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リスキリングってそもそも何?
DX時代の人材育成におすすめ!
3つの主要スキル

リスキリングってそもそも何? DX時代の人材育成におすすめ!3つの主要スキル

近年よく耳にするリスキリングという言葉。先進各国で注目され、政府も推進していますが、企業では「具体的に何をすれば良いかわからない」という声が多いのではないでしょうか。

この記事では、リスキリングとは何か?というそもそも論や他の人材教育との違いを踏まえ、DX時代だからこそおすすめする3つの主要スキルをご紹介します。

リスキリングとは?

そもそもリスキリングとは一体何なのでしょうか。リスキリングの意味や必要性、メリットについて解説します。

リスキリングとは何か?

リスキリングとは、新しいスキルを習得または既存のスキルを更新するためのプロセスを指します。英語のReskillingを直訳すると、技術を学び直すという意味になりますが、単なる学び直しではなく労働市場の変化や技術の進歩に対応するための教育です。

リスキリングの主な目的は、雇用の創出・維持や生産性の向上により、企業が変化の激しい時代を生き抜くためと言えます。今後はAIによって仕事の進め方や働き方そのものが変わるので、リスキリングの必要性はさらに高まっていくでしょう。

世界でリスキリングが注目されている理由

リスキリングは世界各国の要人やビジネスリーダーが集まるダボス会議でも注目されています。その理由は社会や産業が急速に変化しているため、人的資本の向上が必須だからです。

実際、ビジネスの現場では自動化やAIの進歩に伴い、従来は人が行っていたことを機械にやらせたり、デジタル化によって対面で行われていた作業をオンライン化するようになったりしています。

身近な例としては、タイピングやデータ入力の自動化、会議・商談・面接は元より通常業務の報連相までZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなどで対応することです。

そのため、これまで必要だったスキルが不要になる一方、機械を使いこなす能力やAIが弾き出した答えを読み解く力など、新しいスキルが必要な場面は確実に増えるでしょう。

こうした変化に対応するために今、リスキリングが求められているのです。

リスキリングのメリット

企業がリスキリングを導入するにはそれなりのコストが発生しますが、将来性を考えれば導入するメリットは大きいと言えます。

リスキリングの主なメリット

  • 業界の変化に短期間で適応する能力の向上
  • 従業員のキャリアアップにつながる
  • 従業員のモチベーションが向上する
  • 離職率の改善など人材流出を抑止できる
  • 企業全体としての市場競争で優位に立てる

次々に出現する新しい技術やデジタル化によってあらゆる業界が変化しているため、従業員のスキルもアップデートする必要があります。しかし、新しいスキルを学ぶことで従業員一人ひとりのキャリアアップが期待できます。またそれによって、従業員のモチベーションが向上するので、離職率の改善も期待できるでしょう。

そうすれば、企業全体として生産性が高まるので、市場競争で優位に立てると言えます。

リスキリングの導入は人的資本の向上につながるため、投資家からの評価も高まり、結果として企業価値は上がりやすくなります。政府もリスキリングに対する巨額の予算投入を表明していますので、各企業はこの機会に、人材育成に力を入れることが重要です。

OJTやリカレントと何が違う?他の人材育成方法との比較

OJTやリカレントと何が違う?他の人材育成方法との比較

リスキリングはこれまで一般的に行われてきたOJTやリカレント教育ほか、他の人材育成方法と何が違うのでしょうか。それぞれの教育内容と比較してみましょう。

OJT

OJTは仕事の中で直接スキルや知識を身につけるトレーニングのことです。

これは、実際の業務中に上司や先輩から直接指導・アドバイスを受けることができます。また現場でのトラブルや問題解決などのスキルも身につけることが可能です。OJTは理論的な知識を実践的な経験と結びつけることができるため、スキルアップに有効なトレーニング方法として多くの企業が導入しています。

リカレント教育

リカレント教育とは、現在の仕事に必要なスキルを向上させるために新しいスキルを学ぶことを指します。

これは同じ業界でも他社への転職や他の職種への転向が前提となっている場合がほとんどです。リスキリングが今後の仕事に必要な新しいスキル習得を重視していることに対して、リカレント教育は既存の仕事に対するスキル維持・強化を重視する傾向があります。

アンラーニング

アンラーニングは、古い技術や知識を捨てて新しいものを学ぶことを指します。

以前に学んだことが不要になった場合に行われるので、異業種への転職のために受講する職業訓練に近いかもしれません。アンラーニングは、リカレント教育とともに行われることが多いですが、単独で行われることもあります。

アップスキリング

アップスキリングは、個人が自分自身のスキルを向上させるという意味で、いわゆる自己啓発や資格取得の類です。

これは、新しい技術やトレンドに対応するために必要なスキルを身につけることを指します。アップスキリング自体はモチベーションの向上やライフスタイルの充実につながりますが、リスキリングとは異なる自主的な学習と言えるでしょう。

