さまざまな企業で「働き方改革」の推進が叫ばれる中、日常的に行うルーチンワークを自動化できるツールとして「RPA」が注目されています。
Winスクールでも、RPAツールの使い方を学びたいという方が多数来校されますが、話を聞いてみると「そもそもRPAという言葉は聞くが、何ができるのかよく分からない」や「作業の自動化といえばExcelのマクロやVBAとは何が違うの?」といった声をよく聞きます。
なんとなく「RPA」というキーワードだけが注目されている状態だけのようなので、ここでは以下の点を中心に、具体的な事例を交えながらRPAでできることと合わせてWinスクールのRPA講座で何ができるのかをご紹介したいと思います。
● そもそもRPAとは何なのか、導入によるメリットは?
● どんなRPAソフトがあるのか
● ExcelのマクロやVBAとどこが違うのか
● RPAの活用例(動画で紹介)
最後にWinスクールで導入している「BizRobo!」を使った活用例を動画でご用意していますので、ぜひご一読ください!
そもそもRPAとは何なのか、導入によるメリットは?
RPAとはRobotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略称です。
日本語に直訳すると「ロボットが処理を自動で行ってくれる」ソフトウェアのことを表します。
次のような作業を人間に代わって自動的に行ってくれます。
● データの抽出と転記・入力
● 帳票の入力や伝票の作成
● 顧客データや商品データなどの管理
● メールの定期的な配信 etc…
特に日常、繰り返し行っているような定型業務を自動化させることに向いていますので、作業工数を大幅にカットすることで他の業務に専念できる時間を捻出できたり、残業時間をカットするなどして人件費の削減や作業効率、生産性の向上といったメリットを得ることができるようになります。
こういったことから「働き方改革」の推進を後押しするツールとして注目されています。
どんなRPAソフトがあるのか
RPAソフトと言っても実はいろいろなメーカーが提供しており、それぞれに特徴があります。
たくさんあって何にすればいいのか分からないという声も多くありますので、ここでは簡単に機能の違いと代表的なソフトをいくつかご紹介します。
サーバー型とデスクトップ型
RPAツールを機能面で大きく分けると「サーバー型」と「デスクトップ型」に分かれます。
それぞれの違いは以下の通りです。
■サーバー型
サーバーにインストールされたRPAソフトを使用するタイプです。
1つのRPAソフトに対して複数台のパソコンからアクセスして利用できる点が特徴です。
一方で導入費用が高いケースが多いため、大規模な企業で利用されることが多いようです。
■デスクトップ型
パソコン1台ごとにRPAソフトをインストールして利用するタイプです。
特定の担当者や業務を自動化する場合に適していますが、大規模かつ組織横断的な業務の自動化には不向きです。
サーバー型に比べると導入費用が低いケースが多いため、小規模な企業や自動化したい業務が特定している場合に利用されることが多いようです。
代表的なRPAソフトについて
今回は比較的汎用性の高い、代表的なRPAソフトをいくつかご紹介します。
ここに挙げたもの以外にも、特定業務に特化したものなどさまざまな種類がありますので、興味のある方は調べてみるといいかもしれません。
■BizRobo!(サーバー型/デスクトップ型)
国内シェアトップの実績を誇っています。パソコンが1台あれば導入可能であり、小規模の作業の自動化であればデスクトップ型、非常に大規模の作業の自動化であればサーバー型を選択することが可能です。
またbizrobo!ユーザー同士が交流できるコミュニティがあり、ユーザーの作業に合わせたツールが用意されている、また学習教材が多いなど汎用性が非常に高いRPAツールです。
■WinActor(デスクトップ型)
NTTグループが開発を行った日本産のRPAツールです。そのため日本語の説明やサポートが非常に手厚いRPAツールとなっています。またエラーなどが起きた場合もすべて日本語でメッセージが表示されるため原因特定が行いやすいという特徴もあります。基本的には小規模の作業に向いているRPAツールです。
■UiPath(サーバー型/デスクトップ型)
アメリカのニューヨークに本社を置くUiPath社からリリースされているRPAソフトです。
また世界中で使われているためインターネット上に非常に多くの情報が記載されているのが特徴です。
2018年には日本語完全対応されました。今後日本でも広まる可能性が非常に高いRPAツールです
ちなみに、Winスクールは全国に教室を展開していることもあり、すべての教室でRPAソフトによる実習ができる点なども考慮して、現在は「BizRobo!」を導入しています。
(今後、ご要望が多ければ他のRPAソフトを導入するかも?)
