会議の資料にメールのやりとり、取引先や上司への連絡・報告書など、毎日やらなければならないことが山積み状態。せっかく職場の中堅的な存在として重要な仕事を任されるようになったのに、いつも時間に追われている…という方は多いのではないでしょうか。
この記事では、仕事に対する意識の高い中堅社員が普段の業務をほんの少し工夫するだけで、作業効率が劇的に改善する方法を「業務のプロセス別」にご紹介します。
目次
仕事のデキる社員が実践していること
作業効率を良くすることはどんな仕事でも必要ですが、仕事がデキる人は作業を行うにあたって、主に3つの準備しています。
仕事の全体像を把握する
仕事がデキる人は常に自分が行う業務の全体像を把握しています。たとえば、スケジュールや目的、関わるメンバーなど、リーダーでなくてもリーダーの視点を持つような感覚です。
もちろん、目の前の作業を確実にこなすことは重要です。しかし、仕事の全体像が見えていないと納期の遅れや時間の浪費につながる恐れがあります。
木を見て森を見ないようでは、時間に追われる状況から抜け出せず、作業効率が悪化するだけです。自分がこれから行う業務がどんな位置付けなのかを常に意識して作業にあたりましょう。
不明点を放置しない
仕事がデキる人はわからないことを放置しません。疑問に思ったことはその場で聞いたり、調べたりして不明点をクリアにします。
たとえば、業務の引継ぎで不安や疑問を解消しないまま先送りすると、必ずと言っていいほど、どこかで支障が出るものです。実際、引き継いだ作業を行っている最中に質問を繰り返して作業を中断していたら、時間はどんどん過ぎていきます。
わからないことはその場でハッキリさせる習慣を心がけましょう。
こだわりすぎない
仕事がデキる人は良い意味で遊びがあります。遊びとは車のハンドルのように柔軟性があるという意味です。
この反対が完璧主義なのですが、完璧主義の人は仕事ができそうに見えて、周りに迷惑を掛けがちです。たとえば、完成度を高めようとして何度もやり直し、期限に間に合わないなど。
仕事に対して100点を目指すことは大切ですが、100点でないといけないという考えは逆に生産性の低下を招くので気をつけましょう。
このように、どんな仕事でも、まずは作業にあたって心の準備をすることが仕事を思い通りに進めるコツです。
業務プロセスの改善1「PCの操作や設定を工夫する」
ここからは、業務のプロセス別に作業効率を改善する方法をご紹介します。最初は「PCの操作や設定」に関するちょっとした工夫です。
ショートカットキーを使いこなす
PCの操作を円滑にするのがキーボードのショートカットです。よく使うソフトウェアやアプリケーションのショートカットキーを覚えると、マウスを使わずに操作できるので、作業時間を短縮できます。
Word改善の豆知識:「置換」
Wordで書いた文章を修正するときに役立つショートカットキーの一つが「置換」です。とりわけ何ページもある文章で同じ単語やフレーズを修正する場合、一字一句読みながら対応していたら、かなりの時間がかかります。
お読みいただいている本記事で言うと、たとえば先ほどから何度かお伝えしている「仕事がデキる」というフレーズを「優秀な」に変えたいとします。
そんなときは、Windowsでは「Ctrl+H」、Macでは「command+H」により、修正したい文字を一括で変更する「置換」の機能が便利です。
Excel改善の豆知識
Excelでよく使うショートカットキーの一つがコピー&ペーストです。
コピーは範囲を選択したら、Windowsが「Ctrl+C」、Macでは「command+C」。ペーストは貼り付け位置を選択し、Windowsが「Ctrl+V」、Macでは「command+V」です。
たとえば、セルやセルの内容を複製したり、別の場所に貼り付けたりしたい場合、マウスよりも素早く操作できます。繰り返し使用することで、ふだん使用しているキーボードであれば直接目で確認せずとも左手の感覚だけでショートカットキーを使用できるようになるでしょう。
個人レッスンでExcelの基礎から応用まで学べるおすすめコース
Excelの基本操作から実際の業務で役立つテクニックを個人レッスンで学習します。普段の業務で役立つ多彩な機能をマスターして、業務の効率化や成果を上げることができるようになります。
デスクトップを整理する
デスクトップの整理整頓は、作業を行うときに必要なツールやデータがどこにあるかをわかりやすくするのに役立ちます。不要なファイルやアプリケーションを削除し、デスクトップ上のアイコンを整理(たとえば、使用頻度やプロジェクト別に並べるなど)することで、必要なツールやデータに素早くアクセスできるようになります。
ストレージを改善する
ストレージの容量が一杯になってしまうと、PCの動作が遅くなったり、データの保管ができなかったりと作業に支障が出ます。たとえば、GoogleドライブやDropboxなどのクラウドストレージを使うと、データの共有やバックアップが簡単になるのでオススメです。
こうして考えると、デジタルデバイスを扱う仕事でストレージの改善は必須かもしれません。ただし、職場や業務の規約によっては個人のストレージへのデータ保存は禁止されていることが多いため、事前に確認するようにしましょう。
PCの操作や設定において工夫できることはまだまだたくさんありますが、今回お伝えしたものだけでも作業効率は大幅に改善するでしょう。
業務プロセスの改善2「作業時間やスピードを早める」
作業効率を改善する方法は機器の設定だけではありません。作業に取り組む順番や便利ツールの活用により、作業時間の短縮が可能です。
優先順位を決める
