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社員の離職防止には「業務効率化」がカギ!
定着率を高めるPower Automate Desktop活用事例
3選

社員の離職防止には「業務効率化」がカギ!定着率を高めるPower Automate Desktop活用事例3選

自分の職場は重要な業務が一部の社員に偏っているため、彼(彼女)らが離職すると仕事が回らない…。そんな危機感から、速やかにDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めなくては!そう思っている人も昨今は多いのではないでしょうか。

優秀な人材の流出や新たな採用・教育コスト増、既存社員のモチベーション低下など。従業員の離職が続くと、事業活動に支障が出ることは言うまでもありません。

一方で、社員の定着率が安定することでもたらされるメリットは大きく、業務上のみならず企業イメージの向上にも寄与するでしょう。その一助になるのが「業務効率化」であり、いわゆるRPAと呼ばれるプロセスの自動化を実現する「業務効率化ツール」です。

この記事では「業務効率化を目指すも、自動化ツールの具体的な活用方法がわからない」という方に向けて、RPAツールの代表格である、Microsoft社が提供するPower Automate Desktopの活用事例をご紹介します。

Power Automate Desktopの特徴と活用メリット

Power Automate Desktopの特徴と活用メリット

Power Automate Desktopは、すでに業務効率化の定番ツールとして有名ですが、実際にどのようなものなのでしょうか。まずは基本的な特徴を解説します。

Power Automate Desktopとは?

Power Automate Desktopは、Microsoft社が提供するWindowsベースのデスクトップツールで、さまざまな業務プロセスやタスクを効率化できます。

Power Automate Desktopの主な特徴として挙げられるのが、プログラミングの知識がなくても利用できる点です。ユーザーはインターフェースを使用してワークフローを作成し、アクションや条件を組み合わせることにより、これまで手作業で行っていたことや繰り返し行う作業の自動化が可能になります。

Power Automate Desktopで自動化できることは、マウスクリック・キーボード入力・データのコピーや貼り付け・フォームの入力など、デスクトップ上で行われるさまざまな操作があります。また、ExcelやOutlookをはじめWebブラウザやデータベースなどのアプリケーション・システムとの連携も容易です。

Power Automate Desktopの活用メリット

Power Automate Desktopの活用にはさまざまなメリットがありますが、ここでは主に属人化している作業の効率化や離職率の低下に焦点を当てて考えてみましょう。

  • 作業の標準化
    従来、特定の社員にしか知識やスキルがなかった作業を自動化することで、他の社員も同じ方法で業務を遂行できるようになります。そのため、属人化された作業が解消され、業務効率化と品質向上が期待できます。またそうすることで、新人や若手社員にも重要な業務の機会が生まれ、スキルアップと成長の促進が可能です。
  • 離職率の低下
    Power Automate Desktopによる作業の自動化は、特定の社員に対する過度な負荷を軽減できるので、社員のワークライフバランスが向上します。ワークライフバランスが改善されれば、社員の満足度が向上し、離職率の低下につながるでしょう。

Power Automate Desktopを使ってできること

Power Automate Desktopは、

たとえば、

  • データの入力やデータ抽出の自動化
  • ファイルの整理や移動の自動化
  • メールの自動送信
  • Webサイトのデータ収集

…など、多岐にわたる業務プロセスを自動化することができます。

このように、Power Automate Desktopに多くのメリットがあり、それらは企業内の課題解決や生産性向上に大きく寄与し、より効率的で柔軟な作業環境を構築することが可能です。

Power Automate Desktop活用事例1:Excelの一括操作

Power Automate Desktop活用事例1:Excelの一括操作

Power Automate Desktopは、Excelファイルの操作やデータの読み書きを行うための豊富なアクションと機能を提供しています。ここではExcelの一括操作に関する事例をご紹介します。

一括コピーと名前の変更

企業Aでは、月次報告書を作成するためにExcelファイルを使用しているとします。そして毎月、テンプレートシートから新しい月のシートを作成し、それぞれのシートに対応する月の名前の設定が必要です。