ExcelのマクロやVBAとどこが違うのか?
RPAに興味を持たれている方の中にはすでに、勤務先でExcelのマクロやVBAを用いて作業を自動化されている方もおられると思います。
「ExcelのマクロとRPAはどう違うの?」という意見も多く伺いますので、その違いを簡単に解説します。
■Excelのマクロ・VBA
● Office製品(ExcelやWord、Accessなど)との連携を前提にした作業が自動化できる。
● Office製品以外のソフトウェアとの連携もできなくはないが、難易度が非常に高い。
● プログラミング言語である「VBA」を用いて作業を細かくカスタマイズできるが、プログラミングの知識が必要。
■RPAソフト
● ソフトウェアを限定せずに、Excelと社内システムとの連携といったさまざまなパソコン業務を自動化できる。
● RPAソフトのインターフェイスを使って作業を自動化できるため、プログラミング不要。
● RPAソフトの機能に限定した自動化のため、細かいカスタマイズができない場合がある。
いかがでしょうか?
どちらが良い悪いというものはありません。ExcelマクロにもRPAもどちらもメリットデメリットがあります。
そのため自動化する作業はどのようなアプリケーションを用いるか?が判断基準となります。
RPAの活用例
上でも述べたように、RPAは特定のソフトウェアに限定せず、パソコン上で行われるさまざまな業務を自動化できる点が特徴です。
ここでは複数のソフトウェアを連携したRPAの具体的な活用例について、動画による実際の動作説明も交えて解説します。
想定する業務と自動化作業の流れ
Webブラウザで閲覧できるデータの中から特定のデータを抽出し、Excelに転記する業務を自動化したいと思います。
よくある例として、「株価の動きを日々チェックしてExcelに転記する」や「社内のWebシステムにある情報を定期的に集計して出力する」といったものが挙げられます。
では実際の流れを簡単に解説します。
1. まずは対象のWEBシステムを確認します。このWEBシステムの文言から「タイトル」「日時」「内容」をExcelに転記します。
2. 作業手順を記録する「ロボット」を作成します。
3. ExcelにWEBシステムから文言を抽出したものを転記する「LectureExcelタイプ」を作成します。次に「list」変数を作成します。
4. WEBシステムから文言を抽出する「Lectureタイプ」を作成します。次に「title」「date」「contents」変数を作成します。
5. 記入するExcelシステムに項目を記入します。データは項目の次の行から後ほど転記されます。
6. WEBシステムから抽出したい文言をマウスで選択します。その部分に先ほど作成した「Lectureタイプ」の変数の「title」「date」「contents」を設定します。第1回のみ設定していますが同じ作業内容であれば第2回、第3回のデータはBizrobo!が自動で抽出します。
7. 実際にロボットを動作させます。
8. Excelデータを確認し転記が正常にできているかチェックします。今回は無事に転記できました。
9. 今度は実際にExcelで確認します。こちらもデータは問題なく転記されています。Excelのフォーマットを整え「名前を付けて保存」を行い適切なファイル名とします。今回は「RPAdata.xlsx」にしました。
10. デスクトップに保存した「RPAdata.xlsx」を実行し中身を確認します。以上で終了です。
実際にWinスクールのRPA講座では、上記のような作業を実習で習得できます。
カリキュラムで扱う「BizRobo!」を使った操作を動画でも解説していますので、ぜひご覧ください!
いかがでしたでしょうか?
授業では作業の流れをつかんでもらうことを優先するため、収集するデータ量は抑えていますが、実際には収集するデータ量が多い場合や、仮にデータが少なくても毎日何度も収集するような場合はこういった単純業務は非常に手間になりますし、人力による繰り返し作業は多かれ少なかれミスが発生しますのでRPAによる自動化がお勧めです。