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ダークパターンとは?
みんな知っておきたい「人をだます UI」

ダークパターンとは?みんな知っておきたい「人をだます UI」

こんにちは! Shinobuです。

大阪でデザイナーとしての経験を活かしながら、デザインを学ぶ方のサポートをしています。 初心者さんでも「なるほど!」と思えるように、ポイントを整理しながらお話ししていきますね。

はじめに

「残りわずか」「今だけ」「あと○分で終了!」

ネットショッピングをしていて、こんな表示を見たことはありませんか?

ほかにも、「無料だと思って登録したら定期購入だった」「サービスを解約したいのに、解約ボタンがなかなか見つからない」「閉じても閉じても同じポップアップが出てくる」など、Web サイトやアプリを使っていて、「なんだか使いにくいな」「急かされているな」と感じたことがある人も多いのではないでしょうか。

この仕組みは、大手企業の Web サイトやサービスでも見かけることがありますよね。 そのため私たち自身も、「ネットショップってこういうもの」「多少使いにくくても仕方がない」と、いつの間にかストレスや違和感を見過ごしてしまっているのかもしれません。

しかし、こうした画面の中には、ユーザーを事業者にとって都合のよい行動へ誘導するために、意図的に設計されたものがあります。

それが、今回紹介する「ダークパターン」です。 それでは早速見に行ってみましょう!

ダークパターンとは?

ダークパターンとは、ユーザーの心理や思い込みを利用して、本来望んでいない行動へ誘導する Web サイトやアプリの設計です。

たとえば、購入を急がせたり、都合の悪い情報を見つけにくくしたり、解約を必要以上に難しくしたりする方法があります。

ここで大切なのは、単に「分かりにくい Web サイト」とは違うということです。 使いにくい Web サイトは、知識不足や設計上のミスによって生まれることもあります。

一方、ダークパターンでは、人がつい目立つものを選んでしまったり、急かされると冷静に判断しにくくなったりする心理を利用して、特定の行動へ誘導します。

つまり、デザインには人の判断や行動に影響を与える力があるということでもあります。

意外と身近なダークパターン

先述のとおり、ダークパターンは意外にも私たちの生活に浸透しています。

消費者庁の Web サイトで公開されている「ダークパターン事例イラスト集」 では、実際の事例を参考に、さまざまな例が紹介されています。

※この資料は研究資料の執筆者個人の責任で作成されたもので、「消費者庁の見解を示すものではない」とされています。

ダークパターンの例どんなデザイン?何が問題?
強制登録会員登録せずに購入する方法を見つけづらくする(会員登録必須だと思わせる)選べるはずの方法を、あたかも選べないかのように見せている
ひっかけ質問「お知らせを希望しません」など、分かりにくい否定形を使う読み間違いや誤操作を誘いやすい
キャンセル困難解約まで何画面も移動させたり、別プランを何度も勧めたりする申し込みと解約の難易度が釣り合っていない
隠れたコスト最終画面になってから送料や手数料などを表示する判断に必要な情報を分かりにくくしている
カウントダウン実態のない期限や残り時間を表示する焦らせることで冷静な判断を妨げる

ここに挙げたものを読むと、「あ、これどこかで見たことある」と、うなずいた方も多いのでは。

たとえば「強制登録」の事例では、会員登録をしなくても購入できるにもかかわらず、そのボタンをスクロールしないと見えない位置に配置したり、会員登録ボタンより目立たなくしたりする画面が紹介されています。

また、「ひっかけ質問」の例では、チェックボックスに「お知らせを希望しません」という否定形を使うことで、ユーザーが意味を取り違えやすいケースが示されています。 ボタンの色や形だけでなく、そこに書かれている文章も UI の一部なのです。

「人を動かすデザイン」は全部ダメなの?

いいえ。ユーザーの行動を分かりやすく導くことは、UI/UX デザインのたいせつな役割です。 「ここを見てほしい」「ここから申し込んでほしい」と考えてデザインすること自体が悪いわけではありません。

大切なのは、「ユーザーが必要な情報を知ったうえで、自分の意思で選択できる」ということです。

健全な誘導ダークパターン
目的ユーザーの判断を助ける事業者に都合のよい行動をさせる
情報判断に必要な情報を伝える都合の悪い情報を隠す
選択ユーザーが自由に選べる特定の選択肢を選びやすく仕向ける

「目立たせること」が問題なのではなく、ほかの選択肢をわざと見えなくしたり、誤解させたりすることが問題なのです…!

