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元雑誌編集者に聞く!
未経験から
DTP・エディトリアルデザイナーを
目指す方へのメッセージ

元雑誌編集者に聞く!未経験からDTP・エディトリアルデザイナーを目指す方へのメッセージ

今はデザイン業界の仕事は、Webデザインが主流ですが、チラシやポスターといった紙媒体のデザインである「DTPデザイン」や、雑誌書籍を制作する「エディトリアルデザイン」といった業務に対する需要も一定数継続してあります。

また、「紙」を媒体としたデザインの歴史は古く、モニターを介したデジタルデザインとは違い、後日の修正や変更ができないものも多く、一度出力してしまったものを変更するためには、すべてを回収してやり直すか、一枚ずつに修正テープを貼るなど、多くの時間とコストがかかるため、より丁寧にデータを作成する必要がありました。また紙は決められた大きさがあるため、その中にどれだけ情報を入れることができるか、表現できるかというものも、紙ならではの難しさです。

今回はデザイン、特にDTP・エディトリアルデザインを目指す方に、現場の雰囲気や求められる知識・スキル、技術習得のための学習のポイントなどを元雑誌編集者として活躍していたWinスクールの講師に伺ってみました。

1.DTP・エディトリアルデザイン業界の仕事とは?

私が当時勤めていた会社は、車販売をしている社長やトップ営業マンに取材し写真を撮影したものを、毎週A3の誌面8ページ程度のものにまとめて発行していました。また記事がたまると、それらを編集してまとめて、増刊号を出すなどを行っていました。紙面のDTP作業と、紙面の一部の広告枠のデザインを行っていました。
作業は、取材も行いながら聞き取りしたものをメモし、一眼レフで写真を撮って、会社に戻ってからメモをテキストにおこしパソコンで作業を行っていました。

仕事をしていて難しかったのは、当時はフィルムによる撮影だったことです。
フィルム写真は現像してみないと結果が分からなかったので、思っていたような写真が撮れないことが多く、デジタル中心の今の作業に比べるとPhotoshopで修正する必要が多かったのが印象に残っています。おかげでPhotoshopに関しては、この仕事でかなりのスキルを習得できたので、受講生への指導するときにも経験に基づいて指導するときに非常に役立っています。
また取材の記事は、指定された文字数に合わせる必要があるのですが、文章を削ったり増やしたりすることが難しく、自分でうまく作れないものは記者としても活動していた社長に相談しながら作成していました。

2.未経験でも仕事ができる?新人に任せられる仕事って?

私自身、入社したての頃はほぼ未経験でしたが、新人のときに最初に任されたのは、写真のトリミングと補正です。誌面の編集は先輩社員が主に行っており、いきなり誌面データを触らせてもらうことはなかったのですが、その誌面で使用する写真をきれいにする補正する作業を何百枚とさせられたことを覚えています。
ひたすらPhotoshopで選択範囲をフリーハンドで作成することが多かったため、マウスのフリーハンド操作がだいぶうまくなりました。誰もが最初は未経験です。だから何もできないのではなく、企業は初めての方でもこなせる仕事を用意していますので、その点は心配する必要はありませんが、最低限必要な知識や技術というのはあります。

3.DTP・エディトリアルデザイナーになるために最低限必要なスキルって?

Photoshop・Illustratorのスキルは必要ですが、それほど高いレベルは必要ではありません。基本操作ができていれば問題はないと思います。
ただできれば作業スピードは早い方が喜ばれると思いますので、ショートカットやフリーハンド操作、ペンツール操作は慣れているほうがいいですね。
InDesignというページ編集ができるソフトも使えた方が、入社して早い段階で担当できる仕事の幅が広がると思います。

4.デザインセンスはどの程度必要でしょうか?

デザインセンスは、独創的、オリジナリティが高いものはそれほど必要ではありません。過去に作成された広告やレイアウトのマネをすることができればいいですね。どちらかというと、無難なデザインやある程度一般的なルールに則したデザインセンスがあれば十分この仕事はできると思います。

5.デザイン業界ではどんな人が求められますか?

自分ひとりだけで黙々とこなす先輩もいましたが、入社したての新人は、わからないところは先輩に聞くというコミュニケーションスキルが必要です。
データの場所や、ファイル名、納品の際の注意点など暗黙のルールが多かったので、新人の時にはたくさん先輩に質問をしました。たくさん聞きすぎると先輩に怒られたりもしましたが、人に聞く方が記憶に残りやすいこともあり、職場内のコミュニケーションによって得られる知識や技術は非常に多かったと思います。

6.さいごに、これから学習をはじめられる方に一言。

各ソフトを完全に覚えるという姿勢も大事ですが、特に「作業」を任される新人の間は手の速さを求められることが多いので、スピードが早いことをアピールできるようになってほしいです。
ベテランの経験者や実際に業務を行っている人に作業の動きを見てもらえれば、どこを変えれば効率的にスピードアップできるかがわかります。
身の回りにそういった貴重な知人や友人がいればいいのですが、なかなか難しいと思います。
Winスクールの講師は、私のような現場経験者もいますが、そうでない講師でもさまざまな業界・業務を志す非常に多くの受講生を指導し続けていますので、ある意味で現場経験者よりも幅広い知識と技術を持っています。
よろしければ受講を前向きに検討していただき、気軽にわれわれ講師に相談していただけたらと思っています。

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