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DXで成功する企業と失敗する企業はここが違う!
人事担当者なら知るべきDX化の成功ポイント

投稿日
2023.03.18
更新日
2023.05.12
DXで成功する企業と失敗する企業はここが違う!人事担当者なら知るべきDX化の成功ポイント

現代のビジネスにおいて、ますます重要性が増しているDX(デジタルトランスフォーメーション)。企業はDX化に取り組むことで業務効率化や競争力を強化し、収益を向上させることが可能です。

しかし、DX化については課題も多く、世界的に有名な企業でさえ失敗した事例があります。そこで本記事では、DX化を成功させるために企業が最低限やるべきポイントを解説します。

DXの必要性を再認識する

DXの必要性を再認識する

企業でDX化を促進するための担当者ならすでにご存知だと思いますが、今一度DXの必要性を再認識し、企業内への周知につなげることが大切です。

DXとは?

DXとは、2020年に経済産業省が公表したレポートには次のように定義されています。

”企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用し て、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革する とともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争 上の優位性を確立すること”

引用元:https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-3.pdf

DXはざっくばらんにいうと、「世の中にデジタル技術を浸透させて日々の仕事や生活の利便性を高める。またこれまでの価値観や枠組みを超えたイノベーションを起こす」という意味です。

場所や時間の制約から年に一度しか会えなかった人どうしがオンライン上で簡単に会話ができたり、複雑な計算と確認が何度も必要な作業が数字を入力するだけで完了したりと、デジタル化は身近なことをどんどん便利にしています。

昨今は画期的な機能を持つ対話型AI「ChatGPT」の登場も注目を集めていますが、こうしたデジタル技術の開発や活用はまさにDXのど真ん中と言えます。

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ただそうは言っても、日本ではまだまだアナログ的な発想・作業でビジネスを行う現場がたくさんあり、DX化が進んでいるとは言えない状況です。

DX化が必要な最大の理由

そもそもなぜDX化が必要なのでしょうか。

たしかに、世界の潮流として先進各国がDX化を推進しており、日本も政府がその流れに沿って企業にDX化を進めています。しかし、DX化は単なる国家の方針だけの問題ではありません。

多くの企業はいま、グローバル化によって市場環境の変化が激しく、事業継続が困難な状況に陥るケースが少なくないのです。バブル崩壊時の企業倒産とは異なり、社会情勢の変化による需要の低迷やコストパフォーマンスの悪さなどの理由から、より高いクオリティが求められるようになっています。

そのため、ビジネスプロセスを自動化し、データを収集・分析するなど、DX化による業務効率化・生産性の向上は急務なのです。事実、DX化は次のようなメリットがあります。

  • 従業員の能力開発で企業全体の生産性が向上
  • コスト削減による利益率の改善
  • 市場変化への対応力アップ
  • 新しいビジネスの創出

このように、企業はDXに取り組むことでビジネスをより成長させることができると同時に、倒産や廃業といったリスクを回避することができるのです。

DXで失敗する主な原因はこれ!

DXで失敗する主な原因はこれ!

企業の代表や各担当者がDX化の必要性を認識すれば、自然と「うちもDXに取り組もう!」という方針を打ち立てるでしょう。しかし、DX化は安易な考えで進めると失敗するケースがあります

DXで失敗する原因はさまざまですが、主な原因としては次の5つが挙げられます。

(1)不適切な戦略

何事にも新しいプロセスやシステムなどを導入するには戦略が必要です。ある日突然、社長が「このソフトウエアは素晴らしいから来月からシステムを変更しよう」と言っても、導入後に従業員がそのソフトウエアを使いこなせなかったら機能不全を起こす可能性があります。

つまり、DXに取り組むときは目標設定やそこから逆算したスケジュール、企業内への周知、適切なテクノロジーの選択など、戦略が必要です。思いつきや単なるアイデアレベルでは失敗しやすいので、きちんと戦略を決めてから導入するようにしましょう。