アウトスキリング

アウトスキリングは、他人のスキルを向上させることを意味します。

たとえばリストラの対象者を他社へ転職させるために、マネジメントやリーダーシップなど、新しいスキル習得にチャレンジさせることです。リスキリングと似ていますが、目的が対象者の市場価値を高めるという点が異なります。

企業によっては、これまでお伝えした人材育成方法とリスキリングを同じもしくは延長線上と考えているかもしれません。しかし、実際にはそれぞれ似て非なるものであり、各教育の目的をきちんと理解することが大切です。

DX時代の人材育成におすすめの3つのスキル

DX時代の人材育成におすすめの3つのスキル

リスキリングにはどのような種類があるのでしょうか。企業の状況や従業員の現在のスキルを考えると、その種類は多岐にわたりますが、根本的な領域は3つに集約できます。

デジタル技術の向上は絶対条件

1つ目はデジタル技術の向上です。とりわけ3Dデジタルの技術はものづくりやヘルスケアの分野での有効活用できます。IT分野でもデジタル技術を駆使すれば、マーケティングやマネジメントを自動化・デジタル化することが可能です。

このスキルの習得は単に機械の使い方を学ぶことではありません。AIやデータを使いこなすことによる新商品・サービスの開発や企業全体のコストパフォーマンス向上などが大前提です。

ソーシャルスキルが世界を広げる

2つ目はソーシャルスキル(コミュニケーション能力)です。私たちは人と交流を図り、協力し合うことで、さまざまな課題を解決に導くことができます。どれだけAIの学習能力が優れていても、人間の発想や感情が協調性やモチベーションの向上につながることは必至です。

そのため、従業員が一丸となって企業の目標を達成するには、ソーシャルスキルを高める必要があります。

個人の能力開発は生産性を高める

3つ目は従業員一人ひとりの能力開発、すなわちマネジメント能力の向上です。ロジカルシンキング・クリティカルシンキング・行動力・傾聴・リーダーシップなど、自己啓発を推奨することで従業員一人ひとりの企業への貢献度は大きくなり、その結果、企業全体の生産性が上がります。

DX時代はより一層の自動化・デジタル化が進むため、企業内で行うリスキリングでは、お伝えした3つのスキルを高めることにフォーカスすると良いでしょう。

徹底解説!リスキリングの具体的事例

リスキリングを従業員に促す必要性やメリット、どのようなスキル習得が有効なのかは理解したけれど、具体的には何を学べば良いのでしょうか。DX時代の人材育成におすすめの3つのスキルに対して、それぞれ事例をご紹介します。

デジタルスキルの学び方

デジタルスキルは、コンピューターやソフトウェアの使い方、デザインなどのスキルです。Excel(エクセル)やIllustrator(イラストレーター)など、身近なソフトを使いこなせるようになるだけでも、これまでに比べてこなせる業務の幅が広がります。

そうしたら、今度はAIやデータ分析など、テクノロジー分野のスキルを学びましょう。最初は難しく感じるかもしれませんが、「Excelの基本的な操作を覚えたから、次はExcelマクロ/VBAを身につける」のように、段階的に学べば十分習得できます。

ソーシャルスキル向上は欠かせない

ソーシャルスキルは、話し方や傾聴など、コミュニケーション能力全般を指します。人は同じことを言っても伝わり方が異なることがあります。また聞き方によって心開いてくれたりくれなかったりと、コミュニケーション一つですべてが変わるといっても過言でありません。

そのため、英語をはじめとする外国語やプレゼンテーション、コーチングなどを学び、営業成績の向上やチームビルディングにつなげる努力が必要不可欠です。

ビジネススキルの伸ばし方

ビジネススキルと一言でいってもその種類はたくさんあります。ただリスキリングという観点からいえば、マーケティングや経営のスキルを学ぶことではないでしょうか。

人は仕事をするポジションによって視点が変わるため、それぞれのポジションでの意見はしばしば対立をもたらします。しかし、一人でも多くの従業員が別の部署や企業全体を考えられる視点を持てれば、より柔軟なアクションプランや迅速な意思決定につながるのではないでしょうか。

これは一見ハードルが高そうに見えますが、決して難しいことではありません。いきなりMBAや留学を促すのではなく、社内研修によるケーススタディや短期間の社外講座を受講させるなど、身近にできることを始めるだけでも十分な成果を得られます。

おわりに

リスキリングはこれまでの人材教育の延長やデジタル技術だけを学ぶのではなく、デジタル化に適応しつつ、従業員一人ひとりの能力を全体的に底上げすることで大きな成果を生み出します。今回お伝えした3つの主要スキルを企業内で周知・共有し、DX時代の企業価値と収益向上を目指しましょう。

リスキリングを導入したい企業の人事が知るべき効率的な進め方

リスキリングの導入事例や進め方を知りたい方は、こちらの記事でくわしく解説しています。

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