

こんにちは! Shinobuです。
大阪でデザイナーとしての経験を活かしながら、デザインを学ぶ方のサポートをしています。初心者さんでも「なるほど!」と思えるように、ポイントを整理しながらお話ししていきますね。
「かっこよくて、おしゃれなWebサイトを作りたい!」
デザインに関わる人なら、一度はそんな気持ちになったことがあるはずです。
でも、なぜ私たちは「かっこよさ」や「おしゃれさ」を追いかけるのでしょうか。
実はそれらは単なる見た目の華やかさではなく、ユーザーに心地よい体験を届け、興味を引き、行動につなげる「働き」があるからなのです。デザインが与える心理的な影響を考えると、見た目の選択がそのままサイトの成果に直結することがわかります。
では、2025年のWebデザインでは、どんな要素が重要だったのでしょうか?
具体的なトレンドを見ていきましょう。
モバイルファーストデザイン

最近の若年層向けサイトで特によく見られるのが、この「モバイルファースト」の設計です。
人々がスマホ中心でネット検索するようになったのは2015年。
その頃にモバイルファースト(Luke Wroblewski, 2009)の考え方が一般化し、スマホに最適化したレイアウトを先に作り、あとからPC版に広げる手法が定着しました。
ここで紹介するレイアウトでは、スマホの縦長ビューを主役にして、PCでは横幅が広がり両端の背景が伸びる構造になっています。メイン情報は変えずに、背景だけが広がることで視覚的に奥行きが出るという仕掛けです。
両側に見える背景にビジュアルを入れ込むことで、さらに印象的なレイアウトになりますね。
Bento(ベントー)レイアウト

ここ数年続いている人気が「Bento(ベントー)レイアウト」。
お弁当箱の仕切りのように、大小のブロックが整然と並ぶレイアウトで、CSSグリッドレイアウトを使うと比較的簡単に実現できます。
幕内弁当を思い出してみてください。
たくさんの種類を少しずつ味わえるように、味が混ざらないように仕切りがあって、どこにどんなおかずがあるかが明確です。
小さなエリアに情報を分けることで、ユーザーが迷わず必要な情報を見つけられる点が大きな魅力です。 商品一覧やポートフォリオなどの相性が抜群。
ただし、グリッドレイアウトは要素数が変動しない時に特に使いやすいので、増減の予定がないページで使うのがおすすめです。
デスクトップハンバーガーメニュー

ハンバーガーメニューといえばスマホの定番ですが、最近はPCサイトにも広がってきました。
3本線を押せばメニューが出る—— この「学習済みの動き」がほぼ全ユーザーに浸透したことで、PCでも自由にスペース設計できるようになったのです。
デザインとは、技術だけでなく人の行動習慣の変化にも影響を受けます。
新しい習慣が根づくことで、直感的に使えるUIがどんどん増えていくんですね。
ダークテーマ

ここ数年で生活に定着した習慣といえば、ダークモードの利用もその一つです。
みなさんはダークモードを使ったことは、ありますか?
先ほどBentoレイアウトでもご紹介したサイトの左下にダークモードに切り替えるボタン(三日月のアイコン)がありますのでクリックしてみてください。
※スマホの場合ハンバーガーメニューから選択できます。
「ダークモード」とは、スマホなどの画面が黒基調になり、全体的に暗い配色に切り替わる機能のことです。
メリットとしては、画面の眩しさが抑えられるために、目への負担が軽減されることや、暗い場所で画面が見えやすくなるなどが挙げられます。
バッテリーの消費が穏やかになるという理由で使っている人もいるかもしれませんね。
ダークモードを設計する上でポイントとなるのは「コントラスト」です。
WCAG(ウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン)で推奨されているコントラスト比については、WCAG Color Contrast Checker(https://accessibleweb.com/color-contrast-checker/)で確認することができます。
AI生成画像&動画
ネット検索でもネットショッピングでも、いつの間にかAIの搭載が一般的になりましたね。
ネット検索時には、AIの回答・まとめをチェックする人が増えました。
クリックしてページ遷移する手間が省けるからです。
ネットショッピングに関しては、よりパーソナライズされた、個人の嗜好に沿った商品の提案をしてくれるようになりました。
また、今や、ほとんどの人が生成AIを使ったことがあるのではないのでしょうか。
私もデザイン制作において、目的に沿ったビジュアルをすぐに作成することのできるAIは、業務に外せないパートナーとなっています。
特にWebサイトデザインを勉強する人にとっては強い味方で、これまで悩まされた写真素材集めや仮の文章作成などの手間が省け、コーディングに集中したい人たちの手助けとなっています。
インタラクティブ3D

