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デザイン作業に重要な
モニターのエトセトラ!
サイズや色域、解像度などの解説まとめ

デザイン作業に重要なモニターのエトセトラ!サイズや色域、解像度などの解説まとめ

将来的にデザイナーとして活動したいと思っているけれど、パソコンやその周辺機器に対してあまり詳しくないため、どれを選んだら良いかわからない…という方は意外に多いのではないでしょうか。

デザイン作業において、モニター(ディスプレイ)は非常に重要です。なぜなら、そのサイズは元より、色域や解像度など、細かい部分において作業の質に影響を与えるからです。

この記事ではクリエイティブな仕事、とりわけデザイナー志望の方に向けて、作業用モニターの選び方を多様な観点からお伝えします。

モニターとは?

モニターとは?

そもそもモニターとは一体どのようなものを指すのでしょうか。まずはデザイナーとして仕事をするときに必要なモニターの基本を知ることが大切です。

モニターの定義

モニターとは、一般的にディスプレイ機器全体を指し、特定の用途に応じてデザインされたディスプレイのことを言います。モニターには、液晶ディスプレイや他のディスプレイ技術(有機ELやプラズマ)を使用することがあり、コンピューターの外部ディスプレイや映像編集用の専用ディスプレイ、ビデオゲームのゲームモニターなど、さまざまな用途に応じて製造されています。

モニター選びで大切な3つのポイント

モニター選びで大切な3つのポイント

モニター選びのポイントはいろいろありますが、画面の大きさや色域、光沢の有無によって作業への影響度合いが変わります。まずは3つの重要ポイントを確認しましょう。

モニターのサイズは大きめを選択

デザイン作業において、モニターのサイズは非常に重要です。なぜなら、広い画面領域にデザインツール・アプリケーションウィンドウ・パレット・画像などを配置することで作業の効率性が向上し、複数の要素を同時に表示することが可能だからです。

またモニターのサイズが大きいことは、デザインの詳細をより正確に表示できるメリットがあります。とりわけWebデザインに関して言えば、近年はレスポンシブデザイン(スマートフォン用)が重要な役割を果たしており、大きなサイズのモニターを使用することでコンテンツ全体をしっかり把握することが大切です。

色域の重要性

私たち人間の目で認識できる色の範囲を指す色域は、デザイン作業において非常に重要です。

デザイナーは、作成したデザインが他のデバイスや媒体で忠実に表示されることを求められます。そのため、モニターの色域が広いほど、より画面上で再現できる色の範囲が広いと言えます。特にカラフルなデザインやグラフィックを制作する場合には大きく関わってくるでしょう。

光沢の有無

光沢と聞くと写真の世界の話をイメージする方もいらっしゃいますが、デザイン作業においてはモニターの光沢の有無も意識します。

光沢のあるモニター(グレア液晶)は、周囲の明るい光や反射を反射しやすくなる傾向があります。つまり、作業中に画面上のコンテンツを正確に見ることが難しく、デザイン作業では光沢の少ない非光沢モニターを使用することで、反射を最小限に抑えることが可能です。

また長時間の作業は目が疲れやすいので、健康面の観点からも、非光沢モニター(ノングレア液晶)で快適な作業環境を整えることが大切です。

品質に関わるカラーマネジメントやキャリブレーション

デザイン作業においては、カラーマネジメントやキャリブレーションも品質に関わります。

カラーマネジメントを意識

カラーマネジメントとは、デジタル環境における色の一貫性と正確性を確保するための手順や技術のことです。ディスプレイやプリンターなど、それぞれの機器の色の特性やズレを考慮して一貫性のある色表現ができるように調整することは、実務レベルでのデザインや印刷業界ではとても重要な概念です。そのため、カラーマネジメントを意識することは、デザイナーに必要な心構えの一つと言えます。
なお「カラーマネジメントモニター」という、必要な機能が揃っているモニタも一部メーカーでは販売しています。

キャブリレーションへの理解

キャリブレーションとはモニターの色やトーンを正確に再現するために行われる調整を意味します。カラーマネジメントにおいてキャリブレーションは必須ですが、手法はいくつかあります。前述の「カラーマネジメントモニター」もキャリブレーションに対応しています。

解像度の違いにも注目しよう

解像度の違いにも注目しよう

解像度とは画面上のピクセル数の総数を表す指標です。解像度は、横方向と縦方向のピクセル数の組み合わせで表され、一般的には横方向のピクセル数を先に示し、その後に縦方向のピクセル数を示します。解像度の表記にはさまざまな規格がありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。

HD (High Definition)

HDは1280 x 720ピクセルの解像度を指します。主に映像やコンテンツの基本的な視聴や表示に使用されますが、比較的低い解像度なので、詳細なグラフィックス(※1)やテキストの表示には不十分かもしれません。

※1 グラフィックスとは、パソコンの内部で写真・イラスト・図形・文字…などの視覚的要素を組み合わせて平面上に構成された表現の処理と表示を専門的に行うこと。

フルHD

フルHDは1920 x 1080ピクセルの解像度を指します。これは一般的なモニターやテレビの標準的な解像度です。「フルハイビジョン」などの単語は耳馴染みがあるかもしれません。フルHDはHDに比べて画質が向上し、多くの場面で利用されており、デザイン作業においても基本的な表示や一般的な作業に適しています。

2KまたはWQHD(QHD)