そこでPower Automate Desktopを使用すると、以下の手順で自動化できます。

  1. Power Automate Desktopを起動し、新しいフローを作成します。
  2. Excelアクションを追加し、対象のExcelファイルを指定します。
  3. 「シートを一括コピー」のアクションを追加し、テンプレートシートをコピーします。コピー先のシート名は一時的な名前で構いません。
  4. ループアクションを追加し、月のリストを取得します(例:”1月”, “2月”, …, “12月”)。
  5. ループ内で、「シートを一括コピー」のアクションを実行し、テンプレートシートをコピーします。
  6. コピーされたシートの名前を変更するためのアクションを追加し、現在のシート名を一時的な名前から月の名前に変更します。
  7. 必要に応じて、他のアクションを追加して処理をカスタマイズします(例: データのクリア、書式の設定など)。
  8. フローを保存し、実行します。

Power Automate Desktopはテンプレートシートをコピーし、月ごとのシートを作成、さらに適切な月の名前に変更することが可能です。毎月の報告書作成作業が自動化されるため、手作業にかかる時間とヒューマンエラーが削減できます。

また複数の人が関わる場合でも、一貫性のある作業が行われるため、作業の属人化やミスのリスクが低減されるでしょう。

ファイルの一括作成とデータの書き込み

企業Bでは、販売データを元にExcelファイルに月次レポートを作成する作業があるとします。これがPower Automate Desktopを使用すると、以下の手順でファイルの一括作成とデータの書き込みを自動化できます。

  1. Power Automate Desktopを起動し、新しいフローを作成します。
  2. Excelアクションを追加し、対象のExcelファイルを指定します。
  3. 「ファイルを作成」のアクションを追加し、新しいExcelファイルを作成します。
  4. データベースから月次の販売データを取得します。
  5. ループアクションを追加し、取得した販売データのリストを作成します。
  6. ループ内で、「データの書き込み」のアクションを使用してExcelファイルに販売データを書き込むと、日付や商品名・数量・売上など、情報を該当するセルに自動的に書き込めるようになります。

Power Automate Desktopは販売データから自動的にExcelファイルを作成し、データを一括で書き込むことが可能です。こうした作業の簡略化は時間と手間を節約でき、ヒューマンエラーも減少するでしょう。

データの一括読み込みと処理

企業Cでは、Excelファイルに格納された顧客の注文データを一括で読み込み、特定の条件に基づいて処理する作業があるとします。この作業にPower Automate Desktopを使用すると、以下の手順でデータの一括読み込みと処理を自動化できます。

  1. Power Automate Desktopを起動し、新しいフローを作成します。
  2. Excelアクションを追加し、対象のExcelファイルを指定します。
  3. 「データの読み込み」のアクションを追加し、Excelファイルから注文データを一括で読み込みます。
  4. ループアクションを追加し、読み込んだ注文データのリストを作成します。
  5. ループ内で、特定の条件に基づいた処理を行います。たとえば、特定の商品を注文した顧客の情報を抽出し、メールで通知する・値引きを計算して合計金額を更新する・在庫数を確認して補充が必要な場合は発注依頼を作成する…などの処理が可能です。

Power Automate DesktopはExcelファイルから注文データを一括で読み込み、特定の条件に基づいた処理を自動的に実行できるので、作業効率が向上し、処理の正確性と一貫性が確保されるでしょう。

Power Automate DesktopによるExcelの一括操作は大体同じような設定なので、一度覚えてしまえば、誰でも簡単にできます。ルーティン業務や属人化された作業はなるべく自動化することがおすすめです。

Power Automate Desktop活用事例2:データ処理の自動化

Power Automate Desktop活用事例2:データ処理の自動化

Power Automate Desktopは、さまざまなデータを自動的に処理することが可能です。ここではデータ入力と集計時間を大幅に短縮したり、ワンクリックでレポートを作成する事例をご紹介します。

データ入力と集計時間が大幅短縮

企業Dでは、大量の請求書データを手動で入力し、集計する作業があるとします。そこでPower Automate Desktopを導入すると、以下の手順で自動化が実現できます。

  1. メールボックスの監視
    特定のメールボックスを監視し、請求書が届くのを待機します。
  2. メールの自動取得
    請求書が届いたら、メールの添付ファイルを自動的にダウンロードします。
  3. データの自動入力
    ダウンロードした請求書ファイルを解析し、必要なデータを自動的に抽出します。この場合は、Excelを使用してデータを該当するセルに入力します。
  4. 集計の自動実行
    入力したデータを使用して必要な集計処理を自動的に実行します。たとえば、顧客ごとの請求総額や月次の売上合計などの計算です。

このように、Power Automate Desktopを使用して請求書のデータ入力と集計にかかる時間を短縮できれば、従業員は手作業から解放され、他の重要な業務に集中できるようになります。

