パソコンを使って仕事すると、すごく疲れる気がしませんか?
「今までは体を動かす仕事をしていたけど、ITスキルの勉強をはじめて、急に全身疲れやすくなった…」という方もめずらしくありません。なぜパソコンの仕事は、座っているだけなのにあんなに疲れるのでしょうか?
実はそれは、体力・気力が無いせいではありません。原因を知って対策をとれば、疲れからの回復も早くなり、勉強や仕事の成果もUPするかも!?
毎日パソコンに向かって働くデスクワーカー必見!プログラミングやデザインの勉強に取り組む方にもオススメ、今すぐできる疲労回復方法のご紹介です。
パソコンを使うと疲れる3つの理由
実は、「人間の脳や体の仕組みは、1万年前とほぼ変わらない」ということをご存知でしたか?
光るモニターに、不意打ちで来る通知……スマートフォンやパソコンが人体に与える刺激は私たちが想像しているより強烈です。疲れをガマンして仕事や勉強を続けていると、体が悲鳴をあげて寝込んでしまうこともあります。
疲労とうまくつきあえば、毎日がもっと生きやすくなるかもしれません!デスクワークが私たちの体に与えるストレス、代表的な3種類をまず把握しましょう。
1.眼精疲労
「目は露出した脳の一部」と言われています。眼精疲労やドライアイは私たちが思っている以上に、体にとって強いストレスになっていることをご存知でしたか?
眼精疲労は目の使いすぎ、具体的には「近距離をじっと見つめる時間が非常に長い」ことで目のまわりの筋肉や眼球が疲労し、全身に影響が出てしまうことも。眼精疲労をケアすると、肩こりや頭痛に悩まされる回数が減るのでオススメです!
ほんのちょっとのアイケアを習慣にするだけで疲労回復のスピードが速くなり、デスクワークのぐったり感から開放されやすくなりますよ。
2.脳疲労
「気がつくと、昔のことがずっと頭の中を駆け巡っている」という方は、脳疲労状態かもしれません。コンピュータを通した情報量が激増した現代、脳も情報処理が追いつかずパンクしがちです。
脳疲労とは、脳が過活動でオーバーヒートしている状態のこと。「モンキーマインド」と呼ばれる、とめどなく過去の失敗や未来の不安が頭の中でぺちゃくちゃと繰り返されている状態が、大きな特徴です。
きちんと休憩をとっていても、モンキーマインドを抑止する脳疲労の対策をとらないと、朝起きた瞬間からぐったり……という状態が続きかねません。
深呼吸して脳に酸素を行き渡らせる、意識的に今・現在に集中するなどの方法で、脳疲労を軽減できます。特に、デスクワーク中にうっかり呼吸を止めてしまっている人は要注意!脳が酸欠状態を起こして、脳疲労が悪化するリスクがあります。
呼吸に集中するマインドフルネス瞑想で、重度の抑うつ状態が改善されることも研究により確認されています。酸素が十分に脳に行き渡ると、心も明るくなるんですね。
参考:https://diamond.jp/articles/-/96982
「世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる」久賀谷亮・著 ダイヤモンド社
3.血流の悪化
「よし、2時間みっちりデスクで企画書を仕上げるぞ!」と意気込んでも、20分後にはだるくて頭が回らない……という場合、血流の悪化が原因かもしれません。
脳は体全体の2%程度の重さしかないのに、全身のエネルギーの20%を消費する大食漢。しかしじっと座って仕事をしていると、重力の影響で下半身に血が吸い寄せられていきます。腹筋や足の筋肉が弱っている人や、むくみやすい方は要注意!
寒く感じるオフィスや、冷たいドリンクばかり飲む生活だと、血管が萎縮して全身に必要な血が行き渡らなくなってしまいます。すると「エネルギーが足りない!休まねば!」と脳が判断して、疲労感やだるさを感じやすくなるのです。
休む社員は「デキる会社員」!?
勤務時間の休憩時間カウント方法も
従来は「疲れていても働くのが大人」「まじめに休まず働くのがいい社員」というイメージがありました。しかし仕事で求められるスキルが変わってきたように、デキる社会人の姿も変化しています。
『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』(越川慎司・著 ディスカヴァー新書 2022年出版)によると、成果を出す上位5%の社員は定期的な休憩や疲労回復を習慣にしているとのこと。その他にも数々の研究で、休憩の質と疲労回復、そして生産性に相関関係があることがわかっています。
もはや令和のデキる社会人は「自分の体調管理がパーフェクトで、定時より前に仕事を終える」という時代に!
「でも、会社で休憩時間は45分って案内されたけど…」
法定の休憩時間は45分と決まっていますが、作業中に小休憩を入れることは法律上でも認められています。トイレ休憩や昼食後の時間など、スキマ時間をみつけてしっかり疲労をケアするのが理想です。
参考: 『AI分析でわかった トップ5%社員の時間術』(越川慎司・著 ディスカヴァー新書 2022年出版)
「疲れた…」ぐったりする前に回復する習慣をつけるのが理想!
「疲れをすぐにとる方法はないの?」と思う方もいらっしゃるかと思います。
そこで、疲労を感じるメカニズムを解説!
