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「できない」は、まだ「知らない」だけ
Winスクール講師インタビュー|Shinobu先生【前半】

投稿日
2025.10.22
更新日
2025.10.22
「できない」は、まだ「知らない」だけ Winスクール講師インタビュー|Shinobu先生【前半】

「自分、天才やん!」

インタビュー中、そう言ってチャーミングな笑顔を見せてくれたShinobu先生。

Winスクールでは主に「DXリスキリング学習・転職支援コース」のWeb・映像・クリエイティブデザイン分野の講師として、太陽のような明るい笑顔と、ユーモアあふれる語り口で日々受講生の学びをサポートされています。

実は、先生はグラフィックデザイナーから講師へと大きなキャリアチェンジを遂げた経歴の持ち主。
その転機の裏には、私たちも勇気をもらえるような、素敵な「ひらめき」の物語がありました。

「この先生に教わってみたい!」
そう思える魅力が詰まったインタビューです。
なぜ先生は、迷いの中から「教える」という天職を見つけることができたのでしょうか。その軌跡を辿ります。

デザインを歩む道中で見つけた「教える」という生き方

デザインに興味を持ったきっかけは何ですか?

高校1年生のとき、有名なデザイナーの講演会に出席したことがきっかけでした。
それまでは勉強なんてほとんどせず、下手な漫画やイラストを描いて遊んでばかり。

「将来はイラストレーターにでもなるのかなぁ。なれるのかなぁ」と、思っていました。

でも、進学した高校は美術系の学校で、絵のうまい人がたくさんいて。
みんなそれぞれに「自分」を持っている。
そんな中で、自分の描くイラストがだんだんと色あせて見えるようになっていきました。

ちょうどその頃、福井県のデザインセンターが主催した講演会で、デザイナーの佐藤卓さん(「XYLITOLガム」や「おいしい牛乳」などを手がけた方)の話を聞く機会があったんです。
その日が、私にとって大きな転機になりました。

そこで初めて「グラフィックデザイナー」という職業があることを知って、働くというイメージができました。

会場は小規模だったので、講演後に佐藤さんと直接お話しする機会もありました。
その時に「どうやったらグラフィックデザイナーになれますか?」と、高校生らしい質問をしましたら、「今は遊ぶことと、勉強を頑張ってください」と言われました。
その経験がとても刺激的で、急にいろんなことが楽しく感じられるようになり、人生で初めて「勉強を頑張ってみよう」と思えたんです。

― 高校3年生の頃のShinobu先生。専門学校のサマースクールにて。

高校には、Macの部屋がありました。
ところが私はMacを使う授業(IllustratorやPhotoshopなど)の抽選に落ちてしまっていたんですね。
でも放課後は自由に使えたので、よく勝手に入ってはMacで遊んでいました。
「よくわからないけれど、とりあえず触ってみよう!」という感じで。

その頃、色彩検定にも挑戦しました。カリキュラムにはなかったのですが、非常勤のおじいちゃん先生が放課後に残って、個別に指導してくださったんです。
私の他に友達2人、たった3人のために、お金も出ないはずなのに懸命に教えてくれて…。
そのおかげで、3人とも一発で合格することができました。
グラフィックデザイナーという目標ができてからは、目の前のことに全力で取り組めるようになっていたと思います。

そこからは自分の進路に全く迷いはありませんでしたね。
高校卒業後もデザインの専門学校に進み、就職してからもずっとグラフィックデザイナーとして勤めていました。

就職してからずっとグラフィックデザイナーなのですね?

そうですね。Winスクールで講師を始める前までは、主に印刷物を扱う業務でした。
「グラフィックデザイナーも、WEBデザイン・コーディングをしなければならない」という波が押し寄せてはいましたが、とにかく学ぶ時間がなく、毎日の業務をこなすことで精一杯の生活でした。
WEBの仕組みがわからないままWEBサイトのレイアウトデザインもしたことがありましたが、全然楽しくなかったですね(笑)
ずっと「これでいいのかな?」と思いながらレイアウトしていましたし、コーダー(HTMLやCSSなどのコーディングをする人)は難しい専門用語を使って「そのレイアウトじゃ無理だよ〜」なんて言ってラフを突き返してくるし、本当にストレスでした。

そこで、勉強に時間を使おうと、思い切って仕事を辞めることにしたんです。
その時、ふと「わたし、このままデザイナーを続けていいのかな」っていう考えがよぎりました。

先ほども話した通り、高校生からそれまで、全く自分の進路に迷いがありませんでした。
というより、「デザイナー以外の選択肢を考えたことがなかった」が正しいかもしれません。
「デザイナー」とは名乗っていますが、私はそんなにデザインが上手な方ではないことは自覚していました。
ずっとずっと、その劣等感は高校生の頃から持っていました。