(2)テクノロジーのミスマッチ

事業の方針や規模に合わないテクノロジーを選択すると、経営にリスクが生じます。たとえば、オンライン化が進んでいるからといって、サービス対象者のオンライン利用が少ないのに実店舗を削減してECサイトに切り替えてしまうなど。

これではECサイトの機能がどんなに優れていても、ユーザーの需給バランスが悪化してしまいます。銀行のネットバンキングのように、社会のペーパーレス化に合わせた進め方なら妥協可能な範囲ですが、DXに過剰反応してしまうと事業が成り立たなく恐れがあるので要注意です。

(3)変わることへの抵抗

創業から長い年月が経っているほど、組織の伝統的なマインドが確立されている企業は多く、長年培ったスタイルを変えることに抵抗を持つ従業員は少なくないでしょう。とりわけ大企業は労働組合レベルで反発するケースがあります。

そのため、DXに取り組むときは従業員とていねいな対話が必要です。既存のプロセスやシステムの急な変更は人材流出リスクにもつながるので、十分気をつけましょう。

(4)教育と十分なトレーニングの不足

DX化最大の壁と言えるくらい重要なのが、従業員に対する教育と十分なトレーニングです。実際、テクノロジーは進化しているのに、それらを扱う人間の能力が追いついていないケースが目立ちます。

たとえば、Excelスキルにしても、企業によって従業員のExcelスキルにばらつきがあります。しかし、企業全体で同じソフトウエアを使って作業するなら、すべての従業員が最低限のスキルを身につける必要があることは言うまでもないでしょう。

だからこそ、近年リスキリングの重要性が叫ばれているのです。

リスキリングについて詳しく知りたい方はこちら

(5)管理の欠如

ここまでお伝えした原因を押さえて取り組んでいるのに失敗する企業もあります。その理由は管理の欠如です。

DX化を促進することは決まっているけど、担当者に指示しただけでその後は何も進んでいない…。リスキリングを導入して1年後のシステム変更を決めたけど、進捗状況がわからない…。

このように、企業の方針に対して監査役がいないことはよくあります。Webサイトの制作ならディレクターが、誰が何を担当してどのくらい進んでいるのかを把握して適切な報連相を行っているように、経営幹部や人事はDXの取り組みについてきちんと管理することが必要です。

DX化成功のカギは企業文化

DX化成功のカギは企業文化

DXで失敗する原因がわかれば、その原因を回避することで成功する可能性は高くなります。しかし、ここで問題となるのが企業文化です。

DX化に失敗しやすい企業文化

ここでは先ほどお伝えした失敗原因のうち、組織のマインドについてお伝えします。

業界の常識に囚われた考え方

DXに取り組むためには、従来のビジネスモデルや考え方にとらわれない柔軟性が必要です。しかし、過去の成功体験に固執し、変化に対する抵抗感がある企業文化では、DX化は難しいかも知れません。

事業に対する情熱はもちろん大切ですが、市場環境が変化している以上、その変化に適応することは必要不可欠です。

リスク回避志向

DXには新しいテクノロジーやビジネスモデルの導入など、リスクを伴う要素があります。リスク回避志向が強い企業文化では、失敗を恐れて新しいことに取り組まない傾向があり、DX化が進まない可能性があります。

リスクを回避することは必要ですが、必要以上にリスクを恐れていては何も改善できません。チャレンジ精神も大切です。

システム化された意思決定

DXにおいては、迅速かつ柔軟な意思決定が求められます。しかし、企業文化がシステム化されており、慣習的な手続きに縛られたプロセスがあると、意思決定に時間がかかります。

意思決定の遅れは重大な損失を招く恐れもあります。とりわけ法改正や取引先のルール変更など、期日が決まっているものに関しての意思決定はスピード勝負なので、時には慣習の壁を取り払うことも必要です。

