トレンドカラーを知っていますか?
今回は、今さら聞けない「トレンドカラー」について解説!駆け出しデザイナーが知っておくととても役立つ内容です。
2023年のトレンドカラーや活用の方法、過去の事例まで詳しくご紹介します。
目次
「トレンドカラー」の目的とは?誰が決めるの?
トレンドカラー、いわゆる流行色は、実は国際的な有識者会議によって事前に決められています。
国際機関である「インターカラー(国際流行色委員会)」が方針を決定し、国ごとにも独自にトレンドカラーを選定します。日本では「日本流行色協会JAFCA」が国内の消費動向や市場を分析したうえでトレンドカラーを選んでいます。
また、インターカラーとは別に、色見本帳で有名なアメリカの企業・PANTONE社が例年トレンドカラーを発表していることも有名です。
トレンドカラーは発表される2年前から審議され、有識者たちによって決定されます。というのもボタン1つで彩色するWebとは違い、アパレルやファッションなどの製造業は、染料とそれに適用する繊維を用意することが必要不可欠!
そのため、トレンドカラーは繊維・服飾業界が準備に準備を重ねて、出荷在庫がすでに倉庫に用意できている・流行ることが決定している色!たくさん出回ることが確定しているので、トレンドカラーを知っておくと「その年っぽさ」をすぐ演出できるメリットがあります。
年ごとにまったく違ったテイストの色が選ばれる傾向がある、トレンドカラー。毎年異なる色を打ち出すことで、服やアクセサリーの買い替えを促進する狙いもあると推察されます。
駆け出しデザイナーがトレンドカラーをおさえる3つのメリット
駆け出しデザイナーが毎年のトレンドカラーを知っておくメリットを3つ、ご紹介しましょう。
1.クライアントへの提案のしやすさ
「今っぽいデザインで!」といった、ざっくりしたイメージしかお持ちでないクライアント様に、専門家として「今年の世界のトレンドカラーはビバ・マゼンタで、今っぽい色です!」というふうに提案しやすくなります。トレンドカラーはボタンやサイドバーにちょっと混ぜるなど、アクセントにするだけでも一気に「流行に乗っている感じ」を出すことができます。
2.被りを避ける効用
「今年はこの色が流行る・増えるだろうな」と把握しておくだけで、似たようなカラーリングを避け、クライアントへ個性的に見えるデザインの提案ができるようになります。トレンドカラーと対になる補色や真逆の色がどのように人の目に映るか、イメージをしやすくなるのも事実です。デザイナーとしてひとつ、提案の軸ができてとってもラクになります。
3.信頼感を与えられること
トレンドカラーはデザイン業界関係者以外に、あまり馴染みがないもの。把握しておくだけで、「専門知識のあるデザイナー」として信用してもらいやすくなりますよ。
また、意識しながら街並みやアパレル店の洋服を観察することで、日常にあふれるデザインを見る目も変わってきます!デザインの仕事を請け負うとき、ぜひトレンドカラーはおさえておきたいポイントですね。
2023年のトレンドカラーを解説!補色も活用してデザイン
続いて、2023年のトレンドカラーを詳しくご紹介します!
- PANTONE→ビバ・マゼンタ
- JAFCA(日本)→ルミナスイエロー
それぞれどんな特徴があるのか、見ていきましょう。
国際機関PANTONEー挑戦的な「ビバ・マゼンタ」
PANTONEが2023年のトレンドカラーとして選んだ「ビバ・マゼンタ」は、ビビッドながら深みのある個性的な赤色。
VRやメタバースなど、デジタルとの融合やアフターコロナの新しい世界を見据えた色とのこと。Webデザインでも映えそうですね!
「ビバ・マゼンタ」(PANTONE® 18-1750 Viva Magenta)
- カラーコード:#CE3256
- RGB:206,50,86
- CMYK:0,76,58,19
- HSV:346,75,80
ビバ・マゼンタはアクセントカラーとしても目立つため、アースカラーやベージュ系統の色味を合わせやすいのが特徴です。
日本流行色協会JAFCAー不安へおだやかに寄り添う「ルミナスイエロー」
日本の流行色協会JAFCAが選んだ2023年の色は、ルミナスイエロー。
- カラーコード:#FEF6B7
- RGB:254,246,183
- CMYK:0,3,28,0
- HSV:52,28,100
系統色名:ペール・イエロー、既にノーマスクが当たり前になり、経済活動も活発化している海外とは違い、自粛が続きマスク生活も長い日本です。
ルミナスイエロー(Luminous Yellow)はそんな不安やストレス環境に寄り添うような、淡い黄色です。ちなみにルミナス(Luminas)は英語で「輝き」を意味します。
トレンドカラーには「世界がこうなってほしい」という願いや、「人々にこんな気持ちで過ごしてほしい」といった思いやりがこめられています。
目にしたときに気分や感情に影響を与えやすい「色」だからこそ、さまざまなメッセージ性を含ませることができますね。
昨年のトレンドカラー&実際に流行ったもの
「トレンドカラーってそんなに大事なの?その年ごとの色なんて、全然記憶にないけど!」
そこで今回は世界的なファッションショーなどからトレンドカラーを振り返ってみます!
一流オートクチュールが顔を揃えるパリコレやミラノコレクションなどから、その年のトレンドカラーを見つけてきました。
世界のトレンドカラーを受けて、トップデザイナーたちはどんなふうにファッションに活かしたのでしょうか?
2022年「ベリーペリ」の年に流行ったのは?
2022年のトレンドカラーは紫系統の「ベリーペリ」。
コロナ禍でオフライン開催を自粛していた各ファッションショーでしたが、2022年は軒並み開催。トップレベルのモデルたちがランウェイを練り歩く姿が約2年ぶりに見られました。
https://www.harpersbazaar.com/jp/fashion/collection/g37572791/new-york-fashion-week-spring-2022/
ミラノコレクションでも!
https://news.line.me/detail/oa-harpersbazaar/q53yx5fglp33
「あれ、この色に似たパーカー、好きなアパレルブランドで見た気がするかも…?」と、気づいた方もいるのではないでしょうか?
ちなみにWebの世界ではサッカーワールドカップ2022、FIFAの公式サイトにベリーペリの気配を見つけることができました。
サイトのサイドバーや背景の随所に、ベリーペリと似た紫色が配置されているのにお気づきでしょうか?もしかしたら、2023年の色「ビバ・マゼンタ」も、今年ローンチされるWebサイトでちょこちょこ顔を見せるのかもしれません!
まとめ
2023年のトレンドカラー紹介、トレンドカラーの選考や活用法までご紹介しました。
駆け出しデザイナーからプロまで、トレンドカラーは知っておくと役立つ1つの指標です。毎年違った色が選ばれるトレンドカラーをおさえることで、よりクライアントへの提案がしやすくなるかもしれません。
ぜひトレンドカラーをおさえて、一段上のデザイナーを目指してみませんか?