ダークパターンを作らないための「3つのチェックポイント」

では具体的に、自分がダークパターンを作らないためにはどうしたらいいのでしょうか?
ダークパターンを避けるには、「事実か」「自由に選べるか」「簡単にやめられるか」の 3 つを確認してみましょう。

チェック 1. その表示は、事実に基づいているか?

「残り 3 個」「本日限定」「あと 10 分」などの表示は、本当の情報でしょうか? 実際の在庫や期限に基づいた表示まで問題になるわけではありません。 実態のない数字や期限を使って、ユーザーを焦らせることが問題です。

チェック 2. ユーザーは自由に選べるデザインになっているか?

「YES」のボタンだけを大きく目立たせ、「NO」を背景と同じような色にしたり、小さな文字にしたりしていませんか? どちらを選ぶ場合でも、ユーザーが選択肢をきちんと認識できることが大切です。

チェック 3. 始めるときと同じくらい、やめる(解約する)のも簡単か?

登録は 1 クリックなのに、解約するには何ページも移動しなければならない。 そんな設計になっていないでしょうか。

消費者庁の事例集でも、解約までに多数の画面を移動したり、何度もスクロールしなければならなかったりする「キャンセル困難」が紹介されています。

「自分がこの画面を使う側だったら、どう感じる?」とユーザーの立場から考えてみることが、最初の一歩です。

日本でもダークパターンへの規制が進んでいる

ダークパターンは、単なる「ちょっとズルい Web テクニック」ではなく、法律の面からも問題視されるようになっています。

消費者庁では 2026 年、「デジタル取引・特定商取引法等検討会」を開催し、インターネット取引の新たなルールについて検討を進めています。

2026 年 9 月 2 日に開催された第 9 回検討会でも「中間取りまとめ(案)」が示され、消費者の意思決定をゆがめる UI について、新たな規律を設ける方向が議論されています。

そこでは、たとえば次のような表示や仕組みが論点になっています。

  • 虚偽の在庫情報やタイムセール
  • 支払金額や契約期間などを分かりにくくする表示
  • 繰り返し申し込みを迫り、不安や迷惑を感じさせる UI
  • 広告であることを分かりにくくする表示
  • 契約時よりも複雑にした解約手続き

特に解約については、オンライン上の UI 設計などによって、解約を不当に遅らせたり、契約時よりも過度に複雑な手続きを課したりする行為を規律の対象とすべきだとされています。

※2026年9月時点では「中間取りまとめ(案)」の段階であり、ここで挙げた内容がすべて新しい法律として施行されているわけではありません。最新情報はこちらから。

よくある質問

ダークパターンは違法ですか?

すべてのダークパターンが一律に違法というわけではありません。 ただし、表示や販売方法によっては、景品表示法や特定商取引法など、既存の法律に抵触する可能性があります。 また、2026 年現在、新たな規律についても検討が進められています。

 「残りわずか」と表示するとダークパターンになりますか?

実際の在庫数など、事実に基づいた表示であれば、それだけでダークパターンになるわけではありません。
実態のない在庫数や期限を表示して、購入を不当に急がせることが問題です。
消費者庁の中間取りまとめ案でも、虚偽の在庫情報やタイムセール等が規律対象の例として挙げられています。

申し込みボタンを目立たせるのもダメですか?

申し込みボタンを目立たせること自体は問題ありません。
大切なのは、ほかの選択肢を隠したり、分かりにくくしたりして、ユーザーの自由な判断を妨げないことです。

おわりに

Web デザインでは、きれいな画面をつくるだけでなく、「使う人がどう感じ、どう行動するか」を考えることが大切です。

HTML や CSS が書ける。Illustrator や Photoshop、Figma が使える。それももちろん大切なスキルです。 でも実際の Web 制作では、「このボタンは分かりやすいかな?」「この説明で誤解しないかな?」「ユーザーは自分の意思で自由に選べるかな?」と考える力も必要になります。

そして、こうした「使う人の立場から、画面や体験を設計する考え方」が UI/UX デザインなのです。

デザインには、人の判断や行動に影響を与える力があります。 だからこそ、その力を「こちらが望む行動をとらせるため」だけではなく、使う人が安心して自分で判断できる体験をつくるために使いたいものですね。

Win スクールでは、Web デザインだけでなく UI/UX について学べる講座も用意しています。 Web 制作の技術とあわせて、「使う人のことを考えるデザイン」についても学んでみてはいかがでしょうか?

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