特にプロダクトや建築、エンタメ系のサイトで増えているのが「インタラクティブ3D」です。
スクロールをすると、メインビジュアルとなるプロダクトが向きを変えて、さまざまな面を確認することができます。
今回こちらで例に挙げさせていただいた「tinyPod」は、Apple WatchをiPodのように使うことのできるガジェットです。
プロダクトの中央部の○部分を指でくるくる回すことにより、画面が変わったり、選択できたりするインターフェースとなっています。
このtinyPodを「指でくるくる回す」動きと、サイトを閲覧している「スクロールする」という動きがリンクし、消費者への訴求力を強めていますね。
プロダクトを視覚的に360°確認できるばかりでなく、「触った」「動かした」という体験をユーザーに与える、とても効果的な取り入れ方だと思います。
マイクロインタラクション
みなさんはYouTubeの動画に、「いいね」しますか?
「いいね」ボタンを押すと、ボタンのアイコンがアニメーションする仕様になりました。
例えば旅のチャンネルだと、「いいね」ボタンを押した瞬間に飛行機のアイコンが出現します。
音楽のチャンネルだと、音符のアイコンです。
マイクロインタラクションは、ユーザーがサイト内で行うクリックやホバーなどに対して、視覚的な反応やアニメーションを返すものです。
クリックに反応して飛行機や音符が出てくるような細かい演出は、 ユーザーに「操作している感」を与え、愛着を深める力があります。
ボタン、ホバー、スクロールなど、小さな反応を丁寧に設計することで、サイト全体が生き生きします。
音声検索最適化

最後は「仕組み」側のトレンド。
スマホに向かって話してネット検索するCMは、見たことがある人も多いはずです。
音声検索の利用率は、ここ1、2年で増加傾向にあります。
入力での検索では「じゃがいも」「レシピ」と、単語を区切って検索することが多いと思いますが、音声検索では「じゃがいものレシピを教えて」という自然な会話文にして検索することが多いようです。
これもCMの影響でしょうか。
私も両手が離せないような料理中などは音声検索することもあり、そのまま音声を読み上げてもらうこともあります。
先日、駅のホームで韓国人観光客に道を尋ねられた時も、翻訳アプリで想像以上にスムーズにコミュニケーションを取ることができました(本当にストレスフリーだったんです。アプリのUIも綺麗でした。何のアプリ使ってるのか訊けば良かった…)。
音声検索は、今後ますます進化すると予測されています。
音声アシスタント技術が普及し、より自然な会話形式で検索できるようになって、ユーザー体験が一層向上していくでしょう。
これにより、今後はWebデザインにおいても、音声検索を前提にした情報構造が必須になっていくと思います。
おわりに
以上が、わたし目線での2025年のWebデザイントレンドでした!
今年は生成AIが一気に日常に溶け込み、目まぐるしくいろんなものがものすごいスピードで変化していった年でしたね。
来年2026年は、さらに「パーソナライズ化」「高速化」「仕組みの高度化」が進むと予測されています。
見える部分であるビジュアルを作り上げるスキルももちろん大事ですが、見えない部分である仕組みや体験設計の知識も、ますます必要になっていきそうですよ。




