賃上げの機運が高まる昨今、会社が持続的に成長していくには、従業員のスキルアップが欠かせません。しかし、人事担当者や経営陣の中には、「研修など、人材の育成には時間もお金もかかるから、うちの会社ではちょっと・・・」と思っている方が多いのではないでしょうか。
そんな会社にぴったりなのが、人材開発支援助成金です!
この記事では、「従業員への教育を充実させたいけれど、コストは抑えたい(または予算が足りない)」という会社に向けて、国がオススメする制度「人材開発支援助成金」についてわかりやすく解説します。
目次
人材開発支援助成金とは
人材開発支援助成金とは、従業員に仕事で必要なスキルや知識を身につけてもらうための費用の一部に対して、国がお金を出してくれるという制度です。
人材開発支援助成金には以下の7つのコースがあります。
- 人材育成支援コース
- 事業展開等リスキリング支援コース
- 人への投資促進コース
- 教育訓練休暇等付与コース
- 建設労働者認定訓練コース
- 建設労働者技能実習コース
- 障害者職業能力開発コース
この記事では主に、多くの企業が抱える人材不足やイノベーションといった課題解決につながる3つのコース(人材育成支援コース・事業展開等リスキリング支援コース・人への投資促進コース)についてお伝えします。
3つのコースをかんたん解説
1.人材育成支援コース
人材育成支援コースは、
- 従業員に仕事で使える新しいスキルや知識を教えるための研修
- アルバイトやパートから正社員になるための研修
- 実際に仕事をしながら学ぶOJT(職場内訓練)
などにかかるお金や研修期間の給料の一部を国が支援してくれます。
人材育成支援コースのパンフレット(2024年4月改正版)
2.事業展開等リスキリング支援コース
事業展開等リスキリング支援コースは、会社が新しいビジネスを始めるとき、その新しい成長分野で必要なスキルや知識を従業員にマスターしてもらう研修を行う場合、その研修費用や研修中の給料の一部を国が支援してくれます。
新しいビジネスや新しい分野とは、主にDX(デジタルトランスフォーメーション)やグリーン・カーボンニュートラル化が推奨されています。たとえば、サイバーセキュリティのための人員増加、レジや在庫管理の自動化、土木や建築工事にドローンによる測量の導入などが当てはまります。
事業展開等リスキリング支援コースのパンフレット(2024年4月改正版)
3.人への投資促進コース
人への投資促進コースは、
- 従業員が自ら学びたいと思って始める研修
- ITスキルなど、専門性の高い能力を持つ人材を育てる研修
- NetflixやU-NEXTのような月額制で、いろいろな研修が受けられるような「サブスク」方式の研修
などの費用や研修中の給料の一部、さらにはDX推進スキル標準(DSS-P)基づいて認定されている試験や資格の受験料を国が支援してくれます。
人への投資促進コースのパンフレット(2024年4月改正版)
※また2024年4月の制度改正により、各コース共に国が認定した検定の受検料も助成対象になりました。
誰でも助成金を申請できる?
人材開発支援助成金は、雇用保険の適用や研修計画の作成など、国が定める受給条件をクリアしていれば人材育成に取り組む全ての会社が申請できます。そのため、人事担当者や経営者の方は要チェックです。
詳しくは、助成金をもらうためにどの会社にも共通する要件(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001236336.pdf)と、各コースのパンフレット内、支給対象事業主等の欄をご確認ください。
助成金はいくらもらえるの?
研修や研修期間における給料の一部など、人材育成コストを国が支援してくれるというけれど、実際のところ助成金はいくらもらえるのか?気になりますよね。
研修やトレーニングの内容によって異なりますが、条件次第では教育費用の大部分を助成金でまかなうことが可能です。
助成の対象となる経費
従業員に対しての研修・トレーニングにはさまざまな経費がかかりますが、各パンフレットの受給条件からもわかるように、助成の対象となる経費とならない経費があります。
たとえば、この記事をお読みいただいている方の会社が、従業員にWinスクールのプログラミングやデザイン講座を受講させるとします。その場合、受講料や教材費のほか、講師の派遣を依頼するときの旅費交通費や研修で使用するセミナールームの借料なども経費として認められます。
一方、外部講師を呼んだときの食費や繰り返し使える社内用のパソコン・学習動画など、対象範囲を超えるものは助成対象から外れます。
ただ、研修やトレーニングの内容によって助成対象の範囲が異なるので、各コースのパンフレット内に記載されている対象となる経費等・対象とならない訓練、経費等の欄をよく確認しましょう。
助成金活用による研修の効果
人材開発支援助成金によって従業員に対する教育コストがどのくらい削減できるかはわかったけれど、会社として教育効果は実感できるのでしょうか。
会社の課題や目標に見合う研修を選んで助成金を活用すれば、従業員のスキルアップはもちろん、組織全体のモチベーション向上が期待できます。
厚生労働省の過去の資料(https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001174260.pdf)でも以下のような声が掲載されています。
助成金を活用した会社の声:
- この助成金のおかげで毎年新卒を採用し、教育することができています。
- 社員教育にお金をかけることはとても難しい現状であるため、積極的に活用させていただいています。
会社が行うトレーニングを受講した従業員の声:
- 実務に活かせるような知識・技術を身につけることが出来たため、業務の幅が広がりました。 また今後のキャリアアップにもつなげられると感じています。
- 訓練のおかげで技術者としての一歩目を踏み出すことができました。
助成金の採択率
人材開発支援助成金は、基本的に受給条件を満たせば給付されますので、採択率は100%と言っても良いでしょう(書類不備や要件を満たしていない、不正受給を除く)。
そもそも助成金は補助金と異なります。補助金は採択件数や金額があらかじめ決まっている場合が多く、倍率も低くないので受給できるかどうかは審査次第です。
そういう意味でも、従業員の教育に助成金を申請しない手はありません。資金繰りに不安のある企業はなら尚更です。
助成金を受給するまでのスケジュール
それでは実際に、人材開発支援助成金を受給するまでのスケジュールを見てみましょう。ここではWinスクールに研修を依頼いただいた場合を例にご紹介します。
助成金を受給するためには、各ステップで申請期限があります。そのため、利用申請から研修の実施、受給申請という一連の流れをきちんと確認し、計画的に進めることが重要です。会社の担当者は積極的に情報を集め、準備に万全を尽くしましょう。
おわりに
人材開発支援助成金は、従業員はキャリアアップによる給料UPやモチベーションの向上、そして企業は利益拡大やイノベーションにつながるので、Win-Winの制度と言えます。
Winスクールではさまざまな研修をご用意しており、企業の現状や課題に合わせた研修のカスタマイズが可能です。そしてもちろん、各研修には今回ご紹介した助成金を利用できます。
助成金の申請マニュアルも準備しておりますので、ぜひ一緒に従業員の可能性を広げてDXをはじめとする会社の成長につなげていきましょう!
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最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事の情報元:厚生労働省ホームページ「人材開発支援助成金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html