こんにちは、今回の記事を担当するミソノです。
WinスクールでIT・RPA系の授業・セミナー講師を担当しています。
この記事では、無料RPAツールMicrosoft Power Automate Desktop(以下、Power Automate Desktop)の機能・使い方についてご紹介しています。
前回の記事に続いて、今回も「変数」を扱ってみようと思います。
条件とは?
Power Automate Desktopで使用する「条件」とは、設定した条件に合致した場合の動作と、条件に合致しない場合の動作の2パターンの設定を行う機能のことです。
とはいうものの、なかなかイメージがつかみづらいものだと思いますので、日常生活に置き換えて考えてみましょう。
まず、お財布の中に150円があるとします。
この場合、150円以下のジュースは買えますが、160円以上のジュースは購入できません。
この時、人間であれば頭の中で「150円以内のジュースなら購入できる。でも160円以上のジュースは購入できないから買うのを諦めよう」といったことを判断しています。
このように、条件をふまえた判断によって取る行動が変わってきます。
Power Automate Desktopでも同じ考え方が可能です。
たとえば「変数data1の値が10以上ならメッセージボックスで【10以上です】と表示を行い、値が10未満なら【10未満です】と表示を行う」といった処理が可能です。
それでは実際にPower Automate Desktopで「条件」を使った処理の作成を行っていきましょう。
条件「If」を使ったフローの作成
Power Automate Desktopを立ち上げたら新しいフローを作成します。
左メニューから「変数」→「変数の設定」をMainフローにドラッグ&ドロップしてください。設定は「data1」、宛先は「20」を入力し、「保存」ボタンをクリックしてください。
次に左メニューから「条件」→「If」をMainフローにドラッグ&ドロップします。「パラメーターの選択」画面が表示されるので、
- 最初のオペランド:%data1%
- 演算子:以上である(>=)
- 2番目のオペランド:10
と設定を行い「保存」ボタンをクリックしてください。
※オペランドとは【値】という意味です。
保存後はこのようなMainフローとなります。
Mainフロー2番に記載されている「If data1 >= 10 then」というのは日本語に直訳すると「もし、変数data1が10以上の場合」という意味です。
Mainフロー3番の「End」は上記条件を満たしている場合、処理が行われる範囲の最後を表しています。
つまり、このIfで設定した条件である「変数data1が10以上の場合」に行ってほしい処理をMainフローの2と3の間に作成します。
では実際に行ってみましょう。
条件に合わせて結果を変えてみる
条件が合致した場合の処理の作成
左メニューから「メッセージ ボックス」→「メッセージを表示」を選択し、Mainフロー2と3の間にドラッグ&ドロップしてください。
※2と3の間に黒いラインが表示されていることを確認しながら行いましょう。
「メッセージを表示」画面で下記の設定を行ってください。
- メッセージ ボックスのタイトル:条件合致
- 表示するメッセージ:変数data1は10以上です。
- メッセージ ボックスを常に手前に表示する:チェック
設定ができたら「保存」ボタンをクリックします。
これで条件が合致した場合の処理の作成は完了です。
次は、条件に関係のない動作を登録します。
条件に関係なく動作する処理の作成
Mainフロー4番「End」の下にメッセージボックスを追加しましょう。
左メニューから「メッセージ ボックス」→「メッセージを表示」を選択してMainフロー4番の下にドラッグ&ドロップします。下記の内容を設定後「保存」ボタンをクリックしてください。
- メッセージ ボックスのタイトル:条件に関係なく動作(※お好きなメッセージで問題ありません)
- 表示するメッセージ:条件に関係なく動作(※お好きなメッセージで問題ありません)
- メッセージ ボックスを常に手前に表示する:チェック
設定後のMainフローは下記の通りです。
作成したフローを実行すると、、、
実際にMainフローを実行してみましょう。
実行するとまず下記のメッセージ ボックスが表示されます。
Ifの処理内に作成した「メッセージを表示」の処理が実行されていることがわかります。
メッセージボックスの「OK」ボタンをクリックしてみましょう。
今度はMainフロー5番で設定したメッセージボックスが表示されます。
このように、条件に合致した場合の処理が行われた後に、条件に関係なく動作する処理が行われていることがわかります。
変数を変えて実行してみると、、、
では、今度は条件に合致しない場合の動作を確認しましょう。
Mainフロー1番「変数の設定」をダブルクリックし、変数data1の値を5に変更してください。
再度Mainフローを実行してみましょう。
先ほど行った、条件に合致した場合と違い、Ifで囲まれた部分のメッセージボックスは実行されません。Ifで囲まれていない部分の下記のメッセージボックスのみが表示されます。
「data1」が条件である「If data1 >= 10 then」(もし、変数data1が10以上の場合)に合致しなかったため、条件に関係なく動作する処理のみが表示される結果となりました。
今回のまとめ
いかがでしたか?以上がIfを使った条件処理です。
この他にも条件処理については様々な種類がありますのでいろいろ試してみてください。
次回は「条件に合致しない場合の処理を行う方法」についてご紹介いたします。お楽しみに!