1. TOP
  2. お役立ち情報
  3. DXリスキリングセンター人気No.1講師インタビュー|人材育成に有効な研修内容やその進め方・指導方法まとめ【後編】

DXリスキリングセンター人気No.1講師インタビュー|人材育成に有効な研修内容やその進め方・指導方法まとめ【後編】

DXリスキリングセンター人気No.1講師インタビュー|人材育成に有効な研修内容やその進め方・指導方法まとめ【後編】

前回の記事では、DXリスキリングセンター人気No.1講師の金子先生の人となりやDXの重要性、ファーストステップについてお話いただきました。後編では、DX推進に有効な研修とその進め方や研修の成功事例などをさらに詳しくお伺いしています。

※DXリスキリングセンターは、年間17,000人が受講するパソコンスクール「Winスクール」が、DX推進のための人材やIT技術を活用できる人材を育成するために開設したサービス・情報発信の拠点です。

DX推進に有効な研修とその進め方

各企業の従業員がDX推進のために新たなスキルを身につける(リスキリング)には、どのような研修が有効なのでしょうか。実際に、金子先生が担当されている研修について伺いました。

Q:金子先生が担当されている研修の詳細を教えてください。

私がメインで担当しているものは大きく分けると2つありまして、1つがクラウド系と呼ばれるもの、もう1つがDXと呼ばれるものです。

クラウド系で代表的なものには、AWSについて学ぶ研修があります。AWSとは、Amazon Web Servicesの略で、ショッピングサイトで有名なAmazonが提供している100以上のクラウドコンピューティングサービスの総称を言います。

ホームページ・ショッピングサイト・アプリなど、Webで提供しているものは必ずインターネット上に住所のようなもの(ドメイン)をつくって土地(サーバー)を買い(または借りて)、そこにデータを入れる作業が伴います。これらの作業は本来、それぞれ別の場所で契約が必要なのですが、AWSではアマゾンの中で完結するような仕組みになっています。

こうしたクラウドサービスは今とても普及しているので、非常に人気のある研修です。AWSもDXの領域ではあるのですが、ここでは分けて解説します。

DX系の研修で多いのは業務を自動化するツールを学ぶ研修です。主にPower Automate DesktopやPower BI Desktopを扱います。前編でもお話ししたExcel/VBAも自動化ツールですが、それらと違うのはコードを書かないという部分です。Excelではデータを可視化するときにグラフを使い、その後さらにピポットテーブルやピポットグラフを使ってデータの分析していました。これをより進化させたものがPower BI Desktopなのですが、データの可視化をExcelよりも簡単にできるのが特徴です。

たとえば売上データを作成後、実際にはデータのどこを見てどう改善していけば良いか、何が原因で売上が上がっている(または落ち込んでいる)のかなど、データ分析のプロセスや方法をお伝えしています。Power BI Desktopの研修は基本的にPower Automate Desktopやデータ分析とセットです。

Power Automate Desktopでは、たとえばグラフの作成を自動化できるのですが、毎週決まった日時に売上データを自動的に作成する方法などをお伝えしています。こうした機能を使いこなせるようになれば、ショッピングサイトなどで人間の業務が止まっている時間帯でも必要なデータを取得したり、新たに人員を確保しなくてもデータ分析をしたりできますよね。つまり、人手不足の会社こそ自動化により生産性を高め、人間にしかできないことに集中して新たな成長分野を開拓することに注力すべきだと思います。

また研修の教材は私が作っているのですが、次も受講したくなるようなカリキュラムを意識しています。受講にあたっては、Power Automate DesktopやPower BI Desktopはお客様側にご用意いただきますが、無料で使用できるので、誰でも簡単に始められると思っています。

Q: DX系の研修は主にどのような企業におすすめですか?

