Winスクールでは定期的にデザインコンペを開催しておりますが、第4回デザインコンペ(2023年11月1日から2024年1月15日まで開催)では、初めて外部(受講生・卒業生以外)の方の作品も募集いたしました。そのアートポスター部門(スクール外一般部門)で見事、優秀賞に選ばれた希(のん)さん。
この記事では、希さんがデザインコンペに応募したキッカケや作品制作への想い、今後の展望などについてインタビューさせていただいた様子をお届けいたします。
目次
応募条件にビビッときたWinスクールのデザインコンペ
Illustrator(イラストレーター)を扱うスキルはあるものの、ゼロから何かを生み出すことには苦手意識があったという希さん。今回のデザインコンペに応募された核心に迫りました。
ーー今回、Winスクールのデザインコンペに応募したキッカケは何だったのですか?
希さん:ある意味、偶然というか運命的な出会いだったと思います。元々いろいろなことにチャレンジしてみたいという気持ちがあって、すでにあるものにIllustratorを使って手を加えるスキルはできました。
ただ、ゼロから素材を作ることはハードルが高いと感じていたところ、Winスクールのデザインコンペは「サイトで公開されている素材を使っても良い」とのことでした。その条件にビビッときたというか、自分にもできそう!と思ったのがキッカケですね。
ーーWinスクールのデザインコンペの募集をどこで知りましたか?
希さん:登竜門というサイトです。コンペの募集については、大体そのサイトやSNSの広告を見て知ることが多いですね。
ーーこれまでにコンペに参加した経験はありましたか?
希さん:塗り絵のようなものに応募した経験がありますが、受賞者のみに連絡がくるものだったので、当時の結果は存じ上げません。
デザインではなく俳句や川柳に応募したこともあります。県や市かどちらかは覚えていないのですが、そのときは佳作に選ばれました。
作家として活動しているわけではないのですが、何かを創作するのが好きで世の中の作品の背景を知ると、自分でもやってみたくなるのです。服とかもファスナーひとつ付けられないのですが、自分でミシンを使って作ると、色々と発見があってモノのありがたみを実感できます。
最近は型紙からトレーナーを作りましたが、手首のサイズが合わなくて、結局作り直しになってしまいました。コンペのお話とは少しズレましたが、閑話休題ということでお願いします(笑)。
豊富な想像力が生み出した作品コンセプト
パソコンスクールで学んだ経験はないという希さんですが、豊かな想像力でスクールのポスターを作ってくださいました。どのようなコンセプトで作品制作に臨まれたのでしょうか。
ーー応募作品のコンセプトを教えてください。
希さん:教室については、広くて開放的でパソコンがたくさん並んでいることをイメージしました。その理由は、毎日通っても疲れないことが大切だと思ったからです。
たとえば、電車に乗っていると中吊り広告をよく見かけますが、「〇〇をやるべき」とか「〇〇した方がいい」的な言葉が並んでいますよね。私はそういうのを見ると疲れてしまいます。
なので、背景画像に似合う見ていて心がザワザワしない感覚や、生徒さんのモチベーションが上がるような作品を心がけました。
キャッチコピーは私がこれまでに経験してきた環境を踏まえて浮かんできた言葉を選びました。
みんな頑張れと言われても、それなりに頑張っていると思います。だから、そういう激励ではなくて、やさしく背中を押してあげることで通学したくなれば良いなという想いから生まれた表現です。
作品づくりに込められた想い
「今できることを少しずつ 明日は新しい自分になれる」心に響くキャッチコピーとともに素敵な作品を仕上げた希さん。制作にあたってのプロセスや想いを伺いました。
ーー作品づくりは何から始めましたか?
希さん:自分の思い描くイメージに近い素材を探すことから始めました。AIで生成されたイラストや写真を見ていて、それはそれで面白いと思いましたが、私は生成AIを使っていないので今回のコンペでも使うことはなかったですね。
作品のイメージとしては、オフィスだからパソコンはあった方が良いとか煩わしさがないように…など、ストレスフリーで学べる環境を意識しました。また空の画像には、スキルアップの意味も含めて飛行機が上昇していく様子を添えました。
ーー希さんの作品づくりに込めた想いはどのように生まれたのでしょうか?
