こんにちは! Shinobuです。
普段はグラフィックデザイナーや講師として、大阪を中心に活動をしています。
はじめに
みなさんはプロフィール写真や人物の集合写真、インタビュー記事などの撮影やレイアウト時に、気を付けていることはありますか?
え、もらった素材をそのままなんとなくレイアウトしている?写真は映えていたらOK?
実は、撮影前からレイアウトするまでの間、ちょびっとずつ気にすれば、格段に見栄えがよくなる方法があるのです。
ぜひご一読ください。
スケッチしてから撮影しよう
レイアウトを考える際にはラフスケッチが必要です。
ラフスケッチでは「画像がここに入る」くらいのスケッチでもかまいませんが、イチから写真撮影が必要な場合は特に、「どんな写真にするか」という写真のスケッチが必要です。自分自身で撮影する場合にもイメージがつきやすいですし、カメラマンに依頼する際はイメージの共有ができるので、本当に役に立ちます。
撮影時にあれこれ悩まなくてもいいので、無駄な時間を費やすこともありません。
被写体の周りに余白を持たせる
撮影時に気を付けることは、「余白を取る」ことです。
どうしても被写体だけをきっちりとカメラのフレームに収めたくなりますが、被写体の周りに余白があると、レイアウトする際に安心です。
どういうことかというと、以下の図のように被写体ギリギリ、もしくは一部切れるような形でフレームに収めたとします。そうすると、レイアウトする際に困るのですね。
PC上で、画像枠内に収めようと写真画像を大きくすると、被写体が不自然に大きくなってしまうという不都合が起こります。
また、写真画像の縦幅(高さ)いっぱい使いたいと思っても、左右に写真画像の余裕がないため、画像枠に不要な余白ができてしまいます。
横で撮影したけれど、やっぱり縦の写真が必要になった際なども困りますね。
いくらスケッチ時に「横のレイアウトでいこう!」と決めたとしても、後から縦のレイアウトになることもあります。
特に頭部が切れた写真画像は、被写体をちょうどいいサイズにしても、上下に不要な余白ができます。
ですので、写真撮影時には、なるべく被写体の周りには余裕を持って撮影することを心掛けてみてください。
横を向いた写真のレイアウトのコツ
横向きの写真って、かっこいいですよね。
レイアウトをして、はい完成!
…あれ、どこ向いちゃってるのー!
せっかくの被写体が、紙面の外を向いてしまっています。
意図的なものだったらOKですが、無意識でこのようなレイアウトをしている場合は気を付けてください。
人物の目線を内側に向けるだけで訴求力が上がりますよ。
特に対談やインタビュー記事など、冊子での見開きの制作物の場合は注意します。
内側を向ける時、元々右を向いている写真を無理やり左に向けることも、避けましょう。
写真データで気を付けること
デザイン業務では、気を付けることがたくさんありますよね。レイアウトなどの作業は楽しいけれど、データの扱いとなると、うーーー!頭が痛いー!
写真データは、お客さまから受け取ったり、素材をダウンロードしたり、手元に来たらすぐにPhotoshopで開きましょう。
データを開いたら、まずは解像度を確認します。
[イメージ]-[画像解像度]で、画像解像度を確認します。
使用する媒体がモニター用か印刷用かを意識し、単位を設定します。
モニター用(WEB用)は、解像度が「72ppi」以上あれば、ひとまず大丈夫。
「幅」と「高さ」の単位を「pixel」にします。この時に必要な画像の幅や高さが十分あれば、このデータは使用できます。
印刷用であれば、解像度が「300~350dpi」あることを確認します。特にこのあたりの解像度については、職場などで指定があればそれに準じたサイズにしてください。指定がない場合、私は「350dpi」と決めています。
解像度が足りない場合は、次のようにします。
特に解像度が足りないケースは印刷物の場合に多いので、ここからは印刷物を想定してその手順をご紹介します。
まずは、「幅」と「高さ」の単位を「mm」になっていることを確認します。「再サンプル」のチェックをはずし、「幅」「高さ」「解像度」がリンクされた状態であることを確認し、解像度に《300》もしくは《350》と入力をします。
※ここでは350にします。
解像度を入力した後、画像の幅と高さが、レイアウト時にほしいサイズより極端に小さくないかどうかを確認します。
次に、「再サンプル」にチェックを入れ、必要な画像の幅もしくは高さを入力します。ここで「幅もしくは高さ」と言ったのは、写真は縦横の比率を保持する必要があるため、幅か高さのどちらかを入力すると、もう一方の値が連動して変わるからです。
まだ写真の大きさを決めてない場合は、だいたいの大きさでいいので、縦横の大きさを決めておきます。
大事なのは、今開いているデータの解像度が、十分足りるかどうかです。
解像度を確認し、写真自体のサイズも十分にあることを確認したら、レイアウトに取り掛かります。
ここでNGであれば、お客さまにもう一度、解像度の高い画像をもらえないか連絡したり、素材を準備しなおしたりします。作業に取り掛かるタイミングが遅れ、お客さまにもご迷惑が掛かるので、この作業はすぐにやりましょう。
色補正のコツ
屋外と屋内、どちらで撮影したかによって、写真の色味が変わるのをご存知でしょうか。
屋外で撮影をすると、写真は青味がかかり(自然光の場合)、屋内で撮影をすると、黄味っぽくなります(一般的な蛍光灯の場合)。
以下の写真は、登山でおにぎりを撮影した写真(左)と、オフィス内でおにぎりを撮影した写真(右)です。おにぎりの色も私の手の色も、よく見るとそれぞれ色が偏っていることがわかります。
このことを意識するだけで、青味を消すのか黄味を消すのか、どういう方向に補正したらいいのかのだいたいの目安をつけることができるようになります。
また、特にこのおにぎりのような「白いもの」は色補正時の目安になります。本来、白いものが極端に赤かったり青かったりすれば、本来の色―白に近づけるように補正をします。
写真補正時に一番意識していただきたいのは、「どういう写真に仕上げるか」と「自分が写真撮影の現場にいると想像する」ことです。
顔写真レイアウト時のコツ
顔写真のレイアウト時に気を付けたいのは、「頭の大きさをそろえること」です。
たとえば、広報誌などでプロフィール写真が並んだ時、頭の大きさがバラバラに見えると、その不揃いさが気になります。
PhotoshopやIllustratorの「ガイド」を上手に使って、頭の大きさを揃えましょう。
また、体のどの位置から画像枠に収めるか迷いがちですが、一般的には胸から上、もしくはネクタイの結び目あたりから上が収まると、人物の表情がよく見えてスッキリします。
最後に…
いかがだったでしょうか。
今回は、人物撮影・レイアウトテクニックについて解説しましたが、もちろん人物だけでなく、商品などの物撮りにも応用できます。
- 事前にレイアウトを決める
- 像度に気を付ける
- 被写体の大きさをそろえる
この辺りをしっかり押さえていただければ、作る物の精度がどんどん上がっていくこと間違いなしです!写真補正についての詳しい解説は、今後、お話できればと思います。