DXの推進は全ての企業に当てはまるので、本当に全ての企業におすすめです。とりわけ各業界の大手企業はすでにDXに取り組んでいるというか、DXを進めないと市場のシェアを伸ばせないくらい変化が激しい環境と言えます。

たとえばアパレル関係でいうと、ユニクロで有名なファーストリテイリング。ユニクロはレジを無人化していますが、それはコロナ禍によってそうなったわけではありません。

月末などに手動で行っていた在庫管理や棚卸作業にかなりの時間を要するために、RFIDと呼ばれる電波でタグのID情報を非接触で読み取るシステムを導入しました。RFIDは交通系ICカード(例:Suicaなど)のようなシステムなのですが、商品を仕入れたときやレジを通したときに、自動的に在庫管理ができます。たとえば、在庫が100件あったら100と登録されて、1つ売れたら自動的に99になるというように。

商店街の小さな洋服屋さんなら、商品数からさほど大掛かりな作業にはならないかもしれません。しかし、ユニクロほどの規模になると、データを収集するだけでも手作業では膨大な時間がかかります。実際、試着一つとってもお客様が元にあった場所とは違う場所に商品を置いたら、それを探すだけでもひと苦労です。RFIDは位置情報も感知できるので、万引き防止にもつながります。

こうしたDXの導入は、コロナ禍というタイミングもあって飛躍的に売上に貢献したと言われています。

なので、自社でDXを導入するときは同じ業種の大手企業が、どんな取り組みをしているかを知ることから始めると良いと思います。ユニクロの例でいえば、RFIDを使うには〇〇のプログラミングが必要とか、何を導入すれば良いか(どのような研修を受講すれば良いか)がわかりますよね。

そうやって自社の業務改善に役立つのが、私が研修でお伝えしているDX推進のためのさまざまなツールです。

Q:ただそれでもデジタルに苦手意識を持つ方がいらっしゃると思います。そういう方のために、先生はどのような姿勢で教えていらっしゃいますか?

とにかく敷居を下げるために無料のセミナー開催をしていますので、まずは無料で体験をしていただいて、そこで各ツールに慣れたら全てを連携した有料コースでより実践的なスキル習得を目指してもらえたらと思います。

また研修では、受講者が難しく感じないようにすることを一番に考えています。なるべく専門用語は使わないというか、DX関連の用語は別の言葉に置き換えたり、有名企業の事例で解説したりして、わかりやすさを重視して授業に臨んでいます。

成功事例から見る人材育成に有効な研修とは?

DX推進に有効な研修の魅力は十分に伝わったと思いますが、企業の人事担当として気になるのは、やはり研修の成果ですよね。ここでは研修の実績や難易度についてお伝えします。

Q: DXリスキリングセンターは開設したばかりなので、その実績は今後明らかになると思いますが、金子先生がこれまでに担当された研修の成功事例を教えてください。

これまで数々の研修をこなしてきましたが、AWSは今、IT業界においてナンバーワンと言っていいほど高い需要があります。そのため、新入社員研修でAWSを教える依頼も多いのですが、最近で言えばそのAWSの研修は目に見えて大きな成果がありました。

元々ITが未経験の方を対象とする新入社員研修で、AWSの資格取得を目指すという内容でした。企業側の目標は受講者の7割合格とのことでしたが、おかげさまで9割の合格者を生み出せました。複数回の受験も合わせれば、その後、全ての受講者が合格されています。200人近い方が参加されたので、自信を持ってアピールできる実績だと思っています。

AWSは1つのワードとして広まっていますが、さまざまなツールがあります。ホームページを作るには、Webサーバーやデータベース・プログラミングの知識など、すべてが必要です。AWSの研修ではそれらを全て解説するのですが、受講者が「点」ではなく「線」でつながるように落とし込める研修を意識して実施しました。

Q: AWSの研修は新入社員向けで、しかも未経験の方の受講だったにもかかわらず、大きな成果を挙げられました。当研修を含めて各研修の難易度はどの程度なのでしょうか?

