こんにちは、今回の記事を担当するミソノです。
WinスクールでIT・RPA系の授業・セミナー講師を担当しています。
この記事では、無料RPAツールMicrosoft Power Automate Desktop(以下、Power Automate Desktop)の機能・使い方についてご紹介しています。
前回の記事に続いて、今回も「変数」を扱ってみようと思います。
今回の目的と事前準備
今回は、変数を用いてExcelからデータを読み取る処理や、Excelのセルに変数を書き込む処理を行っていきましょう。
まずは新規でExcelを立ち上げて、下記画像のような表を作成し「MPADテスト.xlsx」という名前でデスクトップに保存します。
※のちほどセルを指定しますので、B3セルに読み取る数値(123)を入力し、B6セルに書き込みの枠を作成しておきます。
準備はこれだけ。さっそくPower Automate Desktopでそれぞれの操作を登録していきましょう!
Excelからデータを読み取ってみる
ここでは、Excelから値を読み取り、それをメッセージボックスに表示させる処理を行います。
① 新規フローを作成し、Excelを起動させる処理を設定する
Excelデータが作成出来たら、Power Automate Desktopを立ち上げ、新規フローを作成しましょう。
左メニューから[Excel]→[Excelの起動]をMainフローにドラッグ&ドロップします。
[Excelの起動]ウィンドウが表示されるので、[パラメータの選択]-[全般]を以下のように設定します。
- Excelの起動:「次のドキュメントを開く」
- ドキュメント パス:※先ほど作成を行ったExcelファイルを選択
- 読み取り専用として開く:有効(※クリックして有効にする)
設定ができたら[保存]ボタンをクリックしてください。
② Excelデータから値の取得を行う処理を追加する
左メニューから[Excel]→[Excelワークシートから読み取り]をMainフローにドラッグ&ドロップします。
[Excelワークシートから読み取り]ウィンドウが表示されるので、以下の項目をそれぞれ入力します。
- 取得:「単一セルの値」
- 先頭列:「B」
- 先頭行:「3」
入力ができたら[保存]ボタンをクリックしましょう。
この設定を行うことで、生成された変数「ExcelData」に「B3セル」の値が格納されます。
③ データをメッセージボックスに表示させる処理を登録する
次は変数「ExcelData」内のデータをメッセージボックスに表示させる処理を行います。
左メニューから[メッセージ ボックス]→[メッセージを表示]をMainフローにドラッグ&ドロップしてください。
[メッセージを表示]ウィンドウが開いたら、[表示するメッセージ:]の入力ボックス右上にある{×}をクリックし、表示されたフロー変数から「ExcelData」を選択します。
[表示するメッセージ:]に「%ExcelData%」と記述されればOKです。
Mainフローは下記の通りになります。
④ 実行すると、、、
実行結果は下記の通りです。
Excelファイルが表示され、下記のメッセージボックスの本文に取得したB3セルの値「123」が表示されれば正常動作となります。
確認後、メッセージボックスの「OK」ボタンをクリックし、開いているExcelファイル「MPADテスト.xlsx」は閉じておきましょう。
次は、変数の値をExcelデータに書き込む処理を行います。
変数の値をExcelに書き込んでみる
それでは「MPADテスト.xlsx」のB6セルに変数の値を書き込む処理を追加しましょう。
① 書き込む変数の値を設定する
左メニューから[変数]→[変数の設定]を選択し、Mainフローにドラッグ&ドロップします。
表示された[変数の設定]ウィンドウに下記の設定を行ってください。
- 設定:「Data1」
- 宛先:「789」
設定後、[保存]ボタンをクリックします。
② 変数「Data1」の値をセルに書き込む処理を登録する
次に変数「Data1」の値をセルに書き込む処理を登録します。
左メニューから[Excel]→[詳細]→[Excelワークシートに書き込み]を選択し、下記の設定を行ってください。
- 書き込む値:「%Data1%」
- 書き込みモード:「指定したセル上」
- 列:「B」
- 行:「6」
入力が出来たら保存します。
③ Excelファイルを保存する処理を登録する
次は書き込んだ値を保存するために、Excelファイルの保存の処理を行います。
左メニューより[Excel]→[詳細]→[Excelの保存]を選択し、Mainフローにドラッグ&ドロップしてください。下記の項目をそれぞれ設定します。
- 保存モード:「名前を付けてドキュメントを保存」
- ドキュメント形式:「Excelブック(.xlsx) 」
- ドキュメント パス:※任意の場所に「MPADテスト2.xlsx」という名前を指定
設定後、[保存]ボタンをクリックしてください。
④ ファイルを閉じる処理を追加する
最後に、今現在開いている「MPADテスト.xlsx」のファイルを閉じる処理を追加します。
左メニューから[Excel]→[詳細]→[Excelを閉じる]を選択しMainフローにドラッグ&ドロップします。
今回は特に設定を行いませんので、そのまま[保存]ボタンをクリックしてください。
最終的なMainフローは下記の通りです。
⑤ 実行すると、、、
再度Mainフローの実行を行うと、先ほどのメッセージボックスが再度表示されますが、「OK」ボタンをクリックすると今回作業を行った処理が実行されます。
Mainフローの処理が終わったら、「Excelの保存」で設定を行ったドキュメント パスの場所に作成されたExcelファイルを開いてください。
B6のセルに「789」と書き込まれていれば正常動作です。
このように、Power Automate Desktop を使えばExcelからデータを取得し変数に格納したり、Excelに変数のデータを書き込むことが可能です。
最後に、、、
いかがでしたでしょうか?
次回は「Ifを使った条件処理」についてご紹介します。設定した条件に合わせてPower Automate Desktopが処理を判断して実行します。お楽しみに!