仕事に臨むにあたって、優先順位を決めることは非常に重要です。実際、仕事は方法や手順によって作業時間やパフォーマンスが変わります。
先ほども触れましたが、仕事のデキる人は業務の全体像を把握しています。つまり、スケジュールや目的、重要性などに合わせて、どの作業を優先的にこなすかを決めているのです。
優先順位の決め方はこちらの記事で詳しく解説しています。
デキる社員はここが違う!効果的なタイムマネジメント術で業務効率化
作業スピードの改善やムダをなくして生産性を高めるタイムマネジメントについて、ビジネスの現場でつかえる事例を交えてご紹介します。
テンプレートを活用する
同じような作業を繰り返し行う場合、毎回フォーマットを考えて作っていたら、かなりの時間を要します。そのため、定期的な会議やプレゼンの資料、企画書や記録表などを作成するときは、テンプレートを活用することで時間を節約できます。つまり、作業頻度の高いものはテンプレートを作成しておくのが理想です。
自動化ツールを利用する
作業スピードを上げるには自動化ツールの利用も非常に有効です。たとえば、作業の確認や開始を知らせるリマインドメールを決まった時間に送信したり、特定のフォルダに保存したファイルを自動的にクラウドのアプリケーションに転送したりすることで、作業がスムーズになります。
Microsoftの「Power Automate Desktop」は、複雑なプログラミングも必要なく、無料で使えるので積極的に活用したいツールです。
無料RPAツールMicrosoft Power Automate Desktopを使ってみよう①~メール送信を自動化してみた~
Power Automate Desktop は、Windows10ユーザーであれば誰でも使えるRPAツールです。本記事ではPower Automate Desktopでできることから、実際の操作方法についてご紹介しています。
マルチタスクよりも大切なこと
作業効率の改善でよくマルチタスクという言葉を聞くことがあります。マルチタスクとは短時間に複数の作業をこなすことで、たくさんの作業を一気に進められるのが特徴です。
一方で、マルチタスクはどの作業も中途半端になって片付かないリスクがあります。そのため、マルチタスクよりもシングルタスク(一つの時間枠あたり一つの作業)を意識し、各作業のスピードを早める方が時間短縮につながるかもしれません。
業務プロセスの改善3「思考や習慣を変える」
人それぞれの性格にもよりますが、思考や習慣を変えることで作業効率が改善するのも事実です。
目標を設定する
目標の設定はモチベーションの維持につながります。人は目標があることで一歩ずつでも着実に前進することが可能であり、実際に目標がある人とない人では行動スピードや失敗したときの頑張り度合いが異なります。
これは目的地に向かって移動することと目的のない旅をすることの違いと同じです。仕事は常に目標を意識して行動することで計画通りに進みやすくなります。
メール管理を最適化
メールの管理一つをとっても、行動習慣は時間の経過とともに大きな成果を生みます。
たとえば、スパムメールを放置するとメールを探すのに時間がかかったり、返信必須の重要なメールを見逃したりする恐れがあります。そこでメールの受信箱を整理し、スパムメールの削除を習慣化すると、時間の節約とリスク回避が可能です。
自己管理の徹底
自己管理を徹底している人ほど、作業効率が良いと言われています。
自己管理は健康に気を遣うことはもちろん、適度な休憩や音楽による集中力アップ、ムリ・ムダのない効率的なスケジュールの計画など、仕事に対する意識を高めることです。
ただ自己管理の徹底は完璧主義とは異なりますので、混同しないように気をつけましょう。
常にベストを追求する
仕事において常にベストを求めることは作業効率の改善につながります。たとえば、定期的に自己評価を行い、改善点を見つけたり、周りの人からフィードバックを受けたりすることで、自分自身の成長を促します。
また、新しいツールやテクノロジーを積極的に取り入れること、完了した作業でも「もっと良い方法はなかったか」と考えることで、今後の業務がスムーズになるでしょう。
まとめ〜DX時代に求められる生産性
日々の業務において、ほんの少し工夫を加えるだけでも、作業効率は大幅に改善します。
ただ今回ご紹介した方法は個々の社員の意識に頼る部分が大きく、企業全体の業務効率化にはもう一歩踏み込んだ行動が必要です。
社員も企業も成長するリスキリング
企業全体の生産性を高めていくには、社員一人ひとりの成長が必要不可欠です。そのため、新しいスキルの習得や既存スキルのレベルアップとなるリスキリングは、今後ますますその重要性を増していくでしょう。
たとえば、Excelやプログラミングといったデジタルスキルの向上やプロジェクトマネジメントスキルの習得など、DX時代の生産性向上はリスキリングが鍵を握っているといっても過言ではありません。
日頃から意識の高い社員はもちろん、まだ駆け出しの社員やベテラン社員もさらなる業務改善に向けてリスキリングの実践が大切です。
DXリスキリングセンターの開設
2023年4月、年間17,000人が受講するパソコンスクールのWinスクールでは、東京の新宿本校を拠点にDXリスキリングセンターをオープンしました。
当センターは文字通り、DXやリスキリングに関する最新情報やコンテンツを発信し、企業価値を高めるサービスを提供します。5月〜6月には無料のセミナーも開催予定です。
リスキリング需要は現在、急激に増加しておりますが、自社でデジタル人材を育成するのが難しいこともあるでしょう。そんなときは、ぜひ一度DXリスキリングセンターの人材育成サポートをご検討くださいませ。