ビジネスの現場ではさまざまなシーンで「プレゼンテーション」をおこなう機会があります。「自分はあまり人前で話すのが得意ではないから、プレゼンは苦手・・・」という方も多いのではないでしょうか。もちろん、良いプレゼンをするには「話し方」も重要なキーワードですが、普段の生活でも、耳から入る言葉以上に目で見た情報はとても印象に残ります。今回はそんなビジュアルを意識した「プレゼン資料の作成テクニック」を全3回のシリーズでご紹介します。
プレゼンは資料説明ではない
プレゼン資料とは、参加者に配布する紙の説明資料とは全くの別物です。説明資料は紙で渡すことで持ち帰って熟読してもらい内容を理解してもらうことを目的としています。その点では「細かくきちんと作る」ことが重要です。その点、プレゼン資料は自分を引き立たせる脇役にすぎません。長い時間説明をするときに、見ている人は集中力を切らさずにずっと資料を見ているわけではありません。インパクトを考えてシンプルにつくること、さらにはエンターテイメントを考え面白い要素も入れて「短期記憶」に働きかける必要があります。
説明資料が「その後も勝負」なのに対して、プレゼン資料は「その場が勝負」であり、アプローチや役割がまったく異なります。
では、参加者を飽きさせずに記憶に残るプレゼンをするためには、どのように資料を作ればいいのでしょうか。
記憶に残るプレゼンスライドの基本
まず、プレゼン全体の構成として「ワンメッセージ」であること。
プレゼンはその場の印象が勝負です。長い話の中で、いろいろなメッセージがあると何が大切かわからなくなります。話の中で聞き手に届くメッセージは1つか2つに絞るといいでしょう。
また、メッセージだけでなくデザインも「シンプル」な方が、インパクトがあります。
「ストーリー性がある」とは、実際に物語を作るのではなく、プレゼンの時間中、参加者の興味を引き続けなければなりません。そのためには、聞く人が飽きないような工夫が必要です。
POINT:聞く人を飽きさせないための工夫
- ちょっとした掴みを入れてみる
- メッセージをわかりやすく伝える
- 根拠を示す(引用する)
- 重要なデータを示す
これらが基本とはなりますが、重要なことは、最初と最後にきちんとメッセージを伝えることです。相手に対してどのようなメリットがあるかをわかりやすい言葉で伝えること、すなわち「ワンメッセージをシンプルにストーリー性をもって伝えること」がプレゼンでは重要になります。
シンプルなデザインを実現する3つのレイアウト要素
シンプルなデザインをする上で、重要な要素は3つあります。
1つめは「余白」です。白は清潔な色であるので、余白を多くとるとホワイトスペースがたくさんとれて清潔感が生まれます。また、内容が干渉しないのでひとつひとつのコンテンツに対して印象をしっかりと与えることができます。
2つめは「近接」です。心理的に人は近くにあるもの同士を1つのグループとして認識します。情報の関係性が視覚的に伝わるので、近づけるものは近づけるということも大切なルールです。
3つめは「揃える」ということ。上下左右だけではなく、間隔や中央の位置をきちんと揃えることでデザインの印象がぐっとよくなります。
レイアウトとしてこの3点を常に意識してデザインするとよいでしょう。