ボタン一つでレポートを作成

企業Eの子会社である研究機関では、調査データの収集・集計を日常的に行うとします。これがPower Automate Desktopを使用すると、以下の手順で作業の自動化が可能です。

  1. フォームの自動入力
    指定されたWebサイトのフォームにアクセスし、必要な情報を自動的に入力します。たとえば、調査対象者の名前や回答内容などです。
  2. データの自動集計
    入力されたデータを収集し、集計処理を自動的に実行します。回答の統計情報や集計グラフの作成などが一例です。
  3. レポートの自動生成
    集計結果を使用してグラフやチャートなどのレポートを自動的に生成します。レポートはExcelやPDFなどの形式で出力され、必要に応じてメールで送信されます。

こうしてPower Automate Desktopを使用すると、データ入力時間の短縮や集計精度の向上といったメリットがあります。つまり、これまで社員のセンスに頼っていた部分を誰でも高いレベルで同じ作業をこなすことができるようになります。

Power Automate Desktop活用事例3:メールの自動送信

Power Automate Desktop活用事例3:メールの自動送信

データ処理の自動化事例でも少し触れましたが、Power Automate Desktopはメールの自動化が可能です。メールの自動化はスケジュール管理を充実させるメリットがあります。

スケジュール管理の充実

  • 月次レポートの送信
    Power Automate Desktopでは毎月、特定の日になると自動的にレポートを生成し、関係者にメールを送信するシステムを構築できます。これにより、手動でのレポート作成と送信にかかる時間と手間を削減し、定期的かつ正確なレポートの配信が実現可能になります。
  • イベントのリマインダー
    重要なイベントや締切日前にリマインドメールを自動的に送信することで、従業員や関係者に対して重要なスケジュールやタスクを通知できます。そうすると、締切日を忘れたり、重要な予定の見落としたりするミスを防止し、いちいち口頭で伝達・確認することなく業務をスムーズに進めることが可能です。
  • カスタマーサポートの自動返信
    顧客からのお問い合わせやサポート要求に対して、自動的に返信メールを送信することで、迅速かつ一貫した対応が可能です。とりわけお問い合わせ受付後に自動的に返信メールを送信することで、顧客の要求が確認されたことを通知し、迅速な対応をアピールできます。また、よくある質問への回答やFAQへの案内も自動的に送信できます。
  • 報告の自動送信
    Power Automate Desktopは、プロジェクトの進捗状況やKPIの報告など、定期的に上司や関係者に報告する必要がある場合に報告メールを自動送信できます。特定のデータソースから必要な情報を取得し、レポート形式でまとめた後、予め設定したタイミングやトリガーに基づいて報告メールを送信します。
  • スケジュールの調整
    複数の関係者が関わるミーティングやイベントのスケジュール調整にもPower Automate Desktopは役立ちます。たとえば関係者の予定を参照し、利用可能な時間枠を自動的に抽出、そしてメールで調整案を送信することが可能です。これにより、何往復かかかるメールのやりとりが効率化され、スケジュール調整もスムーズになるでしょう。

これらはPower Automate Desktopを使用してメールの自動送信を行う一部の事例ですが、お伝えしたものだけでも自身の職場における業務に置き換えて考えることができるのではないでしょうか。

なお、メール処理の自動化設定はMicrosoft社のホームページにて学びながら実践できますので、ぜひ一度試してみてみると良いでしょう。

情報元:Microsoft社ホームページ

https://learn.microsoft.com/ja-jp/training/modules/pad-email/

ここでは実際にRPAツールを活用して業務効率化を達成した企業事例をご紹介します。

おわりにーー

ここまでお伝えしたように、Power Automate Desktopの活用による作業の自動化が、いかに高い利便性を誇るかご理解いただけたと思います。
また人によっては自身が行う実際の業務に置き換えて考えることもできたのではないでしょうか。

ただ、そうは言っても、Power Automate Desktopは奥が深いため、「まだまだわからないことが多い」という方もいらっしゃるでしょう。そんな時は、ぜひ当社の開催するPower Automate Desktopの講座で深掘りして学ぶことをおすすめします。

作業の属人化や離職率の高止まりといった職場の重要課題を解消するためにも、Power Automate Desktopを初めとしたRPAツールを使いこなすことがDX化の重要ステップであり、ひいてはすべての社員の成長につながるのです。

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