希さん:私は高校時代に選択科目で美術をやっていたのですが、デザインソフトの基礎的なことはそのときに学びました。その後、芸大に行ったのでIllustratorやPhotoshop(フォトショップ)を本格的に扱うようになりました。
ただ大学では当初、舞台美術がやりたいと思っていたのです。しかし、舞台美術の知識がないまま飛び込む勇気がなくて、将来的に選択肢が広がるデザイン学科を選びました。
なので、今でも吉本(吉本興業のお笑いライブ)や宝塚(宝塚歌劇団)もそうですが、演出の装置などを見ていてすごいなと、舞台美術への憧れはありますね。 きっと私がこれまで経験してきたことが統合されて、その中から直感的に作品に対するイメージや制作プロセスが生まれるのだと思います。
審査員の寸評
「教室に貼るポスター」としてWinスクールの理念や目指す姿勢をくみ取っていただけていると感じました。青空と飛行機を「今できることを少しずつ」というテキストと組み合わせることで、無限の可能性と穏やかな進歩を感じさせる一方で、明るく洗練されたパソコンスクール(オフィス)と組み合わせた「明日は新しい自分になれる」とのメッセージが新たな始まりと成長のチャンスをイメージしていて、スクールで学ぶ受講生を応援したい印象を強く受けます。色合いもさわやかでポジティブな雰囲気があり、学習へのモチベーションが高まると思います。あえてアドバイスするとしたら、文字と画像のバランスを考えると、メッセージのフォントサイズを大きくすることで、さらに強いインパクトを与えることができるかもしれません。
素早い制作スケジュールと受賞への驚き
希さんの作品に込めた想いやこれまでの経験などを伺っていると、気になるのがどれくらいの期間でこの作品を生み出したのか?ということです。また賞品の使い道についてもお聞きしました。
ーー作品の制作スケジュールを教えてください。
希さん:制作自体は2時間くらいですが、写真選びには時間がかかりました。会社から帰って、21時〜22時頃にデザインコンペの募集要項をみて、翌日のお昼くらいには提出しました。
募集要項を見たとき、オープンバッジ部門も拝見しましたが、それは詳しくなかったのですぐにアートポスター部門と決めました。
ーーデザインコンペの受賞者には賞品(Amazonギフト券)が贈られますが、使い道は決まっていらっしゃいますか?
希さん:実は賞品が出ることを見落としていて、メールをいただいたときは驚きました。最近ケトルを買って生活の質が上がった感じで、何かそういう心地良さを味わえるモノがあったら良いですね。ただスマホのバージョンが古くて、バッテリーがもうヤバいので、スマホの買い替え資金の足しになればとも思っています。
今後は機織りにチャレンジ
今回、スクール外一般部門からデザインコンペに参加した希さんは、これからどんな道を歩んでいくのでしょうか。今後の展望やWinスクールの受講を検討されている方にメッセージをいただきました。
ーーデザインコンペを終えて、今後チャレンジしてみたいことはありますか?
希さん:一番やってみたいのは機織り(はたおり)ですね。鶴の恩返しに出てくるアレです。すごく楽しそうだなと思って、機織り機が買えないか検索したら、昔ながらの木製のものはすごく高くてびっくりしました。デザインとは全然関係がないですが、モノづくりという意味ではデザインと似ていると思います。
ーー今後Winスクールでの講座受講やデザインコンペの参加を考えている方にメッセージをお願いします。
希さん:Winスクールには、転職してデザイナーになりたいとか仕事で必要だからデザインソフトを覚える必要のある方が通われると聞きました。ただ卒業しても、実際に制作できない方が多いそうですね。
だとしたら、せっかくデザインコンペとかを開催してくださっているので、自分の作品をつくることを一つの目標として楽しむことが大切だと思います。締め切りがないとなかなか行動できないことって意外とあるので、ちょうど良い機会ではないでしょうか。
Winスクールのデザインコンペは、全くのゼロからの創作ではなく、ある程度決まった条件の中で制作します。私もそうですが、「何でも良い」という本当の自由はある意味苦しいものです。
市区町村が募集するロゴなんかも制約がありますが、そういうコンペなら参加しやすいと思います。
私はIllustratorで作るのが好きなのですが、有名なものを真似て作るとき、膨大な書体から文字を重ねて、「あ、この文字だ!」とぴったりハマったときの感覚がたまらなく嬉しいのです。
どんなソフトでも使いこなせるようになると楽しいですよね。なので、基本をしっかり身につけて、作品づくりを目標に自分なりの楽しみを探してみてはいかがでしょうか。
おわりにーー
Winスクールのデザインコンペは、今後も受講生や卒業生だけでなくスクール外一般部門からの作品も募集する予定です。希さんがおっしゃったように、気軽に参加できるコンペなので、デザイン制作に興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。