2KまたはWQHDは2560 x 1440ピクセルの解像度を指します。これはフルHDの解像度よりも高い画質を提供します。より詳細なデザイン作業に適しているため、多くのデザイナーが使用しているタイプです。

4KまたはUltra HD (UHD)

4KまたはUltra HDは3840 x 2160ピクセルの解像度を指します。これは非常に高い解像度であり、鮮明で詳細な画像を提供します。高品質なグラフィックスや画像の編集、高い解像度のコンテンツの制作といった作業ではこのタイプが適しています。

8K

8Kは7680 x 4320ピクセルの解像度を指します。これは2023年時点で最高の解像度であり、非常に詳細な画像を提供します。主に映像制作や専門的なグラフィックス作業において使用されるので、一般的なデザイン作業においては、高価でもあるためあまり使用されていないのが現状です。

WUXGA

WUXGAは1920 x 1200ピクセルの解像度を指します。フルHDよりもわずかに大きな解像度を提供している程度ですが、画面の広さからより多くのコンテンツを表示することが可能です。そのため、好みにもよりますが、このタイプのモニターを使用するデザイナーは少なくありません。

WQXGA

WQXGAは2560 x 1600ピクセルの解像度を指します。WUXGAよりもさらに高い解像度が特徴です。とりわけビジュアルデザインや映像制作などの分野で活動するデザイナーにとっては魅力的なのではないでしょうか。

以上、代表的なディスプレイ解像度をご紹介させていただきました。

解像度は画面上のピクセル数が多いほど、より詳細で鮮明な表示が可能となります。そのため、デザイン作業では解像度の高いモニターを使用することで、細かい部分やテキストの読みやすさが向上します。ただそうは言っても、解像度が高いほどコンピューターの処理に負荷がかかるため、パソコンの性能も考慮する必要がありますし、また用途次第ではオーバースペックになってしまうのでその辺りも考えた方がいいでしょう。

接続端子も合わせて購入が必要?

接続端子も合わせて購入が必要?

接続端子は、モニターとコンピューターや他のデバイスを接続するためのポート・インターフェースなので、モニター選びにおいては接続端子も考慮する必要があります。

デバイスとの互換性を確認する

モニターを接続するデバイス(例:デスクトップPC・ノートパソコン・ゲーム機器など)との互換性の確認は非常に重要です。お手持ちのもしくは購入を検討しているデバイスのポートとモニターの接続端子が一致しているかどうかきちんと確認しましょう。

種類の違い

先ほどの互換性にも準じることですが、パソコンとモニターをつなぐための接続端子には種類の違いがあります。

主な接続端子の種類としては、テレビやブルーレイレコーダーなどでもお馴染みの「HDMI」、HDMIより高い解像度に対応している「DisplayPort」が今は主流でしょう。
1本のケーブルから映像・音声を劣化させずにデジタル出力できるため、取り回しも楽です。

どちらも、それぞれの中でバージョンの違い(規格)が存在し、微妙に性能が異なるため注意が必要です。また、ノーマル端子だけでなくmini端子などもあるので、その辺りの違いも注意しましょう。

昔は多かったアナログ出力の「VGA」、デジタル出力の「DVI」もまだ使用するケースはありますが、新規でパソコンやモニターを購入する場合あえてこの接続を選ぶケースはほぼないでしょう。
なお、最近ではUSBの次世代規格である「USB Type-C」や近しい存在である「Thunderbolt」などもあります。

拡張性を考慮する

将来的にデバイスを追加したり、複数のモニターを接続したりする可能性も考慮しましょう。

このように、接続端子は種類が様々なため、選ぶ際には互換性や拡張性、モニターの解像度と帯域幅の要件などを考慮する必要があります。迷ったらパソコン専門店に相談してみるといいでしょう。

用途から考えるモニター選び

用途から考えるモニター選び

一言にデザイン作業といってもその目的や用途はさまざまです。そこで、一般的なデザイン作業におけるモニター選びのコツをご紹介します。

グラフィックデザイン

グラフィックデザインでは、広告・ロゴ・パッケージデザインなどの作成が主な目的です。色合いや詳細な部分まで正確性が求められるので、良好な色の再現性・広色域・高解像度のモニターが適しています。

インターフェースデザイン

インターフェースのデザインでは、WebサイトやモバイルアプリのUI・UXをデザインします。フォントやアイコンのクリアさ・レイアウトの一貫性が重要なので、高解像度で鮮明な表示が可能なモニターで、かつ広い視野角を持つモニターが好まれます。

このほか、写真の編集や加工なら色の再現性に優れたもの、ゲーム制作・3Dデザイン・CGなら解像度の高いものが望ましいでしょう。また事務職の方が一般的なオフィス作業で使うなら、サイズは24インチから27インチあれば十分です。

このように、それぞれの用途に特化したモニターを選ぶことで、最適な作業環境が構築できます。自分がどんなデザイナーになるのかを意識して選んでみるのも良いでしょう。

なお、モニターはほぼ毎年、最新の機器が発売されるので、どれが良くてどれが悪いというものはありませんが、BenQやEIZOなどの老舗メーカーは広く使用されています。迷ったらパソコン専門店に相談してみることをおすすめします。

おわりにーー

モニターはデザイン作業において重要な役割を果たします。自身の仕事に最適なモニターを選ぶためにも、作業スタイルやニーズに合ったサイズ・色域・解像度などをきちんと精査しましょう。またキャリブレーションやカラーマネジメントを適切に行い、デザイン作業の品質と作業効率の向上を目指しましょう。

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