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DXの促進に必要な3つの意識!
デジタル人材に求められるスキル・マインド

投稿日
2023.02.24
更新日
2023.05.12
DXの促進に必要な3つの意識! デジタル人材に求められるスキル・マインド

最近、社長が急にDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組むと言い出したり、社内でDX化の動きが見られたりと、企業はいま大きな変革を求められています。しかし、多くの企業ではDX化への意識がまだまだ低く、思うように進んでいない状況です。

そこで企業のDX化を後押しするため、社内における意識改革の進め方やデジタル人材に必要なスキル・マインドについてご紹介します。

なぜ、企業のDX化は進まないのか?

各企業のDX化が進まないのはなぜでしょうか。ここでは企業のDX化を阻む要因を解説します。

各企業の担当者によれば、9割以上の企業はDX化への課題に直面していることがわかっています。主な課題は次の3つに分けられます。

予算不足

DX化には巨額の資金を必要とする場合があり、資金不足が原因でDX化を推進できない企業は少なくないのが現状です。ただこれはDX化に限らず、雇用拡大や設備投資など、何をするにも予算の問題はつきまといます。

そのため、企業努力は必要ですが、国の支援制度(補助金・助成金など)の活用や金融機関との交渉が課題解決の糸口です。

リソース不足

リソース不足は大きな課題と言えます。DXを推進しようと思っても、人手や技術が不足している状況ではDX化に向けた取り組みは困難です。

そのため、現状はエンジニアに丸投げという企業が多く見受けられます。しかし、企業がDXで何を目指すのかを明確にしないと、エンジニアの業務が非効率になります。

これでは本末転倒なので、DXで実現することの明確化やリスキリングによる社内の人材確保・育成など、リソース不足を解消させることが必要不可欠です。

デジタル化に対する抵抗感

新しい技術やビジネスモデルに対して抵抗感を持つ従業員は意外に多いのではないでしょうか。「DXについていけない」と思う理由は未経験の分野に対する不安やスキル不足によるものが大半ですが、社内の意識にばらつきがあると行動に反映されないため、DX化を阻む要因となってしまいます。

情報元:2022年12月14日PRTIMESで配信された「大手企業のDX推進に関する本音調査」より

DX化に向けた意識改革の成功ポイント

DX化が進まない要因の中でも、デジタル化への抵抗感をなくすことは非常に重要です。なぜなら、予算や技術の担保があっても、肝心の人が動かなければDX化は進まないからです。

つまり、DX化を成功させるポイントは社内の意識改革にあると言えます。

企業が求められているDXの領域を知る

DX化は急務と言われているのに、大企業の半数以上はDXの推進度合いが、最初の領域以下という状況です。そのため、まずはDXの領域を知ることが意識改革のファーストステップです。

そもそもDXには3つの領域があります。

  1. アナログ作業をデジタル化して業務を効率化するデジタイゼーション
    書類のペーパーレス化や対面で行う作業のオンライン化が代表的です。
  2. デジタル技術により業務プロセスを効率化して市場競争で優位に立つデジタライゼーション
    たとえば、ITツールを活用したデータ管理の自動化や最適化により、受発注・顧客対応・労務管理などの作業時間を大幅に短縮できます。
  3. デジタル技術によりビジネスモデルを再構築し、新たな価値を生み出すデジタルトランスフォーメーション
    データ分析の自動化やAI技術を駆使することで、新たな成長分野での事業を展開していくことです。

このように、DX化はこの3つの領域を段階的に進めていくのですが、多くの企業はペーパーレス化すらまだ進んでいないのが現状です。

引用元:経済産業省DXレポート中間取りまとめ(PDF)

苦手意識を克服する方法

先ほども少し触れましたが、従業員のデジタル化に対する苦手意識はたいていの場合、未経験による不安やスキル不足が原因と言えます。しかし、その状態を放置すれば仕事に支障が出るため、苦手意識の克服は必須です。

では一体、「DXについていけない」というデジタル化への苦手意識はどうすれば克服できるのでしょうか。それはデジタル化に対して、心理的にポジティブなイメージをさせることです。

デジタル化に苦手意識を持つ従業員の本音は、「デジタルデバイスを使いこなし、ITツールを活用できるようになりたい」という場合が多いと言えます。そのため、コーチング研修やワークショップの実施により、常に理想の状態をイメージさせ、ネガティブな感情を抑制できるようにすることが大切です。

PDCAサイクルで意識改革を!