DX化に成功しやすい企業文化

DX化に失敗しやすい企業文化を踏まえて、成功しやすい企業文化とはどのような文化でしょうか。

常に変化を意識している

DXに取り組む企業文化として、業界の変化や顧客ニーズの変化に敏感であり、常に新しいことにチャレンジする姿勢が求められます。たとえば、顧客からの要望をくみとった従業員からのアイデアや提案が活発で、上層部がそれらを積極的に吟味するような企業文化が理想です。

失敗を受け入れ、改善につなげる

新しいことに挑戦する以上、失敗する可能性が少なからずあります。しかし、失敗を恐れずに受け止め、その経験をもとに改善を図ることができる企業文化では、DX化が進みやすいと言えます。

ミスをしたら改善することは必要ですが、ミスを許さない規律の厳しい企業文化ではなく、どうすれば成功できるかを常に考えて改善していく企業文化こそ従業員のモチベーション向上や能力開発につながります。

フラットな組織づくり

DXに取り組むためには、意思決定を早く正確に行うことが必要ですが、フラットな組織だと情報が迅速に共有されるため、意思決定も迅速かつ柔軟に行われやすいと言えます。

反対に指揮命令系統が複雑で、各部署の管理者が順番に決裁するような組織だと、DX化が進みにくいでしょう。企業は人事体制を簡単に変えられないかも知れませんが、せめて情報共有が行き渡る風土づくりを心がけることが大切です。

このように、企業文化は今後の成長や事業継続の重要なカギを握っており、積極的なチャレンジにより変革に適応する企業文化がDX化成功の軌道に乗ると言えます。

DXの促進に必要な3つの意識!
デジタル人材に求められるスキル・マインド

DXの促進に必要な3つの意識!
デジタル人材に求められるスキル・マインド

企業はいま大きな変革を求められています。しかし、多くの企業ではDX化への意識がまだまだ低く、思うように進んでいない状況です。

大企業の失敗から学ぶDX化の成功ポイント

DX化に成功している企業はたくさんある一方、大企業でも失敗したケースがあります。ここではアメリカの世界的な有名企業GE(ゼネラル・エレクリック)社の失敗事例を紹介します。

GE社のDX失敗事例

GE社がDXに失敗した代表的な事例としては、2017年に発表されたGE Digitalの業績不振が挙げられます。GE Digitalは、IoTプラットフォーム「Predix」の開発や導入を推進することで、GEの製品やサービスにデジタル技術を取り入れることを目指していました。

しかし、この取り組みは失敗に終わり、GE Digitalは2018年に再編されることになりました。

この失敗の原因は、DXを進めるために設立した部署や子会社の組織設計が不適切だったと指摘されています。

GE社はデジタル技術を取り入れる各事業部門に、独自のデジタルチームを設置することでDXを推進していました。ただその結果、情報共有がうまくいかなかったり、重複する取り組みが発生したりするなど、組織の中での調整が不十分だったようです。

またGE社はDXに必要なスキルや文化の定着を進めるための取り組みにも課題がありました。たとえば、デジタル技術の導入によって生じるデータの分析や活用に関するスキルや知識を持つ人材が不足していたのです。

これらの問題に対して、GE社は再編などの大規模な組織改革を実施し、デジタル戦略の再構築を図っています。

※参考
https://onecapital.jp/perspectives/ge
https://www.paloaltoinsight.com/2021/06/17/diamond-online-01/
https://www.scribd.com/document/497647233/Digital-Transformation-at-GE-What-Went-Wrong#

まとめ〜組織改革とリスキリングがはじめの一歩

今回お伝えしたDXの失敗原因や事例から学べることは、情報の行き渡りやすい企業文化とテクノロジーに適応できる人材の確保が大切なのは言うまでもありませんが、改めて組織改革とリスキリングの必要性を思い知らされます。

企業文化を変革するためには、従業員にDXのメリットや変革の必要性を十分に理解してもらい、積極的な行動を起こしてもらうことがDX化のはじめの一歩です。またその行動の中にはリスキリングが欠かせません。

DX化を成功させるためにも戦略的な目標を設定し、効率的なリスキリングの導入で優秀な人材の確保を目指しましょう。

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