建設会社をはじめ建材・住宅メーカーなど、建築デザインに関わる仕事で役立つCAD(Computer Aided Design)は近年、その技術を活かした女性の活躍が目立っています。
そこでオススメするのが、建築CADの資格を取得して収入UPにつなげるキャリア形成です。
この記事では、建築CADの資格があることのメリットやその検定内容など、転職を考えている20代・30代の女性がより活躍できる選択肢について解説します。
※CADとは、コンピュータを使って設計や製図を行うためのソフトウェアやシステムを指し、手作業による製図よりも正確で効率の良い設計図や3Dモデルを作成できるのが特徴です。
目次
建築CADで収入UPを目指せる3つの理由
CADの中でも建築に関わる仕事に役立つ建築CAD検定。この資格があると収入UPが期待できると言われていますが、その理由を3つの観点から深掘りします。
専門性の高いスキルが評価される
建築CAD検定を取得すると、建設業界では専門的な図面作成やそれを修正できるスキルの証明となります。それはすなわち即戦力と言えるので、資格を持っていない社員と比べると業界未経験でも初任給やベースの給与を高く設定したり、資格手当がもらえたりする可能性があります。
昨今はジョブ型雇用も増えているので、専門性の高いスキルが報酬に見合う傾向は今後も続くでしょう。
キャリアアップの道が開ける
資格を持つことで、設計や現場管理のサポート役としてのキャリアが築きやすくなります。重要な案件を任せられたり、プロジェクトチームに入ったり、実績を積みやすく管理職やリーダーへの昇進が期待できます。
よく「若者は管理職になりたがらない」という声も聞きますが、昇進は結果的に収入UPにつながるので、いまの仕事に直接生かせる資格取得はとても有益です。
リスキリングで高まる転職市場価値
30代・40代と年齢を重ねてきた場合でも、リスキリングによって転職価値が高まります。これまでのキャリアに建築CADの技術が加わることで、未経験でも建設業界への転職が有利になります。
また、リスキリングは雇用の安定や収入UPのための手段として国も推奨しているため、建築CADのスキル習得による転職で年収の底上げも期待できるでしょう。
建築CADのスキルを活かした業務事例
では実際に、建築CADの資格はどのような仕事に直結するのでしょうか。業務事例をご紹介します。
設計図面の作成や修正
建築CAD検定の受検にあたって学んだCADの操作技術と建築や機械分野に関する専門知識により、建設プロジェクトでの設計図面の作成や修正業務を担当できます。たとえば、建築物の配置図や平面図の作成、建築図面のトレース(模写)作業などです。
正確な設計図を描けるだけでなく、デザインの意図や建築要件をきちんと反映した図面が作成できるため、品質面での評価も高まるでしょう。
プレゼン資料の作成支援
建築プロジェクトのプレゼンにおいて、2Dや3Dの図面を使用して提案する場面がよくあります。建築CAD検定を学んだ方は、その専門知識からクライアントにわかりやすい資料の作成や設計意図を視覚的に伝えることができるため、プレゼンでのサポート役としても活躍できると言えます。
現場施工図のサポート
建設現場では、現場作業員が理解しやすい施工図が必要です。実際、施工図がわかりにくいと、現場の作業に遅れが生じる恐れがあります。
そうしたリスクを回避するのに役立つのが、建築CADの資格取得にあたって得た施工図の修正や細かな作業指示を図面上に反映するスキルです。現場のニーズに合わせた施工図の調整や変更に柔軟な対応をすることで、工事をスムーズに進めることができます。
3Dモデリングを活用した設計サポート
複雑なデザインや構造をリアルに再現する建築CAD検定の上級資格や3D CADの技術がある場合は、建築設計やインテリアデザインにおける独自のアイデアを形にすることが可能です。これにより、建築設計の具体的な提案がしやすくなるため、施工主が求める個性を表現する方法としてスキルが重宝される場面は増えています。
このように、建築CADの資格があることで一定の知識と技術を保証されたプロとして認識されやすくなるため、企業としてもそうした社員がいるとして信頼性が高まります。
