロジェクトの進捗やトラブル対応では、どの情報が客観的な事実であり、どの情報が推測に基づいた意見なのかを明確にすることは、意思決定の質を高めます。 飲み会のような場では感情や雰囲気に左右されがちですが、コミュニケーション実践研修では、論理的に状況を分析・議論する力を養うことが可能です。そのため、より確実で実現可能な解決策を導き出せるようになるでしょう。

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