活動を行う際にエネルギー源となる栄養素を燃焼させる
→活動によって発生した老廃物(乳酸、活性炭素など)が血流内や神経、筋肉などに蓄積
→排出するためのケアがされないor不十分だと「疲労感」として脳がSOSを発する
「疲れは気のせい」と考えている方も多いようですが、それは違います。疲労物質が蓄積することで疲労感が発生し、疲労物質をデトックスすることで疲労感が回復する仕組みなのです。
実は「疲れた」という状態は、体にとっては究極のSOSの1つ!なかなか疲れが取れない場合には「毎日こまめにケアする」「疲労回復を習慣にする」しか、根本的な疲労回復の方法がないのが現状です。
内臓やホルモンバランスの疾患で、疲労感を感じやすくなる場合もあります。その場合は検査と治療で劇的に改善することもあるそうです
「休むともっと疲れる」場合は、心身が悲鳴をあげているサインとか・・・!
とはいえ、「休む時間がない」「休める雰囲気じゃない」という方もいらっしゃることでしょう。
そこで、「ちょっとついでにできる疲労回復ルーティン」をご紹介!こまめな習慣の積み重ねで、疲れ知らずの体質につなげることもできるんです。
今日から毎日15秒!
カンタン疲労回復方法5選&ルーティンの作り方
毎日15秒からはじめられる!ついでにできる疲労回復方法を5つご紹介します。
- 目のケア
- 血流のケア
- 脳疲労のケア
この3つのポイントを意識することで、毎日が少しラクになる習慣づくりができるんです。
仕事はじめと終わりに、目薬をさす
まずは「露出した脳」である目をいたわる疲労回復メソッドから。
今日から仕事はじめに、目薬をさすルーティンをはじめませんか?目を本格的に使う前に保湿することで、乾燥を防いで眼精疲労を軽減させる効果が期待できます。
春・秋の花粉症シーズンは目が炎症を起こして、かゆくてたまらない方も多いことでしょう。市販の洗眼液やアレルギー内服薬も活用してみてください。炎症を起こしているときには目を冷やすようにすると、つらい症状が和らぎます。
1時間に1度、30秒間、手で目のまわりを覆う
1時間に1度、30秒間、手で目のまわりを覆うことで血流や自律神経の改善ができるんです!
これは「パーミング」、目のヨガとも呼ばれるインドやチベット地域のセルフケアです。やり方はカンタン!
- 両手をこすりあわせて、手のひらをあたためます
- 目のまわりをやさしく手のひらで覆います
- 目を閉じたまま、5呼吸キープ
- 手をおろし、ゆっくりとまぶたを開いて視界に光をなじませます
参考:https://asajikan.jp/article/141729/amp/
トイレに行くついでに、前屈をする
「足は第2の心臓」と言われていることは有名です。が、座り続ける現代人は、おしりから太ももにかけての筋肉がカッチカチのことが多いことをご存知でしたか?
下半身の血流を改善して頭をスッキリさせるために、オススメしたいのが「トイレのついでに前屈をする」こと。
大殿筋や腰の筋肉、ハムストリングスまで伸びる前屈をすることで、血流が一気に改善しやすくなります。頭を地面に近づけることで、物理的に血が脳に行きやすくなるのも大きなメリットです!
最初は前屈ではなく「前傾」でもOK。気持ちよく全身をゆるめると、血管を血が行き交いやすくなりますよ。
参考:https://classmall.jp/blog/genre/yoga/6092/
イライラ!モヤッ!としたら、深呼吸を3回する
仕事や学習が思うように進められずに「イラッ!」としたら、深呼吸を3回しましょう。
脳が酸欠状態だと、少しのストレスにも脳が「攻撃されている」と判断してしまい、まわりにつらくあたってしまいやすくなります。デスクワーク中に呼吸を止めている方は、気づいたら大きく3回深呼吸!を習慣にすると、脳や自律神経が落ち着きを取り戻しやすくなるのでオススメです。
「イラッとしたら深呼吸」は、怒りを健全にコントロールするアンガーマネジメントの観点からもイチオシ。呼吸の際には吐ききることを意識すると、自然と肺に空気が入りやすくなります。
お昼ごはんのあと、マインドフルネス瞑想を習慣にする
あのGoogleの社員もルーティンにしているのが、マインドフルネス瞑想です。
マインドフルネス瞑想のやり方は、呼吸しやすい姿勢になって、目を閉じ、自分の呼吸に意識を集中させるだけ。雑念が湧いてきたら、鼻先の呼吸に意識を意図的に戻して、もう一度呼吸を味わう作業に戻ります。
毎日15秒でも「呼吸だけする時間」を作ると、脳に酸素が行き渡り、脳疲労の改善に役立ちます。地道に毎日続けるだけで、生まれ変わったようにスッキリできる可能性を秘めているのがマインドフルネス瞑想です。
特に昼食後は胃腸に血液が集中し、頭がぼーっとしやすい傾向にあります。そんなときはうっすら目を閉じて、マインドフルネス瞑想をしてみてください。自分にまとわりついていた薄い膜がはがれたように、スッキリする感覚があるかもしれません。
参考:https://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=2558
まとめ
「座っているだけで疲れるなんて、情けない…」
そう思ってしまいがちですが、実はデスクワークは眼精疲労・脳疲労・血流悪化を促進させる要素がたっぷりあるのです。疲れてあたりまえのデスクワークだからこそ、こまめな疲労回復を習慣にすることで、体が疲労物質をデトックスしやすくなります!
まずは今日からできる疲労回復習慣を、少しずつ取り入れてみては?心身をスッキリさせて勉強や仕事に取り組むことで、もっと生産性や効率をUPできる可能性を秘めていますよ!