
中小企業で人材育成を担当されている方、とりわけ従業員のリスキリングなど「研修で利用できる助成金」について調べているけれど、申請手順や実際にどれくらいの金額が助成されるのかが不透明…という方は少なくないと思います。
そこで今回は、助成金額算出シミュレーターを活用して研修のコストパーフォーマンスを明確にする方法を解説します。
研修で利用できる助成金

今回ご紹介する研修で利用できる助成金とは、人材開発支援助成金のことです。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金とは、事業主などが雇用する従業員に対して特定の職務に関連した専門的な知識やスキルを教育するためのトレーニングを計画通りに実施した場合、訓練にかかる費用や訓練中の給料の一部を支援する制度です。
つまり、企業が従業員のスキルアップを促進するための財政的な支援プログラムで、主に以下の2つのコースがよく利用されています。
1)人材育成訓練
人材開発支援助成金の中でも「人材育成訓練(人材育成支援コース)」は、企業が従業員のスキルアップをサポートするために受けられる支援制度です。助成金については、対象者が正社員と有期雇用で助成金額が異なります。
2)事業展開等リスキリング支援コース
既存事業にとらわれず新規事業の立ち上げなどに伴う人材の育成、業務効率化・脱炭素化などに取り組むために特化した人材の育成を支援する制度です。助成金を活用することで、AIやロボット・データ分析などのスキル習得にかかるコストを大幅に削減できます。
情報引用元:厚生労働省ホームページ「人材開発支援助成金」
助成金額算出シミュレーターの活用
実際に助成金はどのくらいもらえるのでしょうか。助成金額算出シミュレーターで計算してみましょう。
助成金額算出シミュレーターの使い方
まず下記リンクをクリックして助成金額算出シミュレーターのページを開きます。
助成金の種類と事業規模
助成金額算出シミュレーターのページを開いたら、助成金の種類と事業規模を選択します。
助成金の種類は、先ほどご紹介したよく使われている人材育成訓練(正社員・有期雇用)と事業展開等リスキリング支援コースから、実際に活用するものをお選びください。
事業規模については、貴社が下図のA・Bどちらかの基準に該当すれば中小企業となります。
主たる事業 | A 資本金の額または出資の総額 | B 企業全体で常時雇用する労働者の数 |
---|---|---|
小売業(飲食店を含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
研修の受講内容を入力
助成金の種類と事業規模を選択したら、研修の受講内容(入学金・教材費等を含む一人あたりの税抜の受講料、受講時間、受講人数)を入力します。
Winスクールではほぼ全ての講座において受講料の詳細を開示しております。受講料の入力については、各講座の詳細を確認し、税抜金額の総額を入力してください。
受講料総額の計算例電子版パンフレット・講座案内から確認する場合、受講料・教材費・入学金の税抜金額を合計します。たとえばExcelビジネスデータ分析(オフィスソフト・ビジネススキル講座案内9ページ掲載)講座の受講であれば、受講料92,000円+教材費2,500円+入学金9,000円=103,500円が一人あたりの受講料として入力する数字になります。

各講座のページから確認する場合、受講料・教材費・入学金の税抜金額を合計します。
たとえばPower Automate Desktopの受講では、受講料59,000円+教材費2,000円+入学金9,000円=70,000円が一人あたりの受講料として入力する数字です。

またExcel統計マスター+BIの受講であれば、受講料191,000円+教材費8,500円+入学金9,000円=208,500円が一人あたりの受講料として入力する数字になります。

シミュレーション結果の確認
それでは実際に助成金を算出してみましょう。
たとえば中小企業(従業員50人ほどの製造業)の人事担当として、DXを推進する人材育成を目的に工場の従業員3名に対し、自動化や効率化・データ分析ができるスキルを習得させる(リスキリングを促す)とします。受講する講座は、先ほど例に挙げたExcelの基礎から統計学、BIツールの活用などを学ぶ「Excel統計マスター+BI」です。

シミュレーション結果は「上記の内容で計算する」のボタンを押すと一瞬でわかります。

上記の講座事例では、3名分の受講料(税込)総額688,050円の負担が、助成金の活用により33,850円で済みます。従業員の教育にかける予算に課題がある中小企業にとって、こうした高い助成率はかなりの魅力ではないでしょうか。
このように、助成金額算出シミュレーターを活用すれば、研修にかかる費用がどれだけ軽減されるかが明確になります。助成金の計算は複雑なので、正確な助成金額をすぐに知るためにも助成金額算出シミュレーターをご活用ください。
おわりにーー
助成金の計算が楽になる一方で、助成金の申請は書類がたくさんある上、その記載方法や申請手順が複雑でわかりづらい…という方もいらっしゃるでしょう。
そこで、Winスクールでは助成金の申請についても申請マニュアルをご用意いたしました。各企業の課題に見合った研修の提案と助成金の申請サポートが可能ですので、ぜひこの機会にご検討くださいませ。
DXによる企業の成長・従業員のリスキリングに効果的な研修を予算内で実現するためにも、国の助成制度を利用しましょう。