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デザインの現場に密着!
Winスクールパンフレットが
できるまでを公開
~ Part4. 写真撮影編 ~

投稿日
2020.03.19
更新日
2023.05.23
デザインの現場に密着! Winスクールパンフレットができるまでを公開~ Part4. 写真撮影編 ~

前回はアートディレクションの要となる「ブランディング」「デザインの方向性」「印刷用紙の選定」についてお話ししました。
今回はアートディレクションの仕事の中でも、パンフレットで使用する写真の撮影について、事前準備から撮影当日までのアートディレクターとしての働きについてお話します。

アートディレクター紹介

株式会社MARL アートディレクターの澤田さん

株式会社MARL アートディレクターの澤田です。
第4回では、パンフレットで使用する写真の撮影について解説します。

写真撮影までの流れ

写真撮影までの流れ

撮影はプロカメラマンが行うのですが、では、どのような写真をどのような場所で撮るのか。
その具体的な内容はアートディレクターが主軸となり企画していきます。

撮影実施日に向けて、事前に準備する内容は概ね下記となります。
1. 撮影カットの洗い出し
2. ロケハンの実施
3. 撮影ラフの作成
4. モデルの選定

<1.撮影カットの洗い出し>

ページネーションやデザインの方向性が概ね決まると、どのような写真が何枚ぐらい必要になるのかが見えてきます。授業風景の写真を一つとっても、生徒さんが一人でパソコンに向かうシーンや、講師と視線を合わせ学ぶシーンなど、登場人物の表情のバリエーションを揃えれば、相当数のカットになります。

また入学前の無料相談をイメージできるシーンや通学中のシーンなど、読み手が自身を投影できるようなイメージもリストアップしていきます。

<2.ロケハンの実施>

ロケハン=ロケーションハンティングの略で、撮影前にロケーション(現場)を把握するために実施するものです。
全国に展開しているWinスクールの中で、撮影に最も適した教室をピックアップ。
ディレクターやアートディレクター、デザイナーで教室内や周辺環境の下見を行います。

ただ単に教室を確認するのではなく、スマートフォンなどで簡易的に撮影を行い、カメラマンへ的確な指示が行えるよう、撮るべきカットを把握していきます。

また教室以外のシーン撮影も行いたいため、最適なロケーション探しもあわせて実施します。教室近くのカフェや、ビルのロビーでの撮影が可能かどうかの許可の交渉もこの時に行いました。
絵作りが単調にならないよう、撮影カット数だけでなく、多様なシチュエーションで撮影できるよう、周辺のロケーションをじっくり調査。撮影許可が必要な場所では、その手配も同時にしていきます。

<3.撮影ラフの作成>

3.撮影ラフの作成

撮影カットの洗い出しとロケハンが完了すると、次はカメラマンに指示を行うための撮影ラフを作成します。

撮影ラフはこちらの意図をカメラマンへスムーズに伝えるための資料となるため、より具体的なイメージが必要となります。ロケハンの際に撮影した画像を使ったり、ストックフォトサイトのサンプルを用いたりして、必要なカットのすべての撮影ラフを作成し、カメラマンに資料提供を行います。

<4.モデルの選定>

4.モデルの選定

パンフレットに最適なモデルの選定を行います。
デザインコンセプトの通り、求めるモデルは「より良い学びを求める、向上心の高い人」となります。

モデル事務所にパンフレットのコンセプトを伝え、複数のモデル資料を取り寄せます。その中から最適なモデルをピックアップし、オーディションを開催。試し撮りで写りや表現力をチェックしていきます。
今回は、20代半ばから後半の男女3名のモデルを選定しました。

撮影当日

撮影当日

1から4の事前準備が完了し、撮影当日を迎えます。

撮影にはカメラマンとアシスタント、撮影を監修するディレクターとアートディレクター、デザイナーが同行します。さらに撮影内容を随時確認いただくためクライアントにも参加してもらいます。

事前に準備した資料を元に撮影を行いますが、段取りよく撮影を行うため、状況に合わせてディレクターが常にタイムテーブルをコントロールします。

アートディレクター・デザイナーはカメラマンにカットの意図や使用方法を伝えます。例えば、写真にキャッチコピーを被せたいから、左には空間を取っておいて欲しいといった要望や横向きで使用したい写真、縦向きで使用したい写真、切り抜きで使いたい写真など、ワンカットずつ使用方法を丁寧に伝えていきます。またカメラマンからの提案、デザイナーからの要望など、現場でもお互いに意見を出し合い、事前に準備した資料だけにこだわらず、良いと思ったアイデアはどんどんとその場で受け入れていきます。

撮影が終了すると、カメラマンは撮影した写真を1点ずつ確認し、パンフレットで使用できる写真のみを選定。それらの写真に色味調整などの加工を施していきます。この作業を「現像(げんぞう)」と言い、写真のプロフェッショナルであるカメラマンが最適な写真作りを行い、デザイナーへと提供されていきます。

次回は原稿制作についてお話します。

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