そこで、いったんリセットすることにしたんです。
「もしデザイナー以外の職業を選ぶとしたら、自分には何ができるのかな?」って。

ところがですよ、考えてみたら、なぁんにもない(笑)
事務仕事も計算も苦手。毎日同じ業務をこなす仕事も向いてないと思ったし、競争も苦手。
「みんな、すごいよなぁ」と思いました。けっこうメンタルが落ち込んでいた時期でしたね。
デザイン以外の選択肢を考えることが難しかったんです。

そこで、「できないことを考えるのではなく、私の長所はなんだろう。どういう時に幸せを感じるかな?」と、考え方を切り替えることにしたんです。
すると、「人が好き」「お客さんから『ありがとう』って直接言われたら幸せだな」「デザインの理屈を考えるのは好きなんだよね」ということなどが挙げられました。

先述のとおり、ずっと勉強をせずに生きてきた人生です。
勉強のやり方は全くわかっていなかったし、私はすぐに集中力が切れてしまうタイプです。
勉強のために仕事を辞めたのに、何もせず、Netflix生活を送っていたある日。
私、閃いたんです。

「勉強をすることを仕事にしてしまえばいいのでは!?」と。

「自分、天才やん!」と思いましたね(笑)
天啓が降りてきたと思い、すぐ近所のパソコン教室を検索し、一番目に表示されたWinスクールにメールをしました。
そしてその天啓は正しかった。
それがWinスクールで講師をスタートするきっかけでした。

ー Winスクール入社すぐの頃のShinobu先生。

これまでの経験で現在の講師業に活きていると感じることはありますか?

もちろんです。デザイナーとしての実務経験を受講生さんに伝えることができますから、「どうしてこのようにデータを作らないといけないのか」などを説明することができます。
それから、作品を見て「もっとこうすると良くなる」とアドバイスすることもできます。
これは当然の回答だと思います。
私も講師をする前までは、「何を聞いても正しい答えを返してくれる、その道の博識な人が講師をやるんだ」と思っていましたから。

でも、実際は少し違いました。
これまでの経験で一番講師業に活きていると私が感じたことは、「勉強ができなかった自分」や「劣等感」だったんです。

それまで勤めたとある会社で、コンペでなかなか自分の作ったものが採用されることの無い時期がありました。
「生産力のない人間」とか、「あんたの給料は先輩たちが働いてくれてるんだからね!」と、上司に言われました。これ本当です。
今聞いたらひどいなとは思いますが、事実そうでしたから、「私が悪いんだ」とずっと自分を責め続けていました。
もっと遡るならば、子供時代から親にも先生にも褒められた経験が皆無で、むしろ怒られてばかりだったので、基本的に自己肯定感の低い人間でしたね。
「どうせ頑張っても上がいるんだから、私には無理」という考えが根底にあったので、行動する前に諦めていました。

Winスクールで講師をスタートしてからは、かなり自己肯定感が上がりました。
職場環境が良かったんです。
周りの先輩講師たちが本当に親切で、私のことを認めてくださったことも前向きになれたきっかけの一つだったと思います。

講師業に活きた経験の理由に、「勉強ができなかった自分」や「劣等感」を挙げたことの話に戻りますね。

受講生さんの中に、「こんなこと聞いたらバカだと思われるかもしれない」とか「何度も同じ質問をして、理解力のない人だと思われるかもしれない」と、昔の私と同じことを考えている人が多いことに気がついたんです。
なんだ、みんな同じ気持ちだったんだ。
悩んでいた当時の私がほしかったのは、「安心感」。
ありのままの自分を出しても大切にされて、自分のペースで安心して学べる環境があれば、私だってもっとがんばれたのに…!

子どもの頃からずっと傷ついてきた自分が、どう助けてほしかったのかということを、私は知っていました。
勉強が「できない」んじゃなくて、「やり方を知らない」だけなんです。
だから、今なら、22歳の私に「生産力のない人間」と言った上司に言えます。

「上達する方法を教えてください。」

私は毎日「どうしたらデザインが上手くなるのかな」ということを考えているので、自分でやってみて、効果のあったトレーニング方法を受講生さんにお伝えしています。

「教える」という仕事にどのような魅力ややりがいを感じていますか?

これまで知らなくてできなかったことが、できるようになった!という受講生さんの姿に立ち会えることが、やりがいですね。
自身の、前進する力を信じて歩んでいく、そんな受講生さんの頑張っている姿を見ると、私も元気になれます。それが魅力かな。

まだまだ知らないことはたくさんありますから、講師自ら学び続けないといけません。
自分のためだけに学びを続けることは、私にとっては難しいけれど、受講生さんが待っていると思えば学び続けることができます。
学んでいなかった自分より、学び続けてきた自分の方が好きなので、教えることを始めてから、いいサイクルができていると感じています。

教えることは、寄り添うこと

指導する上で大切にしていることは何ですか?