DX関連の研修は比較的新しいサービスについて学ぶものが多いのですが、Power Automate DesktopやPower BI Desktopなどはプログラミングが不要のノーコードサービスなので、難易度は低い方だと思います。

AWSもノーコードで利用できるサービスがありますが、Webサーバーを構築する部分まで実践するとなると、最低限の知識ですらその基準は高いと言えます。またサーバーを作った後にデータが流出しないようにセキュリティ対策も必要なので、そういったことを一から学んでいくという意味では難易度が高いと思います。

実績が誇る顧客満足度

高評価をつける男性

AWS研修の実績からもわかるように、金子先生はDXリスキリングセンター人気No.1講師として注目を集めていますが、受講者の満足度はどのくらいなのでしょうか。実際にセミナーを受講した方のアンケート結果とともにご紹介します。

金子先生:私自身、DX関連のセミナーを一番多く実施していることや各セミナーの参加人数も一番多かったという数値的な部分でNo.1と名乗らせていただいておりますが、参加された方の満足度が一番高かったこともあり、各企業の期待に応えるだけのスキルは有している自負があります。

ただ会社として名乗らせていただいているので、No.1講師というよりは会社を代表してDXを推進している講師と捉えていただければと思います。

金子先生のセミナーを受講した方の声の一部をご紹介

これまで苦労して複雑なグラフを仕上げて報告書を作ってきました。Power BI Desktopのグラフが複雑なものに対応できるようになれば良いと思います。引き続き、Power BI Desktopの進化に期待しつつ、注視していきたいと思います。また参加したいと思います。ありがとうございました。
(Power BI Desktopセミナーの受講者アンケートから抜粋)

大変わかりやすい講義でした。ありがとうございました。今までに参加した無料セミナーのなかでも満足度トップクラスの内容でした。質問にもわかりやすく答えていただきありがとうございました。日々の業務でデータ分析(こねくり回す?)することが目的になってしまっていたのかもしれないと、気が付きました。もう一度よく考えながら、部署の先輩方にも分析データ見てもらい、意見をいただくようにします。ありがとうございました。
(データ分析セミナーの受講者アンケートから抜粋)

企業が抱えるコスト面の課題は?

Q:ここまでの実績を見れば、研修の受講を希望する企業は多いのではないでしょうか。ただそうは言っても、外部機関への研修委託となればやはりコスト面の課題が発生します。そのあたりの考え方・解決策はあるのでしょうか。

先ほどお伝えしたAWSの研修で言えば、

  • 実務で活用できるようになりたい
  • 資格に合格したい

というように、きちんと目的を把握して、DXという手段が目的にならないように気をつけています。

もちろん、そこまで充実したサポートを行うので、企業によっては予算が厳しい場合もあるでしょう。そのため、今後は少しでも費用面の折り合いをつける場面に関わらせてもらって、研修内容やその難易度から適切な相場をはじき出せるようになれれば良いなと思っています。

ただDX関連のシステムやリスキリングは初期費用が高いものの、ランニングコストは安価なものが多いので、そのあたりは企業様の理解を得られるのではないかと考えています。

またリスキリングについては国が助成金を出しており、私たちWinスクールでは、ほぼ全ての講座が助成金の対象です。なので、各企業の状況に合わせた理想の研修を提供できるのも強調できます。

おわりに

最後に、企業の人事担当者、とりわけ人材育成に関わる方に向けて金子先生より一言メッセージいただきました。

私が一番伝えたいのは、DXはとても便利なものということです。今だけでなく、今後も必ず伸びていくまさに成長分野なので、基本的にすべての業種がDXによって業務を改善できます。

なので、繰り返しになりますが、まずは無料で使えるツールでDXにどんどん触れてみてください。私が担当している研修にも無料で体験が可能なものがあります。DXの取り掛かりという意味では、自信を持ってスキルアップに貢献できますので、ぜひご参加いただけると嬉しいです。

DXリスキリングセンター

最新の「DX」や「リスキリング」に関する情報や役立つコンテンツを、オンラインを通じて発信。デジタルスキルを通じて個人の自発的なDX推進力を向上させ、企業の価値を高めるための人材育成やリスキリングコンテンツを提供しています。

関連記事