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ノンデザイナーがデザイナーを目指す!④
【番外編:和文フォントと
欧文フォント】

ノンデザイナーがデザイナーを目指す!④【番外編:和文フォントと欧文フォント】

フォントの基礎知識の番外編として、和文フォント欧文フォントの特徴を掘り下げて見てみましょう。

似ているようでまったく違う?!

和文フォントと欧文フォントにはそれぞれ「標準書体」と呼ばれるフォントがありました。

似ているようでまったく違う?!

和文フォントの標準書体である「明朝体」は、横線に対して縦線が太くなっており、「ウロコ」と呼ばれる右端や角などに三角形の山がつくのが特徴です。欧文フォントの「Selif」にも同じような特徴があります。欧文ではウロコの部分を「セリフ」といいます。ゴシック体とサンセリフは縦横の太さがほぼ同じでウロコ(セリフ)がありません。このように、和文フォントと欧文フォントの標準書体は似たような種別をしますが、それぞれに全く異なった特徴を持っています。

では、和文フォントにはどのような特徴があるのでしょうか。

似ているようでまったく違う?!2

和文フォントには「仮想ボディ」という概念があります。原稿用紙のように1マスに1文字ずつ文字を入れていくようなイメージです。この文字を収める四角形の仮想的な領域のことを「仮想ボディ」といいます。1つの仮想ボディに1文字ずつ収めていくのが和文フォントの基本的な作り方になります。

また、和文では促音など小さい文字もあり、文字ごとに大きさが異なります。実際の文字の大きさを囲んだボディは「字面」といい、この字面の違いによってバランスが悪くなってしまう場合があります。原稿用紙のようにマスに文字を入れていく場合はよくても、1つのライン上に文字を並べる場合、字面の大きさの違いでバランスが悪くなってしまいます。

そんなときに「等幅」「プロポーショナル」という考え方を理解しておくと問題を解決できます。たとえば、「MSゴシック」は等幅フォントです。文字の大きさに関係なく同じ大きさのマスに文字を入れているイメージなので、小さい文字が入る場合隙間が空いてしまい見栄えが悪くなります。一方、「MS Pゴシック」はプロポーショナルフォントと呼ばれ、字面に合わせて間隔を詰めていくので、間延びせずバランスよく見せることができます。ただし、新聞などの長い文章はプロポーショナルで詰めていくと逆に読みづらくなるので、等幅フォントの方がよく使われいます。

次に、欧文フォントついて見ていきましょう。

似ているようでまったく違う?!3

日本語のように仮想ボディというマスの概念ではなく、欧文フォントは線状に文字を並べていきます。基本となる「ベースライン」にそって文字を置いていき、文字の間隔はそれぞれが最適化されています。またベースラインの他に「アゼンタライン」「ディセンダライン」「エックスハイト」の3つの線が基準となり、文字が作られています。

このように、和文と欧文では根本的な作りが大きく違います。

スタイルの呼び方

文字を変形させた際の呼び方についても和文と欧文で異なります。

スタイルの呼び方

欧文フォントではフォントファミリーによって「フォントスタイル」として変形したフォントを保有していることがあるので、スタイルの呼び方をわかっていると、すぐに目的のフォントを選ぶことができます。

POINT:文字の変形の呼び方

和文フォント
・正体(せいたい):基本スタイル
・長体(ちょうたい):縦に伸ばした文字
・平体(へいたい):横幅を伸ばした文字
・斜体(しゃたい):斜めに傾けた文字。右斜体、左斜体がある。

欧文フォント
・Bold:太字
・Condensed Bold:長体と同じ
・Extended Bold:平体
・Italic:斜体

フォントをさらに美しく見せるテクニック

もともとのフォントの作り方の概念が違うため、和文と欧文を混ぜて文章を作るとアンバランスな雰囲気になってしまいます。和文フォントの中に含まれる欧文フォントを「従属欧文」といいます。通常の文章であればそのまま使用しても問題はありませんが、デザイン的な見栄えを重視する場合、従属欧文に違和感を覚えることがあります。そのようなことを回避するために「和欧混植」という、1つのフォントのなかに複数のフォントファミリーを組み込むテクニックを使います。

しかし、どのフォントを組み合わせるかはフォントの基本的な概念を理解し、適切なフォントを選ぶ必要があります。以下の右の例のように、明朝体に対して、サンセリフの欧文フォントを使うのは好ましくありません。

フォントをさらに美しく見せるテクニック

後ほど動画で詳しく解説しますが、イラストレーターの「合成フォント」の機能を使うとオリジナルの和欧混植のフォントを作ることができます。合成フォントを作っておくことで文字ごとの設定が必要ありません。

和文と欧文を組み合わせる時のポイント

和文フォントと欧文フォントを組み合わせる場合、和文に対して欧文の文字が小さいので、欧文の文字サイズを大きくします。使用するフォントの組み合わせにもよりますが、110~115%にしておくとよいでしょう。Illustratorの「合成フォント」の機能ではこのような細かな調整を施すこともできます。

動画による解説はこちら

ノンデザイナーがデザイナーを目指す!~デザインの印象を決めるフォントの基礎知識~【番外編:和文フォントと欧文フォント】1/1

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