CADを使う仕事は、デザイナーに比べると「その人らしさ」を直接表現しにくいと言えます。しかし、資格取得やスキルの向上により、高水準の製図ができるようになるので、生産性は間違いなく上がります。
また、業務の中で創意工夫や設計支援を行う場面が多く、そうした場面では個性や独自の視点を発揮できるので、そこにやりがいを見出すことは十分可能です。
建築CAD検定とは
建設業界で役立つ建築CAD検定とは一体どのような資格なのでしょうか。その概要をご説明します。
建築CAD検定の概要
建築CAD検定とは、建築用の図面をCADで描く実力を測る資格です。建築分野での実践的な技術を客観的に評価するためのもので、一般社団法人全国建築CAD連盟が主催しています。
1993年に日本初の建築分野に特化したCAD資格として30年以上の歴史があり、全国の教育機関や企業で17万人以上の方が受験しています。CADのスキルを学ベルスクールは760校を超えており、仕事に直接役立つ人気資格の一つです。
各級の試験内容
准1級
試験時間:4時間10分
合否基準:4図面のすべてを完成
作成図面:配置図、1階平面図、2階平面図、基準階平面図、断面図など
RC構造などの建築図面を基に、自らの建築製図知識とCAD技術を駆使して、建造物の特性を理解しながら正確にトレースします。高いレベルの実務知識と経験が求められ、建築設計の専門的な技術を証明するための上級試験です。
2級
試験時間:5時間
合否基準:250点中190~200点が目安
作成図面:平面詳細図、断面図、屋根伏図、立面図など
建築知識を基に、設計者のラフスケッチから平面詳細図や立面図を完成させます。設計者の意図を読み取り、実務で使える一般建築図をCADで作図する実力が問われるのが特徴です。
准2級
試験時間:3時間
合否基準:正解率75~80%
作成図面:平面詳細図、南立面図
参考図をもとに、CADシステムで正確にトレースする技能を測定します。設計者の指示に従って建築図面をトレースする実務力が求められます。
3級
試験時間:2時間
合否基準:200点中140~150点が目安
作成図面:階段平面図、通り芯、柱・壁、窓など
与えられた建築図面要素を正確にトレースして完成図を作成します。CADの基礎的なトレース能力が求められ、建築図面作成の基本スキルを証明するのに役立ちます。
4級
試験時間:2時間(高校団体受験のみ)
合否基準:200点中130~140点が目安
作成図面:柱・壁、通り芯、壁と窓など
3級と同様のトレース課題を若干、やや易しい内容で実施。CADの基本操作と図面トレーススキルを測る基礎レベルの試験です。
※情報引用元:一般社団法人全国建築CAD連盟
このように、建築CAD検定は単なる知識だけでなく、現場で役立つ実務力が問われます。設計部門だけでなく、現場管理や人材育成など、さまざまな場面で活躍できるこのスキルは、建設業界でのキャリアの幅を広げる強い武器になるでしょう。
未来の街づくりや生活インフラを支える業界で活躍したい方におすすめの資格です。
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Winスクールでは、建築・設備・土木CADなど、即戦力のスキルが身につくCAD専門の講座をご用意しております。講座受講にあたっては、教育訓練給付制度やリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業など、法人はもとより個人の方でも利用できる給付金・補助金がたくさんあります。
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おわりに
建築CAD検定は、建設業界や住宅メーカーなどでの就職・転職を有利にし、収入アップを実現するための心強い資格です。建築CADのスキルは業務の幅を広げ、即戦力としての評価も高まり、キャリアアップを目指す方には大きなアドバンテージとなります。
また、教育訓練給付金を利用すれば学習費用の一部が戻るため、効率的にリスキリングに取り組むことが可能です。
今からでも遅くありません。建築CAD資格にチャレンジするカッコいい、自分らしい働き方を実現する一歩を踏み出してみませんか?