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デザインの現場に密着!
Winスクールパンフレットが
できるまでを公開
~ Part3.アートディレクション編 ~

投稿日
2020.03.16
更新日
2023.05.23
デザインの現場に密着!Winスクールパンフレットができるまでを公開~ Part3.アートディレクション編 ~

第1回から2回では、リニューアルの背景や改善すべき事項など、現在のパンフレットが持つ問題点の洗い出しを行いました。
解決すべき課題やクライアントの意向、制作サイドからの提案をお互いが理解し合い、認識を共有することでゴールのイメージを可能な限り擦り合わせる前段の作業でした。

土台となる基本設計がまとまると、次に、どのようなパンフレットデザインにすればより効果の高いものになるのか、具体的なカタチ作りをアートディレクターが担当します。

ここではアートディレクションの要となる「ブランディング」「デザインの方向性」、「印刷用紙の選定」の3点についてお話しいたします。

アートディレクター紹介

株式会社MARL アートディレクターの澤田さん

株式会社MARL アートディレクターの澤田です。
第3回はアートディレクションについて解説させていただきます。

ブランディングについて

ブランディングについて

ブランディングは、広告やデザイン業界、プロモーション業界で広く使われている言葉です。
一見、オシャレ・カッコいいデザイン=ブランディングと思われがちですが実は違います。端的に言うのはとても難しいのですが、人々の「生活や人生の質をより良くしたい」という欲求を叶えてくれるモノ・コトのことを言います。

例えば…
おしゃれなカフェでコーヒーを飲むことを考えます。
ノートパソコンを広げたり、本を読んだり、ぼんやりくつろいだり…混雑する店内で、本当は落ち着かない環境なのに、そこにいるとなぜかイケてる自分になれると感じるのではないでしょうか。
スマートフォンではどうでしょう。
中国製や韓国製のスマートフォンは、高機能でかつ低価格、デザイン性もとても高いにも関わらず、日本ではiPhoneが圧倒的なシェアを獲得しています。

これらはその製品やサービスを受けることで、より良い体験・経験を消費者に期待させるという、企業の緻密なブランディング戦略によるものです。

ではWinスクールにとって打ち出すべきブランディングとは、ずばり「ここで学ぶと夢が叶う」ですね。
この方針(ブランディング)をパンフレットの軸としてデザインにアウトプットしていきます。

デザインについて

デザインの仕事に就くアートディレクターがこんなことを言うのはおかしいのですが、基本的に人は「デザイン」を見ていません。

人々は何となく「この雑誌はオシャレだな」とか「楽しさを感じるパンフレット」だな、という感覚を直感的に判断しています。もちろんデザイナーはその「何となく」をデザインしているのではなく、様々なテクニックを駆使して、表現を可視化するための演出を計算しています。

では、デザインを演出するものとは何でしょうか。

大きく分けると「フォント」「余白」「カラー」の3点、これらが読み手に与えるイメージを左右する大きな要素となります。

例えば、文字は明朝体フォントですべて黒色、上下左右の余白を広くとる。欲張らないデザインを行うことで大人の落ち着いたイメージとなります。
反対に文字はゴシック体フォントでカラフルな色使い、余白を極力少なくすることで、POPで賑やかなデザインにすることができます。

Winスクールのターゲットは「より良い学びを求める、向上心の高い人」

学びを求めている方々に、「自分自身が投影できる」「共感できる」デザイン=「力強く、ダイナミックな表現」「じっくりと読み込める可読性の高いデザイン」が必要と考えました。

印刷用紙の選定について

印刷用紙の選定について

事前に決めておきたい事項の一つに、パンフレットの用紙選択があります。デザインイメージと同じく、パンフレットにおいては紙質が持つ印象が大きな影響を与えるためです。

印刷用紙は大きく分けると「コート系」と「マット系」の2種類があります。

コート系はツルツルとした表面で、印刷した時にインクの発色が良いことが大きな特徴です。
マット系はその反対で、ザラザラとした質感が特徴で、ちょうど和紙にイメージが近く、落ち着いた印象を与えるため、和を連想させる店舗の印刷物によく使用される用紙となります。

Winスクールは最先端の技術を教えるパソコンスクール、また紙面では写真を多用することを想定し、インクの発色が美しいコート系を選択しました。

また用紙自体の厚さも非常に重要です。
用紙の厚さは一般的に〝kg〟で表記され、チラシで使うような薄いものであれば55kg、名刺のような分厚いものなら400kgというものもあります。

100kg以下の薄い紙を選択すると、印刷した内容が裏面に透けてしまい、非常に読みづらいパンフレットとなってしまいます。反対に分厚すぎるとパンフレットがうまく折れずに収納性が悪いものとなってしまいます。
これらを考慮し、今回は135kgの紙厚を選択しました。

アートディレクションの仕事はまだまだ続きますが、次回はパンフレットで使用する写真の撮影についてお話します。

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