目の前の受講生さんのレベル感に合わせて指導するということを大切にしていますね。

人には、学びの段階というものがありまして。
講師の話を聞いて、いきなり「全部わかった!はい、作れました!完璧!」という人はちょっと見たことがないですね。
受講生さん1人ひとりが、いま学習のどのフェーズにいて、次のステップは何か?を見極めて、アドバイスやフィードバックするようにしています。

それから、受講後のイメージや、着地点を共有するようにしています。
普通、授業が始まると、カリキュラムどおりに授業が進んで、ベルトコンベヤーみたいに流れていって…あっという間に卒業です。
「教科書をなぞっただけ」で終わる可能性もあるんですよね。
お金と時間を有意義に使ってもらうために、まずは受講開始のタイミングで「どうして受講を希望したのか」ということをヒアリングします。

また、ある程度学習が進んだところで、「実際に学習してみての印象」をヒアリングします。受講生さんの「楽しい!」が、どの方向に向いているかを確認するんですね。
普段から「この方は、これが得意そうだな…」という長所にも注目して授業を進めていますので、ご本人が自覚している長所と客観的に見た長所を分析し、最終的にどういう作品を作るかなどの話し合いをしています。
「教科書をやること」がゴールにならないよう、1人ひとりのゴールを一緒に考えることを大切にしています。

― オンライン授業がスタートした頃。スカーフが素敵です。

受講生がスキルを習得するだけでなく、その先どうなって欲しいと考えていますか?

私が目指しているのは、教えることの先に、自分の可能性に気づいてもらうことです。

単に「ソフトを使えるようになる」だけではなく、「自分にはこんな表現ができるんだ」と、自信や喜びを感じてもらえたら嬉しいです。
ソフトはデザインを実現するための「道具」に過ぎません。
その道具を使って、自分の考えたことを形にできるようになってもらえたら。
そのための最初の一歩を、私は応援したいと思っています。

未経験の方やPC操作に不慣れな方に教える際、特に意識していることはありますか?

はい。未経験の方やPC操作に不慣れな方に教えるときは、「できない」ではなく「まだ知らないだけ」という前提で接するようにしています。

私は、みなさんより少し早く学んできただけであって、今は知らなくても、いつかは追い越されるんだろうなぁという気持ちがありますね(笑)
PCの操作に不慣れな方には、ソフト以外の基本的なパソコンの使い方や、データの名前の付け方なども、気がついたタイミングでお伝えしています。
受講開始時に新規フォルダの作り方が怪しかった方でも、卒業時にはお一人でデータ管理をすることができていますね。

受講生と接する際に気を付けていること、意識していることはありますか?

特別、受講生と、というわけではなく、日頃のコミュニケーションで意識していることでもあるのですが、いつでも「自分が正しい」とは思わずに、「自分のわからない部分に、どんな可能性があるんだろう」と考えるようにしています。

あと、常識をゼロベースで自分の頭で考え直すこと。
たとえば、「大学に行かないと、就職できないよ」というおばあちゃんの言葉とか。それホンマなん?って。あ、うちのおばあちゃんはそんなこと言ってません。例え話ね。
どんなに経験豊富で博識でも、未来のことはわからないし。
1人ひとり答えが違っていていいと思うんです。違っていることが当たり前だし。
だから、受講生さんのこれまで歩んできた人生を大切に思いたいし、転職という大切な人生の岐路に関わらせてもらっているのだから、受講生さんの考え方を尊重したいんですね。

逆に私が受講生の立場で、講師に「あーしなさい、こうしなさい、こうしたらいいのに〜」とか言われたら嫌だもん(笑)
「自分のことは、自分で決めさせろー!」って。
でも、講師には見守っていてほしいなって思うでしょうね(笑)
だから、そのようにしています。

受講生のモチベーションを維持するために工夫されていることはありますか?

緩急をつけることでしょうか。

受講開始時は、どなたもものすごいやる気なんです。
でも、ずーっとずーっと突っ走っていくのって、本当に持久力が必要。
やっぱり途中でペースダウンしてしまう方もいらっしゃいます。
でも受講期限は決まっているから、焦ってしまうんですよね。「このままでちゃんと学習が終わるのかな…」って。
そういう方は、何かしら表情や学習の進捗などにサインが出ますので、早めに声をかけます。
モチベーションが落ちてしまった場合は、しっかり現状やお気持ちをヒアリングして、どうしたらいいか、どうしたいのかを一緒に考えます。
「こういう選択肢もあるよ」とお伝えすることもありますが、基本的には受講生さんのご希望に寄り添った進め方を尊重しています。
「今日はもう集中力が続かなくてダメです!」と言われた時は、「じゃ、最近あった面白い出来事を教え合いっこしよう!」と、全然違う話をしている時もありますね…(笑)

「できない」のではなく「まだ知らないだけ」。

Shinobu先生のこの言葉に、ハッとさせられた方も多いのではないでしょうか。ご自身の経験から紡ぎ出される言葉の一つひとつに、受講生への深い愛情を感じるインタビューでした。

インタビュー後編では、講師の視点から見たWinスクールの魅力や、オンライン指導の具体的なエピソード、そして心温まる受講生との思い出などを伺います。さらに、スキルアップ術やプライベートな一面にも迫りますので、後編の公開もどうぞお楽しみに!

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