企業全体の意識改革を行う場合、PDCAサイクルの運用も有効な選択肢の一つです。

はじめに、従業員一人ひとりに企業の現状を認識させます。DXとは何か?DX化はなぜ必要なのか?といった情報を社内で共有することにより、各従業員は企業が乗り越えるべき課題をしっかり把握できるようになります。

とはいえ、従業員の意識をある日突然に変えることは簡単ではありません。そのため、最初は行動を指示する形でも良いでしょう。たとえば、「来週から毎週月曜日はテレワークとし、会議や報連相などをオンライン化するので、自宅の通信環境やデバイス設定を整えてください」のように。

具体的な行動を決めたら、今度は従業員がスムーズに実行できているかどうかを確認し、管理職は上手くいっていない従業員をフォローします。
こうしたPDCA(P:課題の認識→D:行動の指示→C:フォロー体制の強化→A:作業慣れによる意識づけ)を繰り返すことにより、従業員は自然とデジタル環境に慣れるので、苦手意識は日に日に薄れていくでしょう。

DXの促進に必要な3つの意識とは?

DXを促進するには、具体的にどのような意識を持つことが必要なのでしょうか。企業内で共有すべき3つの意識をご紹介します。

カスタマー中心のアプローチ

DXを促進する上で最も重要なことは、顧客ニーズを最優先に考えることです。顧客が抱える課題やニーズを把握し、デジタルソリューションを提供することによって、顧客満足度が上がることは容易に想像がつくでしょう。

つまり、顧客目線で業務を遂行することが、DXの必要性の実感につながるのです。

データ駆動型アプローチ

これはデータに基づいた分析や洞察を通じて、ビジネス上の問題を解決したり、新しい機会を探求することが目的です。

このアプローチは、ビジネスにおいてデータを効果的に活用することが重要とされる現在、特に重視されています。データから得られた知見を元に、業界トレンドや顧客ニーズなどに基づいた製品・サービスの開発やマーケティング戦略を立てることができます。

DXはその領域を広げるごとにデータ管理や分析の重要度が高くなりますが、企業が成長するためにはDXに関わらず、データを駆使した戦略が必要不可欠です。

機敏な対応

現代は市場環境の変化が激しい時代であり、新しい技術や市場の動向に応じて、企業も進化していかなければなりません。そのため、アクションプランの立案や意思決定はスピード感を持って対応する必要があります。そう考えると、DX化が業務プロセスの効率化につながることは自然と理解できるようになるでしょう。

このように、カスタマー中心のアプローチ・データ駆動型アプローチ・機敏な対応の3つを従業員に意識させることで、企業はDX化を加速させることができます。

デジタル人材に求められる7つのスキル・マインド

DXの促進には前述した3つの意識が重要ですが、それらを意識することを意識させるには7つのスキル・マインドが求められます。

デジタルリテラシー

デジタルリテラシーとは、デジタル技術やツールに精通し、デジタル環境での問題解決力を持っていることです。デジタルリテラシーが備わっていると、効率的かつ正確な情報を収集することができます。

クリエイティブ思考力

クリエイティブ思考力は新しいアイデアを生み出し、創造的な解決策を提供する能力です。この能力を備えていると、問題解決力の向上や新しい価値の創造につながります。またタスクの実行にあたって、モチベーションが向上し、よりエネルギッシュな状態になるでしょう。

データ分析力

データ分析力は、大量のデータから有益な情報を抽出し、洞察力を高めることです。データ分析そのものはAIが行うとしても、AIの弾き出した答えを見極めるには、まだまだ人間の力が必要です。

チームワーク

これは文字通り、他の部署やチームメンバーと協力して仕事を遂行する能力です。DX化は企業全体で行うことが重要なので、従業員が一致協力してDX化に向けた取り組みに参加するように奨励しましょう。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、言うまでもなく人間関係の構築に必要不可欠なスキルです。仕事上の課題を正確に伝えたり、相手の意思を読み取ったりすることは、チームワークだけでなくすべての仕事において大切な要素と言えます。

柔軟性

急速に進むグローバル化によって、市場環境は常に変化しています。参入や撤退の決断、戦略の変更など、これからはより一層フレキシブルな対応力が必要です。

学習能力

DX化は、それによって不要になる仕事と新たに必要となる仕事があり、キャリアアップやリストラ回避の観点から新しいスキルの習得が必要な場面が増えるでしょう。そのときに必要なのが学習能力です。好奇心を持って常に学ぶ姿勢で仕事に臨むマインドが求められています。

これらのスキルを備えているもしくは意識している人材は、組織のDX戦略に即応し、デジタル技術を活用したビジネスソリューションを提供することができます。DX化の基盤をつくるためにも人材育成においてはこの7つのスキル・マインドを重視していきましょう。

まとめ

DXの促進には、企業としてDX化に向けたプロジェクトやイニシアチブを設定し、その取り組みに対して従業員の参加を推奨することが大切です。また同時に人事や管理職が、DX化を進めるための方針や戦略を明確にすることで、従業員の意識を高めることができます。そうすることで、彼(彼女)らはデジタル人材として求められるスキル・マインドが備わるのです。

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